2026/07/13

準々決勝(ワールドカップ2026北中米大会)(6)


 「優勝候補」に挙げられていたフランス(FIFAランキング1位)、スペイン(同2位)、イングランド(同4位)、アルゼンチン(同3位)が、順当に準々決勝を勝ち上がった。

 

フランスの相手はモロッコ。

前回の準決勝に続く再戦となったが、2-0で今回もフランスの勝利。これまで良い戦いをしてきたモロッコも、フランスには完敗だ。

 

スペインは「赤い悪魔」ベルギーに2-1、イングランドとアルゼンチンは、それぞれノルウェーとスイスを相手に延長戦を戦った末、なんとか勝利をもぎ取った。

 

相手は、どれが勝ってもおかしくないような試合巧者だけに、ひとつくらいは波瀾があるかと思ったが、FIFAランキング上位4か国の「4強」が揃って準決勝に勝ち上がるとは、まことにここまで波瀾の少ない大会も前代未聞だ。

 

この結果、準決勝は

 

(1)      フランスvsスペイン

(2)      イングランドvsアルゼンチン

 

に決まったが、ここまで見る限り(1)が事実上の決勝と言えそうである。

2026/07/12

マキャベリ(2)

https://dic.pixiv.net/

概要

『君主論』や『戦術論』『政略論』などで有名な、イタリアルネサンス期を代表する思想家。

政治理論に科学的な手法を持ち込み、政治は宗教・道徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な政治理論を創始したことで、歴史上ではじめての近代的な政治思想家と言われる人物。

 

なお世間では『君主論』で述べられたマキャベリズムの元祖である、という誤解が浸透しているが、後述の生涯から共和制と君主制の両方を体験したことで、どちらの長所・短所も論じており、どちらかといえば理想の政体を決められず悩んでいた『政略論』の方が本音に近い。

 

日本語では「マキャヴェリ」「マキャベリ」「マキァヴェリ」「マキァヴェッリ」など様々な表記が見られる。

 

生涯

1469年、フィレンツェ共和国の法律家の三男坊として誕生。

決して裕福ではなかったが両親の愛情に恵まれ、当時の上流階級の必須教養であったローマ・ギリシャ古典やラテン語等を学んで育つ。

 

当時のイタリアは幾つもの小国に分裂し、それらがさらにフランスやスペインなどの外国の勢力と絡みながら争う、いわば戦国乱世の時代でもあった。当然、マキャヴェリの暮らすフィレンツェも例外ではなく、メディチ家の追放やサヴォナローラの神政と、その失敗などの政治的な動乱を目の当たりにしながら青春時代を過ごす。

 

1498年に共和国政府の内政・軍政を担当する第二書記局長に選出される。さらに「自由と平和のための十人委員会」秘書官・大統領秘書官も兼任。周辺諸国との交渉など、あちこちを飛び回りながら多忙な日々を送る。

 

その頃、フィレンツェにとって生命線の一つであった交易都市ピサが勝手に独立して、コントロール下から離れていることが問題となっていた。

マキャヴェリはピサの再征服を主張し、自ら軍事行動の立案から実行まで関わる。

 

しかし1499年の一度目のピサ侵攻は、兵力として雇った傭兵部隊が再領有目前で勝手に撤退して失敗。1500年の二度目のピサ侵攻には、フランス王から兵を借りて臨みマキャヴェリも軍顧問副官として赴くも、散々フランス軍に振り回されまくった挙句に失敗する。

後年のマキャヴェリの「自国の軍を持つ必要性」や他人の褌で相撲を取ることを考えてはならないという主張は、この経験に基づくといわれている。

 

1502年、チェーザレ・ボルジア率いる教皇軍が、フィレンツェ近くのウルビーノを征服したことでマキャヴェリは使節として派遣され、チェーザレと交渉、和議を結ぶ。

この時、古典を学び諸国を飛び回る中で様々な為政者を見聞きしていたマキャヴェリは、権謀術数に長けるチェーザレの姿に理想の君主像を見出すようになる。

 

