2026/02/18

日本のメダルラッシュ続く (ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(10))

ノルディック複合・個人ラージヒル前半ジャンプでトップに立った山本涼太は、後半の距離で大きく失速して15位に終わる。

 

ノルディック複合は、ジャンプとクロスカントリーの二種目で争う競技だが、なにしろジャンプの得点が少なすぎる。

 

かつての荻原健司など、ジャンプの得意な日本勢が上位を独占したあたりからルールが変わり、ジャンプの得点がバカみたいに抑えられた。ジャンプでかなりの差をつけても、クロスカントリーのスタートで雀の涙のアドバンテージしかもらえないから、スタート直後にあっさりと抜かれてしまうのが日本選手で、これではほとんどクロスカントリー競技と変わらない。クロカンの得意なノルウェーの選手などは、上り坂ではまるで走っているような速さだから、とても勝負にならない。

 

カーリングの日本女子(フォルティウス)は、日本はここまで16敗の不振で早々に予選敗退が決定した。

これまで「カーリングと言えばロコ・ソラーレ」というのが常識だった。実際にオリンピックで銀(前回)、銅(前々回)という輝かしい実績を残してきただけに

「やっぱりオリンピックはロコじゃないとダメなんじゃね?」

という声が上がってきそうだ。

 

とはいえ、そのロコもメンバーがかなり高齢化してきているだけに、今回代表の座を逃したのがやはり勿体なかった。

 

スピードスケート女子団体パシュート。日本代表(佐藤綾乃、堀川桃香、野明花菜、高木美帆)は準決勝でオランダに僅差で敗退したが、続く3位決定戦ではアメリカに勝利し、なんとかメダルを死守した。

31歳のエース高木の体力が、よく続くものだ。個人種目を考えると、本来なら予選は温存しておきたいところだろうが、日本選手の層がそこまで厚いわけではないから、どうしても高木頼みになってしまうのは致し方ない。が、これだけ何本も滑って、金メダルの期待がかかる1500mまでに疲労が回復できるか気になる。

 

それにしても、この「チームパシュート」とか、スキーの「モーグル」とか、よく色々な競技を思いつくものだと感心してしまうが、ショートトラックのレースは観ているだけで目が廻ってしまう。

 

フィギュアスケート女子ショートプログラムで、17歳で今季からシニアデビューしたばかりの中井亜美が、自己ベストの高得点をたたき出して見事トップに立った。エース坂本花織は2位、千葉百音は4位と3人そろって好位置につけた。

FSでは、伸び盛りの若手の勢いと、ベテランエースの巻き返しに期待がかかる。

 

日本の獲得メダルは、過去最多だった前回大会の18を上回る19個目となった。

2026/02/17

「りくりゅう」奇跡の大逆転で「金」のドラマ(ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(9))

今回から新たに加わったスキージャンプ男子スーパー団体は、各国2人の選手が3回飛んで、合計点で順位を決める。

二階堂蓮・小林陵侑が出場した日本は、1回目は2位と好スタートを切ったものの、2回目を終えて6位と苦戦。

最後の3回目で二階堂が会心のビッグジャンプを決め、一気に2位に浮上。この後、メダルを掛けた上位国の争いが佳境に入ったところで大雪となり、メダル争いの有力国の選手も飛距離が伸び悩む。日本のメダルへの期待が膨らんだところで、まさかの中断の判定。

この結果、「2本目を終わった時点での得点で順位が決定」というワケのわからないルールにより、日本は無念の6位に終わった。

 

「これがオリンピック」と苦笑いの二階堂に対し、3本目の準備をしていた小林は

「常に飛ぶ体勢でした。というか、あの気象の雲のレーダーを見れば(雪がやむと)絶対に分かっていた。5分後にやむと知っていてもしなかったんだな、と」

と打ち切りの判断に疑問を呈した。

 

作山憲斗ヘッドコーチも「奇妙」を連発。

「自然と戦う競技なのでしょうがない」としつつ

「本音をいえば30分ぐらい待ってほしかった。なんでこんな早く決めちゃったのかな」

 

