2026/02/22

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック総集編その2

スノーボードの種目がより多様化され、高度な技など観ている分には面白いが、例によって「採点」が納得いかない点が多々あるのが難点と言える。

これはいうまでもなく、フィギュアスケートも同様だ。

 

またスキーのジャンプも、単純にたくさん飛べば良いというものではなく「飛型点」などというワケのわからない採点があることが、折角の楽しい競技をつまらなくしている。ワタクシが日本選手贔屓のせいか、どの競技を観ていてもどうも日本選手の得点が思ったように伸びず、海外選手の採点がやけに甘く感じられてしまい、毎度観ていてフラストレーションが溜まって仕方がないのだ。まあ実際にジャッジの殆どは欧米人なのだろうから、それなりの忖度が働くのは容易に想像がつこうというものである。

 

それに比べれば、純粋に速さを競うスピードスケートは安心して観ていられる競技で、屋外で実施するスキーのように天候に左右されることもなく甚だ公正だ。ちなみに、スピードスケートトップ選手の短距離瞬間時速は約60kmというから、自動車並みのスピードで滑っていることになる。

 

速さといえば、ボブスレーの最高速度は時速130kmから140kmに達し「氷上のF1」とも呼ばれる。平均速度は時速100kmから135km程度とか。リュージュもトップ選手の時速は140km以上、コースによっては時速150kmを超える速度に達するという。スケルトンは130キロと言われるものの、顔面が氷面から30センチほどしかないため、体感速度は300キロ以上にもなるとか。素人には、とても怖くて真似のできない特異な競技である。

 

スキーにもスピードのみを争う「スピードスキー」という競技があるらしい。ほぼ直滑降で、設定された100メートル区間の速度を競うというもの。空気抵抗を極限まで減らした特殊スーツに専用のスキーで、世界記録は「時速255キロ」というからビックリだ。1992年アルベールビル大会で公開種目として採用されたものの、練習中に死亡事故が発生したことからオリンピックでの採用は見送られたままとなっている。

 

「速さ」とともに「高さ」もスキーの魅力だろう。

スノーボード、ハーフパイプのトップ選手はリップから跳び出す高さが56mに達し、ボトムからの高さはなんと1112m超えと、ビルの4階に相当するとか。また雪山と青空をバックに空中でのアクロバティックな技を競うスキーエアリアルやスノーボードは、冬季五輪ならではの幻想的な競技と言える。

 

しかしながら、なによりスノーボードの若い選手たちが勝負への執着も国境も超えて、仲間たちの健闘を称えあう姿が美しいではないか!

2026/02/21

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック総集編その1

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックが終了した。

日本は金5、銀7、銅12の計24のメダルを獲得。これまで最多だった前回大会の18個を大きく上回った。

 

計24個のメダルはノルウェー(41)、アメリカ(33)、開催国イタリア(30)、ドイツ(26)に次ぐ5位。金はやや少なかったものの、雪国でも北国でもなく、限定的な地域で決まった季節にしか雪の降らない「温暖な島国」としては、まことに立派過ぎる戦績と言える。

 

競技別では、なんといってもスノーボードの躍進に尽きる。金4,銀2、銅3で計9個だから、全体の4割近い数だ。金メダルに至っては、5個のうちの4つを占める。日本のスノーボードは、なぜこんなにも強くなったのだろうか?

 

またフィギュアスケートも金1、銀2,銅3と計6個と健闘したものの、個人は男女とも銀と銅、団体も惜しくも銀。ロシア選手がいない分、チャンスではあったが案外に金メダルは遠かった。

 

上記2競技以外で金はゼロ。かつては多くのメダルを獲得してきたスピードスケートは、高木の2つと女子団体追い抜きの銅3つのみで、金、銀はなし。金は逃したものの、今回も団体戦含め八面六臂の活躍をした高木以外、個人のメダルはなしだった。前回も個人メダルは高木のみであったし、今度の団体戦も高木がいたからメダルを獲れたようなものだった。

 

【「やり残したことはないかな......」】

「昨日のレース(1500m)が終わってから、メダルに対する思いだったり、オリンピックに対する思いだったり、時間が経つたび、変化していて......。(3つの)メダルを誇りに思う気持ちもあれば、最後1500mを思いどおりの滑りで終えられず、オリンピック自体の思い出が"負けてしまった"で締めくくる感じになったのは、前回の北京と真逆の流れで、いろいろな感情が出てくるのを昨日から繰り返しています。SNS DMや友人のメッセージを読むたび、『メダルを取るだけではない感動をもらった』って言葉をたくさんいただいて、素直にうれしく思う自分がいて。ただ違う瞬間、結果として取りたかったという思いが出てくる。揺れる感情のなかでの時間を過ごしています」