1504年、マキャヴェリは自らの経験と考察から、国の根源は傭兵に拠らない軍事力にあると確信、市民兵による『国民軍』の創設を主張・計画する。

貴族や富裕層の中には国民軍創設に反対する者もいたが、それらをはねのけてコンタードの農民を徴兵し、自ら軍部秘書となって国民軍を実現させる。

 

しかし1512年、国民軍はメディチ家の復権を目論むスペイン軍にあっさり敗北。

マキャヴェリは失職に追い込まれた上、反メディチ家と目されて逮捕されてしまう。ジョヴァンニ・デ・メディチが教皇に選出されたことで大赦によりすぐに釈放はされたものの、年収の10年分にあたる保釈金を友人3人に借りて支払っている。

 

こうして1513年以降、当時43歳の若さで隠遁生活を余儀なくされたマキャヴェリは、妻子を連れてフィレンツェ郊外の山荘に移り住み、昼は農業・夜は著述活動に精を出すようになる。

 

彼の執筆活動は政治・歴史・軍事の評論から劇作までに及び、特に喜劇は大好評を博して文筆家としての名声を獲得した。だがそれでも愛国者であった彼にとって公職への執着心は捨てきれなかったようで、『君主論』の執筆の際は、わざわざ官服に着替えてから執筆していたことが明かされている。

 

1516年、フィレンツェ統治者にロレンツォ・デ・メディチが就任すると、マキャヴェリに謁見の機会が与えられ、謁見の場で彼がロレンツォに献上したのが著作『君主論』であった。

『君主論』は「君主たるものが、いかにして権力を維持し、政治を安定させるか」という政治手法を科学的に考察して書き記された謂わば『君主のためのハウツー本』であり、マキャヴェリはこの本を就職用パンフレットとして献呈することで、メディチ家に取り入ろうとしたのだった。

 

結局、この時は成功することがなかったのだが、1520年にはロレンツォの後任者であったジュリオ・デ・メディチ(後の教皇クレメンス7世)に『フィレンツェ史』の執筆を依頼されるなど、公職に就くことはできないまでも、メディチ家政権下において顧問的に扱われるようになる。

 

だが1527年、教皇クレメンス7世(ジュリオ)がローマ略奪の惨事を招いてしまったことで、メディチ家は再びフィレンツェを追放されてしまう。それに伴ってマキャヴェリもまた政権から追放される憂き目に遭い、失意のうちに病で急死した。享年58歳。

 

人物像

その政治思想や著述作品から、一般的には陰鬱かつ冷酷非情な男というイメージを持たれやすいが、私人としては陽気でおしゃべりでお人好し、酒好き・賭博好き・女好き、良き父(ちなみに上記の43歳で失職した時点で5児の父であった)・良き夫という現代にも通じるイタリア人男性のステレオタイプとも言える人間性の持ち主であった。

 

また、隠遁時代には昼間は家族と共にブドウやオリーブなどの農作業をする合間、地元の酒場で農民や職人らと賭け事をして過ごしたという。

2026/07/09

決勝トーナメント2回戦(ワールドカップ2026北中米大会)(5)


決勝トーナメント2回戦が終わり、ベスト8が決まった。

 

今大会は、出場国がこれまでの「32」から「48」に大幅に増えたことで

「なんという水増し大会か・・・今まで通り32で良いのに」

と嘆いたのは、何を隠そうワタクシである。

 

そして出場国が増えたことに伴い、決勝トーナメント進出国が「16」から「32」に増えたことについて

「これでワールドカップサッカーの権威も地に堕ちたな・・・」

と、さらなる嘆きに輪をかけたものであった。

 

「こんなことでは、ドローに恵まれた弱小国がムダに決勝にトーナメント出てしまい、つまらなくなるのは必定だ」

などと決めつけていたりもした。

 

ところがどっこい・・・なんと、これが決勝トーナメントの蓋を開けてみたら予想外の面白さで、正直言って

 

「かつて、こんなに面白いワールドカップサッカーがあったか?」

 

などと、もはや臆面も節操もなく喜んでいる。

 

