2024/06/25

イスラム教(14)

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アダムとイブの扱い、原罪論

人類の始祖アーダム(アダム)とその妻ハウワー(エヴァ)は、悪魔の虚言にだまされて禁断の果実を食した罰として楽園から地上へ追放されたが、長い放浪の末それを深く悔悟したことから罪を赦され、両者は最終的には天国への居住を許可されている。そのため、キリスト教(とくに西方教会)的な原罪の概念は存在しない。

 

イスラム教系新宗教

ムハンマドを最後の預言者とする以上、同系列の後発宗教が他宗教と比べて発生しにくい、という特徴を持つ。

キリスト教や仏教と比べてかなり数は少ないが、バーブ教バハーイー教などのイスラム系新宗教は存在する。

 

過激派について

俗説として「神権ありきのイスラム教は近代民主主義と食い合わせが悪く、(西欧的な人権思想の観点から)女性を抑圧し、異教徒を下に置き、全世界のイスラム化こそが究極の目標。時代にあっていないと批判しても、彼らからは時代こそが神の教えに合っていないと考えるので妥協することはない」というような主張がなされているが、これは「ガチで100%運用してしまった場合」。

これはイスラム教だけではなく他にもいえることで、だいたいの宗教には暴力肯定の思想がどこかに潜んでいる。

 

ほとんどのイスラム教徒は敬虔であれ不熱心であれ、異教徒との宗教戦争や争いなど望んでいないし、イスラム教が支配的ではない地域に住むと戒律の実践が難しい事に関しては、妥協して生きている信者も大勢いる。

戦争を望まず、平和に暮らしたい人々は、クルアーンやハディースにある暴力的な部分と穏便な部分がぶつかる際は、大抵の場合、後者を選んで平和への道を模索している。

 

例えばISILによる日本人の人質事件が起きた際、日本国内や諸外国の多くの法学者らは、彼らをイスラムに敵対した異教徒とみなして処刑は当然とせず、クルアーンにある「一人の人間を殺すことは全人類を殺すことと同然である」という言葉を用いて激しく非難した。

 

ISILを始めとした、イスラム過激派と呼ばれるテロリストグループの主張する所の「正しいイスラム教のありかた」は、多くの穏健なムスリムとは齟齬が大きく、またイスラム教の教義に地域や特定の部族の因習などを勝手にごちゃ混ぜにしているようなところもあったりする。

こうした過激派の行動から、風評被害を被っている穏健な一般のムスリム達やイスラム教の聖職者からは「本来のイスラムの教えではない」「彼らはイスラム教徒ではない」と非難されることも多い。

 

過激派はどの宗教にも存在し、宗教史には必ず殺し合いが含まれる。特にイスラム世界では、西欧各国が適当に国境線を引いたために紛争が多発しており、また豊かなところもレンティア国家(資源輸出がほとんどの国々)で体制が脆弱など不安定な地域が多く、過激派が台頭しやすいのである。

また、日本に入ってくる情報はほとんどキリスト教世界のマスメディアを経由してくるため、イスラム過激派の情報が入りやすい。

 

しかし、一方では過激派が「信仰の尊重」を盾にして他国で事件を起こすケースもあり、更には「信仰は憲法や法律を超越できる」という非常識な暴論で開き直って法の裁きを受けても、犯罪行為を正当化しようとする者も少なからず存在する。
どの宗教や事柄においても、その「行動理念」と「運用する人間」の違いは、ちゃんと理解しておく必要がある。

 

pixivにおいてイスラム教を題材にしたイラストを描く際の注意点

上述の内容やメディアなど様々な媒体から得られる情報でもわかる通り、同宗教は非常に繊細で且つ様々な問題を抱えていることを留意しなければいけない。これは極東の島国である日本においても例外ではなく、過去に様々な問題や事件が起きているからである。

 

例えば、イスラム教を批判的に捉えて執筆された「悪魔の詩」の本を翻訳した日本人が日本国内で殺害されたケースが挙げられる(2015年現在でも、犯人は不明のまま)。また、荒木飛呂彦氏が発行した『ジョジョの奇妙な冒険』でも問題が起きた過去があり、同漫画の中で登場人物のDIOが経典であるコーランを読みながら殺害を予告するコマが描かれている。このコマを巡ってイスラム教団体から猛烈なクレームが入り、一部の信者からは「放映したアニメ会社を爆破しろ」などと叫ばれるなどデモが発生するなど、新聞に掲載されるほどの大問題に発展した(後に謝罪と絵面の修正が行われる)

 

近年では、ISIS(又はISIL、通称「イスラム国)による日本人拉致殺害事件が発生した際に、一連の騒動でTwitterユーザーが「ISISクソコラグランプリ」なる一種の炎上現象が発生ししたのは記憶に新しい。その騒動の中で、コラ画像を投稿した1人の身元がISISの関係と見られる者に身元を特定され、Twitter上で殺害予告が行われた。このため、警察が投稿した人物の身辺警護のため出動する事態にまで発展するケースがある。

 

以上のように、同宗教の扱いは1つ間違えれば大問題に発展しかねないリスクを常に抱えており、それはたとえ数多あるSNS1つであるpixivにおいても例外ではない。

正しい知識と良識ある行動、そして細心の注意をはらった上での行動が求められているのは必定である事も留意する必要がある。

 

タブーとされる事項

イスラム教を題材にしたイラストを描く際に、信者でなくてもタブーとされている事項を挙げる。

 

・イスラム教を批判的に描く

単純にイスラム教徒の反発を招く恐れがある。過激なものであればあるほど、批判を受けやすい。

 

・アラーを描く

イスラム教徒において偶像崇拝を禁止しており、神「アラー」を描くのは絶対のタブー。

 

・預言者ムハンマドを侮辱する

偶像崇拝を禁止している教義においても、ムハンマドの肖像画も禁忌に触れる恐れがあるために回避する傾向がある。顔を見えないように描いたり、顔自体を黒く塗ったり、歴史上の絵画ではのっぺらぼうにするなどで対処する場合もあるが、イスラームでもグレーゾーンな面もあるため注釈などが必要。

ただしイスラームで問題視されているのは、主に「ムハンマドの絵を描く」という事よりも、「ムハンマドを侮辱する」という側面が強い。

 

特にスンナ派は、偶像崇拝に厳しい傾向がある。

(2015年のアメリカで、修正がされていないムハンマドの絵画を展示する美術館前にて、イスラム教徒と警察官の間で銃撃戦が発生するほどの事件が発生している例がある。他にも201517日に起きたフランスのシャルリエブド事件では、ムハンマドを風刺した上、侮辱ととれた為、風刺画家が銃撃された)

 

例えばpixivにおいてもこの様なイラストが投稿されているが、こういった物でも「預言者ムハンマドを侮辱している!」と判断して何かしらの攻撃を加えてくる可能性が十分あるのである。

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