 

「この4年間で取り組んできたことには、誇りに思うところがあって」

「その理由は、チームを立ち上げてすばらしい仲間に出会えて、同じ時間を過ごせたことがかけがえのないものになると感じているからです。スケーティングだけでなくて、スケート人生でチャレンジしたことで得られたものでもあると思っているので、その点で充実した4年間だったと思います。でも、挑戦だけで終わりたくない、頑張ることに満足せず、結果に残したいって気持ちもあったから......そう考えると、悔しい気持ちが込み上げることもあります」

 

通算10個のメダルを獲得してきた大黒柱がいなくなった日本のスピードスケートというのは想像したくない。このコメントを聞くと、もしかしたら目標の「金」を逃したことから、あるいは「次」でのリベンジも視野に入れているのでは? などと期待してしまうのだ。

 

もしも次のオリンピックに出るとなると35歳となるが、海外の有力選手は30台後半というのも決して珍しくはない(ただし、体格的には高木と比較にならぬバケモノがほとんどだが・・・)

2026/02/20

フィギュア坂本、有終の涙(ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(12))

女子フィギュアスケートは、SPを終えて中井亜美がトップ、坂本花織が2位、千葉百音が4位と、誰もが表彰台を射程圏に捉える好スタートでFSを迎えた。

表彰台独占は欲張りにしても、複数メダルは十分に期待できる展開で、これまでの経験値から坂本の逆転金メダルを予想していたのは、恐らくはワタクシだけではなかったろう。

が、蓋を開けてみたら、SP3位チャイナ系アメリカ人のアリサ・リュウが逆転金メダルという予想外の結末が待ちうけていた。

 

金メダルを期待された坂本はコンビネーションジャンプのミスがあり、演技後は笑顔なく。キス・アンド・クライに向かう途中、ともに歩んできた中野コーチと抱き合い涙が溢れた。

表彰式では時折笑顔を見せるも、頂点まであと一歩。記念撮影では涙が止まらず。

 

坂本は

「力が最後まで100%出し切れなかったのがすごく悔しいんですけど、でも、これだけ悔しい思いをしても銀メダルを取れたことが、すごく何か今までの頑張りが実ったのかな」

と涙ながらに語った。

 

「正直、やっぱりここで完璧に決めたかったっていう気持ちが強かったので、その出来なかった分が、優勝逃してしまった点数分だったので、もうそれがもうすごく苦しくて、もう涙が出ました」

と率直な思いを打ち明けた。

 

最高の結果には届かなかったが、前回の銅を超える銀メダル。

 

改めて今大会を振り返り

「(前回は)本当に奇跡のような銅メダルから、これだけ銀メダルですごく悔しいって思えるくらい成長したのかなと思うので、この4年間、本当に頑張ってきてよかった」

 

SP1位で、プレッシャーのかかる最終滑走となった17歳の中井亜美は伸び伸びとした演技で銅メダル。あの浅田真央を抜いて、フィギュアスケート日本女子最年少メダリストとなった。

 

日本勢は2位、3位、4位と最も悔しい結果となってしまったが、3選手ともに転倒など大きなミスなく滑り切ったのは立派だった。

 

長らく日本の、というよりも世界のフィギュアスケートをけん引してきた坂本の引退は寂しいが、次のオリンピックは中井や、現在ジュニアで無敵を誇っている島田麻央ら若手に期待か。

個人的には、オリンピックで紀平が観たかったなあ。

2026/02/19

日本は「スノボ大国」? (ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(11))

スノーボード男子スロープスタイルで、20歳の長谷川帝勝が銀メダルに輝き、この種目で初のメダリストとなった。

 

女子スロープスタイル決勝では、19歳の深田茉莉が金メダル。

ビッグエアで金メダルを獲得した村瀬心椛は3位で、今大会2つ目のメダルを獲得した。

確かに深田は完璧な演技だったし、また村瀬も金メダリストの実力を見せつけた。どっちが上に来てもおかしくない素晴らしい2人だったが、それでも優劣を付けなければならないのが勝負の非情さである。