いや、それほどまでに今回のワールドカップサッカーは、本当に面白いのだ。

 

「いったい、何がそんなに面白いのか?」

 

と聞かれると、決勝トーナメント1回戦も2回戦も、これという波瀾はなく「優勝候補」や「強豪国」と前評判の高かったチームは、ほぼ順当に勝ち上がった。

むしろ「こんなにも波瀾の少ない大会は珍しい」くらいだ。

 

もっとも強豪国が順当に勝ち上がってきているとはいえ、アルゼンチンがエジプトにまさかの2点リードを許しながら、終了間際にやっとこさ追いついてなんとか逆転したように、「優勝候補」や「強豪国」も決して余裕で勝ち上がっているわけではなく、結構薄氷の勝利だったりする。

 

こうしたエジプトに代表される「優勝候補」や「強豪国」にカテゴライズされていない国、その他ではカーボベルデやコンゴといった名脇役の健闘こそが、今大会を盛り上げているといって過言ではない。

※ちなみにエジプト側から「アルゼンチンの審判買収疑惑」が出ているが、この試合は地上波中継がなくワタクシは観戦できていないから、真相はわからない。

 

さらに、今大会の盛り上がりに大きく貢献しているのが「得点王争い」である。

 

先にふれたように「優勝候補」や「強豪国」と言われていたチームが、前評判通りに勝ち上がって来たの同様、得点王争いについても前評判の高かった強豪国のエースたちが、揃いも揃って期待通りの結果を残しているのである。

 

前評判の高かった強豪国のエースたちが、期待通りの結果を残している」というと何やら当たり前のように聞こえるが、決してそうではない。過去の大会を振り返れば明らかなように、大体において「前評判の高かった強豪国のエースたち」というのは、ワールドカップの舞台では得てしてパッとしなかったり、評判倒れの方が多かった。これも過去の大会に比べ、今大会の面白さがより実感できる大きな要因と言えるのである。

 

ともあれ、ベスト16までは3か国揃って残っていた北米勢は呆気なく全滅となり、8強のうち6チームが欧州勢と「ヨーロッパ選手権」の様相を呈してきた。欧州以外で生き残ったアルゼンチンとモロッコは、どこまで生き残れるのだろうか。

2026/07/05

決勝トーナメント1回戦(ワールドカップ2026北中米大会)(4)


決勝トーナメント1回戦。

これまで決勝トーナメントに進むのは16チームだったから、ひとつ勝てば準々決勝進出だったが、今回は32チームが決勝トーナメントに進出となったことで、準々決勝まで勝ち上がるには2勝が必要である。

 

通常であれば「決勝トーナメントからが真のワールドカップ」といえたが、「水増し大会」となった今大会は1回戦はまだ実力差が大きいだろうと思っていた。ところが蓋を開けてみれば好試合の連続で、観客の盛り上がりも物凄い。

 

ネットの「独占契約」が話題となったインチキサギ契約などは相手にしないワタクシ(実際には単にビンボーなだけだが・・・)としては地上波中継頼みだが、幸いにして地上波中継が皆無だったWBCとは違い、多くの試合が中継されるのは有難い。

 

その結果が、先にも記したように「1回戦じゃあ、まだつまらんだろう・・・」という予想を大きく覆し、これが手に汗握る好ゲームの連続なのだ。

 

「日本vsブラジル」は言うに及ばずだが、他にも「オランダvsモロッコ」、「ポルトガルvsクロアチア」、「ノルウェーvsコートジボワール」、「アルゼンチンvsカーボベルデ」などなど、どれも1回戦で当たるのが勿体ないようなカードが目白押しであり、結果的には波瀾と言えそうなのはドイツがPK戦の末にパラグアイに負けたくらいで、その他の強豪国は順当に勝ち上がってきた。

 

今大会「目標は優勝」などと、恥知らずの大風呂敷を広げていた日本は「順当に」ブラジルに敗退した。

「史上最強」チームとの呼び声も高かったが、終わってみれば4戦して格下のチュニジアに勝った1勝のみ。引き分けがやっとのオランダ、スウェーデンは揃って決勝トーナメント1回戦で早々に敗退したことから見ても、「優勝」などは夢のまた夢というのが現実だった。

