2007/03/17

J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲

 



ゴルトベルク変奏曲(ドイツ語: Goldberg-Variationen) は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハによる2段の手鍵盤のチェンバロのための変奏曲 (BWV 988)。全4巻からなる「クラヴィーア練習曲集」の第4巻であり、1741年に出版された。バッハ自身による表題は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」 (ドイツ語: Clavier Ubung bestehend in einer ARIA mit verschiedenen Veraenderungen vors Clavicimbal mit 2 Manualen)

 

「アリアと種々の変奏」と題されているが、バッハが音楽を手ほどきしたヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクが不眠症に悩むヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク伯爵(ドイツ語版、英語版)のために、この曲を演奏したという逸話から「ゴルトベルク変奏曲」の俗称で知られている。しかし演奏には高度な技術が必要で、当時ゴルトベルクは14歳の少年であったことなどから、逸話については懐疑的な見方が多い。

 

ピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで演奏されることは少なかったが、ワンダ・ランドフスカがモダンチェンバロによる演奏を録音し、高く評価された。グレン・グールドはレコード会社に反対されながらもデビュー盤にこの曲を選択、1956年にリリースされたピアノ演奏のレコードは世界的な大ヒットとなった。

 

楽曲の構成

32小節から成るアリアを最初と最後に配置し、その間にアリアの32音の低音主題に基づく30の変奏が展開され、全部で32曲となる。各曲は2部構成で前半後半をそれぞれリピートする。

152125変奏のみがト短調で、他は主題と同じくト長調である。3の倍数の変奏はカノンであり、第3変奏の同度のカノンから第27変奏の9度のカノンまで順次音程が広がるが、第30変奏は10度のカノンではなくクォドリベットが置かれている。

16変奏は「序曲」と題され、後半の始まりを告げている。

 

14のカノン(BWV 1087

1974年にストラスブールで発見されたバッハの私蔵本には、修正の書き込みとともに、余白の頁には新たにVerschiedene Canones über die ersten acht Fundamental-Noten vorheriger Arie(前のアリアの最初の8音の低音主題に基づく種々のカノン)として、アリアの低音主題冒頭の8音に基づく14曲のカノンが追加されている。14はバッハの名前を象徴する数字である(BACH = 2 + 1 + 3 + 8 = 14)。

バッハは、17476月にミッツラー主催の音楽学術交流協会に第14番めの会員として入会し、入会にあたってバッハは第13番のカノンの改訂稿(BWV 1076)を提出した。エリアス・ゴットロープ・ハウスマン(de:Elias Gottlob Haußmann)によるバッハの肖像画で、バッハが手にする楽譜がそれである。 

 

編曲

本作はチェンバロのための作品であるが、グレン・グールドに代表されるようにピアノによる演奏も一般的である。またドミトリー・シトコヴェツキーによって編曲された弦楽三重奏版や、ユゼフ・コフレルによる室内オーケストラ版など、さまざまな演奏家によって多様な編曲が行われている。

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