 

さらに言えば

「最後に2位に食い込んだ選手が、村瀬より上なのかなあ?」

など、ジャッジが日本選手のワンツーフィニッシュを阻止したかった(?)のかと疑わしくなるような、例によって採点競技につきものの、もやもやが残ってしまった。

 

ともあれ、今大会スノボで獲得した金は、スノボ6競技のうちなんと4個目。メダルは全部で9個と、全体の半分を搔っ攫った。スノボ以外で日本選手が獲得した金は、フィギュアスケートのりくりゅうペア1個だけだから、まさに「スノボサマサマ」だ。

 

かつて夏季オリンピックでは「柔道ニッポン」、「体操ニッポン」など「日本のお家芸」と言われたが、今や「スノボ・ニッポン」といっても過言ではない席捲ぶり、毎日のように新しいヒロイン、ヒーローが登場してくる層の厚さは目を瞠る。冬季五輪に参加している他の雪国とは違い、限られた地域にしか雪の降らない「温暖な島国」の日本から、なぜこうも凄い選手が次々と現れるのか不思議だ。

 

ところでスノボ選手のエピソードを聞いていると、子供のころから練習場所を求めての全国行脚のため、親が数時間もかけて車で送迎している等の話をよく聞く。また、こうした親はほとんどが欧州などで行われるW杯などの観戦にも付いて回っているというが、いったいどのようにして生計を立てているのだろうと、老婆心ながら気になってしまう。

 

ここまで日本のメダルは、スノボ勢が計9個の荒稼ぎで過去最多の18個を大きく上回り22個まで伸ばした。オリンピック大国アメリカの24個と、ほとんど差がないとはビックリだ。

2026/02/18

日本のメダルラッシュ続く (ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(10))

ノルディック複合・個人ラージヒル前半ジャンプでトップに立った山本涼太は、後半の距離で大きく失速して15位に終わる。

 

ノルディック複合は、ジャンプとクロスカントリーの二種目で争う競技だが、なにしろジャンプの得点が少なすぎる。

 

かつての荻原健司など、ジャンプの得意な日本勢が上位を独占したあたりからルールが変わり、ジャンプの得点がバカみたいに抑えられた。ジャンプでかなりの差をつけても、クロスカントリーのスタートで雀の涙のアドバンテージしかもらえないから、スタート直後にあっさりと抜かれてしまうのが日本選手で、これではほとんどクロスカントリー競技と変わらない。クロカンの得意なノルウェーの選手などは、上り坂ではまるで走っているような速さだから、とても勝負にならない。

 

カーリングの日本女子(フォルティウス)は、日本はここまで16敗の不振で早々に予選敗退が決定した。

これまで「カーリングと言えばロコ・ソラーレ」というのが常識だった。実際にオリンピックで銀(前回)、銅(前々回)という輝かしい実績を残してきただけに

「やっぱりオリンピックはロコじゃないとダメなんじゃね?」

という声が上がってきそうだ。

 

とはいえ、そのロコもメンバーがかなり高齢化してきているだけに、今回代表の座を逃したのがやはり勿体なかった。

 

スピードスケート女子団体パシュート。日本代表(佐藤綾乃、堀川桃香、野明花菜、高木美帆)は準決勝でオランダに僅差で敗退したが、続く3位決定戦ではアメリカに勝利し、なんとかメダルを死守した。

31歳のエース高木の体力が、よく続くものだ。個人種目を考えると、本来なら予選は温存しておきたいところだろうが、日本選手の層がそこまで厚いわけではないから、どうしても高木頼みになってしまうのは致し方ない。が、これだけ何本も滑って、金メダルの期待がかかる1500mまでに疲労が回復できるか気になる。

 

それにしても、この「チームパシュート」とか、スキーの「モーグル」とか、よく色々な競技を思いつくものだと感心してしまうが、ショートトラックのレースは観ているだけで目が廻ってしまう。

 

フィギュアスケート女子ショートプログラムで、17歳で今季からシニアデビューしたばかりの中井亜美が、自己ベストの高得点をたたき出して見事トップに立った。エース坂本花織は2位、千葉百音は4位と3人そろって好位置につけた。

FSでは、伸び盛りの若手の勢いと、ベテランエースの巻き返しに期待がかかる。

 

日本の獲得メダルは、過去最多だった前回大会の18を上回る19個目となった。