 

確かに回を重ねることに力をつけてきていることは認めるが、まだまだトップとの差は大きいというしかないし、オランダにPK戦で勝ったモロッコは前回4強だから、これは番狂わせではない。日本は、まだまだ16強に残る実力すらなかったということであろう。

 

ともあれ、ベスト16が出そろった。

大陸別ではヨーロッパ「7/16」、南米「4/6」、北中米「3/6」、アフリカ「2/10」という中、悲惨なのはアジアで唯一の「0」。ムダに9か国も出場しながら、まさに恥をさらしに来ただけの体たらくである。

そもそもアジアの「9枠」は多すぎであり、精々「4」、いや「3」でもまだ多いくらいだ。

 

さて、先にも記した通り1回戦から好ゲームの連発を見るにつけ

「まだ先は長いのに、この先一体どうなるのか?」

となお期待は膨らむばかりだが、あるいは試合数が多いだけに、選手たちの疲労もピークに達してくるにつれ凡ゲームが増えて来ないか、との懸念も拭えないのである。

2026/06/29

グループステージ第3節(ワールドカップ2026北中米大会)(3)


グループリーグの第3節が終了し、決勝トーナメントに進出する32チームが確定した。

 

某記事から引用。

『今大会から出場48チームに増えたことで、アジア勢は「4.5」から「8.5」に出場枠が増加。また、大陸間プレーオフ経由で出場したイラク代表を加えると9チームが参加した。

しかし、グループリーグを突破したのは日本代表(F2位)とオーストラリア(D2位)の2チームのみだ。

 

 大陸別に見てみると、出場チーム数が最も多い「16」の欧州は13チームがGLを突破している(突破率81%)。

アフリカは10チーム中9チーム(90%)、北中米は6チーム中3チーム(50%)、南米は6チーム中5チーム(83%)とウルグアイ代表以外が決勝トーナメント出場を決めた。1チーム出場のオセアニア勢は、ニュージーランド代表が敗退している。

 

 また、大陸別の合計得失点でも大きな格差がある。

欧州は「+33」、南米は「+13」、アフリカと北中米は「-3」、そしてアジアは「-34」でダントツの最下位だった。』

 

アジア代表の2チームのうち、オーストラリアは地理的な関係からアジアにカテゴリされただけで、人種的にはアングロサクソン系だから、実質的にはアジア代表は8か国で、その中で唯一日本のみが決勝トーナメントに進出というのが実態である。

 

その日本は、グループリーグ第3節ではスウェーデンと1-1で引き分け、通算「1勝2分」でグループ2位での通過となった。同グループ1位は「2勝1分け」のオランダ、また日本と引き分けたスウェーデンも「1勝1分1敗」ながら、グループ3位でトーナメント進出を決めた。

 

過去2回優勝経験のあるウルグアイがグループステージ敗退となったが、全体としては大きな波瀾はなく強豪国が順当に勝ち上がった。

 

6/29から休みなく決勝トーナメントが始まったが、これまでの16チームではなく32チームからのスタートだけに、初戦はまだ実力差がかなりありそうな組み合わせも多い。

 

そんな中で「日本vsブラジル」は最注目カードだ。

相手は過去最多の5回優勝を誇る「王者」とはいえ、今大会に限ってはそれほど評価が高くなく、世界を代表するようなスーパースターもいない。とはいえ、日本がやっとこさ引き分けたオランダ、スウェーデンより強いことは間違いないだろうから、もし日本が勝ったら「歴史的な番狂わせ」と言えるが、可能性は低いとみる。

 

決勝トーナメント表を見ると、ドイツ、フランス、オランダが入った左上が「死の組」といえるか。

左下はポルトガル、スペイン、ベルギー、右上はブラジル、日本、イングランドと、どのヤマも強豪が3か国程度入っている中で、唯一右下だけが「アルゼンチン1強」のようでトーナメント運に恵まれていそうだが、ダークホースが現れるか。