2007/06/13

ブラームス 弦楽四重奏曲第2番(第3楽章)

http://www.yung.jp/yungdb/Composer.php

ブラームスが残したこのジャンルの作品はわずか3つです。それは、ベートーベンの16と比べるとあまりにもささやかな成果のように思えます。しかし、残された資料を調べてみると、彼は第1番の弦楽四重奏曲を発表するまでに、20曲近い弦楽四重奏曲を作曲していたらしいのです。そして、あまりにも自己批判力強いこの男は、それらの作品を「発表するに値しない作品」として、全て廃棄してしまったらしいのです。

 

シューマンはそのうちの何曲かを出版するように勧め、ブラームス自身も一時はその気になったようなのですが、結果的には「その価値なし」」と判断して廃棄していまいました。

実に持って、勿体ない話ですが、そう思えば残された3曲の重みが分かろうというものです。

 

しかしなのです。そう言う重みが分かったとしても、実際に聞いてみればある種の物足りなさを感じてしまいます。

それは、ベートーベンの作品を引き継いで発展させたと言うよりは、ロマン派の時代に相応しい濃厚な感情が表出された作品というように聞こえます。

おそらく、そのように受け取られることをブラームスは良しとはしないでしょうが、残念ながらそのような作品として私は受け取りたいと思いますし、評価したいと思います。 

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