2006/06/09

ラヴェル ピアノ三重奏曲(第4楽章)

 


三重奏曲の音楽素材の着想は、バスクの舞踏からマレーシアの詩に至るまで、幅広い分野から得られた。しかしラヴェルは、彼が普段から好んでいた伝統的な形式から外れているわけではない。作品は型通りの古典的な4楽章構成に沿っており、トリオの付いたスケルツォと緩除楽章をソナタ形式に基づく両端楽章が囲んでいる。その上でラヴェルは、自身の独創を古い形式に導入しようとしていたのである。

 

4楽章 終曲 Final, Animé

ヴァイオリンのハーモニクスによるアルペジオ(ラヴェルは『ステファヌ・マラルメの三つの詩』ですでに、この効果を用いている)を背景に、ピアノが5/4拍子による第一主題を奏し出す。第1楽章と同様に変則的な拍子が用いられ、5/4拍子と7/4拍子が交互に現れる。全楽章の中で最も管弦楽的な効果を持ち、3人の奏者の能力を極限まで利用しつくして華麗なコーダで終結する。

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