実は同様のコメントはドイツなども

「なんで待たなかったのか、理解できない」

と試合を続けなかった判断に疑問符を呈したうえで

「もうヤケ酒を飲むしかないよ」

といったコメントもあったように、4年間をオリンピックに賭けてきながら最後の勝負を決める肝心なところではしごを外された選手たちにとっては、なんとも消化不良としかいいようがない結末だった。

 

フィギュアスケートのペア・フリーでは、前日のSPでまさかの5位と出遅れた木原龍一&三浦璃来の「りくりゅうペア」が、フリー世界最高得点の驚異的な演技を演じて、大逆転の金メダルに輝く。

 

前日のSPでは、得意のリフトで「練習でもしないようなミス」というまさかの失速。

男子シングルスで絶対的な本命とみられていたマリニンが

「オリンピック金メダリスト候補として扱われることは、特に私の年齢で本当に大きな負担でした」

と言っていたが、同様に「金メダル候補」と期待されていた「りくりゅうペア」にも、同じようなプレッシャーがあったかもしれない。

 

それにしても、FSで本来の力を発揮できればメダルの期待はあったとはいえ、5位から大逆転の金メダル、それも世界最高得点とはまるでマンガかドラマのようなストーリーだった。

 

SP終了後、泣いてばかりいたという木原。対照的に24歳の三浦の方は

「龍一くんが、ずっと泣いてるんですよ。いつも引っ張ってくれる龍一くんが。だから今回は私がお姉さんでした」

と、9歳も年上の木原を「龍一くん」とクン呼ばわりし、号泣を続ける木原を尻目に清々しいというかあっけらかんとした表情だ。外国人選手に比べ子供のように小っちゃい三浦だが、あのメンタルの強さは、まさに世界一に相応しい?w

2026/02/16

堀島選手がモーグルで2個目のメダル (ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(8))

フリースタイルスキー男子デュアルモーグルで、モーグルで2大会連続銅メダルの堀島行真が今大会2つ目のメダルとなる銀メダルを獲得。前回(2022北京)のモーグルでの銅と併せ、3つ目のメダル獲得だ。

 

スノーボード女子スロープスタイル予選は、村瀬心椛、岩渕麗楽深田茉莉と出場4人のうち3人が決勝進出を決めた。ビッグエア(BA)との「2冠」を目指す村瀬心椛は2位で「順当に」決勝進出。

 

スピードスケート女子500mでは、高木美帆が銅メダルを獲得。1000mに続き、今大会2つ目の銅。この種目では、前回(2022北京)の銀に続く連続メダルとなり、3大会通算で9個目(金2,銀4、銅3)のメダルを獲得。

今大会は1000mや1500mといった中長距離をターゲットに調整してきたという中で、ほとんど練習してこなかったという500mでメダルを獲るところはさすがだ。

 

高木が「数十年に一人」というような滅多に現れない逸材であることは疑いないところだが、それに続く若手が育ってきていない。高木のようなオールラウンダーはそう簡単には出てこないにしても、種目別で前評判の高かったり、ワールドカップなど他の大会では高木以上の結果を残しきた選手も、オリンピックとなるとどれも高木の足元にも及ばないのが実情だ。30を過ぎた高木に、いつまでもおんぶにだっこというわけにはいくまい。

 

 フィギュアスケートペアSPで金メダル候補に挙げられていた木原龍一&三浦璃来の「りくりゅうペア」は、リフトでミスが出て5位と厳しいスタートとなった。

2026/02/15

銀に「悔しい銀」あり(ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(7))

スピードスケート女子パシュート準々決勝で、日本代表(佐藤綾乃、堀川桃香、高木美帆)は2位となり、準決勝進出を決めた。

いつもながらだが、高木美帆選手のインタビューは求道者のような怖い表情で必ず反省点を口にする。その抜きんでた実力から常に頂点を狙っているのだろうし、周囲の期待も大きいから楽しむという心境ではないのだろうが、いかにもやってくれそうな雰囲気に期待してしまうのである。

 

ジャンプ(スキー)男子個人LHでは、1回目トップに立った二階堂蓮は2回目の最後で逆転を許し、本人曰く「悔しい」という銀メダル。とはいえ、ここまで個人ノーマルヒルで銅、さらに混合団体の銅に続いて今大会3つ目のメダルだから立派なもの。勝負の2回目で納得いくジャンプができなかったのは残念だった。日本男子ラージヒルでの銀メダルは、前回の北京大会の小林陵侑に続き2大会連続となる。

 

スノーボードだけは、あたかも簡単に「金」が獲れるように見えてしまうが、他の競技を観ていると「金」を獲るのがいかに大変かがわかる。むしろスノボの快進撃の方が異常過ぎるのだ。

2026/02/14

スノボの快進撃止まず(ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(6))

フィギュアスケート男子FSで、鍵山優真が前回(2022北京)に続く2大会連続の銀メダル、佐藤駿が3位のW表彰台。鍵山は団体戦を含め、通算で銀が4つという珍しい記録だ。

優勝候補と最右翼と目されたアメリカのマリニンはプレッシャーに潰されたか、2度の転倒を含むジャンプのミス連発でフリー15位と大失速し、まさかの8位に終わった。

 

競技後

「正直なところ、まだ何が起きたのか自分でも整理がついていない。感情が入り混じっています。今日一日ずっと調子は良かったですし、手応えもありました。いつも通り、自分が積み重ねてきたプロセスを信じて滑ればいいだけだと思っていました。

でもやはり、ここは他の大会と違います。オリンピックです。内側から沸き上がるプレッシャーや緊張感は、実際にその場に立ってみないと分からない。とにかく圧倒されてしまい、自分で自分をコントロールできていないような感覚でした」

と、失意の表情で振り返った。

 

「はっきりとした原因は分からない。緊張だけでなく、氷の状態も理想とは少し違っていた。ですが、それは言い訳にはなりません。どのような状況であっても、私たちは滑らないといけない。ただ、緊張に圧倒されてしまった。スタートのポーズにつく直前に、これまでの人生の辛かった記憶が頭の中を駆け巡り、ネガティブな思考でいっぱいになってしまった。それにうまく対処できなかった」

と、首を振った。

 

アメリカ選手といえば、大舞台になるほど実力以上の力を発揮してくるイメージだったが、こんな選手もいたのかと親近感が。

 

スノーボード男子ハーフパイプ決勝では、3大会連続五輪出場の戸塚優斗が悲願の金メダルを獲得、初出場の山田琉聖は銅メダルに輝き、こちらもW表彰台を達成。2大会連続出場の平野流佳は4位、直前に骨折の大ケガを抱えながらも強行出場した前回王者の平野歩夢は7位に終わり、4大会連続メダルはならず。

 

2回目の最後の一人を残す時点まで、日本勢が1位から4位までを独占し「これは表彰台独占もあるか?」と期待させる展開。ところが最後の3回目も、メダルを争う3選手ともほぼ完璧に近い出来に見えたが、思ったほど点が伸びない。2回目最後に登場したオーストラリア選手が2位に割って入り、結果銀メダルとなったわけだが、果たして上位の日本選手の間に割り込むほどの出来だったか?

 

「これが採点競技だ」と言ってしまえばそれまでで、ジャッジの間に日本選手(あるいは特定国)の上位独占は許さないという暗黙の了解があったのでは? と勘繰りたくなってしまうが、いかに言ったとて結果が変わるわけもないから止めておこう。

 

今大会、日本はスノーボードの男女ビッグエアで、木村葵来と村瀬心椛がアベックVの快挙を達成しており、この日の戸塚の金により日本勢は大会8日目で早くも前回の北京五輪と並ぶ3個目の金メダルに到達。

 

この日まで日本選手の獲得したメダルは合計14個となり、2018平昌の13個を上回った。過去最多の前回(2022北京)の18個を抜くのは、もはや時間の問題だろう。

金3つはすべてスノボで、合計14のうちスノボ勢が6個という荒稼ぎっぷりだ。