2006/06/28

これがサッカー、これがW杯だ!(サッカーW杯2006ドイツ大会)(4)

 サッカーW杯のベスト8が出揃った。過去のW杯がそうであったように、負ければ終わりの決勝トーナメントだけに、どのチームもディフェンスをより重視した「負けないサッカー」をやり始めた事から、優勝候補と言われた強豪が軒並み苦戦した。

その中で、苦しみながらも勝ち上がって来たのはアルゼンチン、イングランド、イタリア・・・  そして数的不利の中で、優勝候補の一角と言われたオランダを破ったポルトガル、また徐々に調子を上げて来ているドイツは、スウェーデンを一蹴した。初出場のウクライナも、スイスを破って堂々の8強入りだ。

ワタクシが密かに期待したガーナは、ブラジル相手に中盤までは健闘したものの、終わってみれば3-0で敗れた。ブラジルはやはり、最も勝ち方を知っているチームという貫禄が感じられる。

さらに予選ではピリッとしなかったフランスは、実力で勝ると思われた「無敵艦隊」スペインを撃沈させた。24年のW杯サッカー観戦歴を誇るワタクシも、決勝トーナメント第三日目の二試合は、これまでに観た事のないような予想外の結末が続いた。苦しみもがいた挙句に、劇的な勝利をものにしたのがイタリアだ。優勝3度の強豪イタリアの相手は、殆ど無名といってもいいオーストラリアだけに、恐らくはワタクシも含めた大方の予想は「イタリア圧倒的優位」だったろう。

ところが「勝負だけは、やってみなければわからない」とは、まさしくこの事だ。退場者を出し、一人少なくなったイタリアに無名のオーストラリアが、怒涛の攻撃で襲い掛かる。途中から防戦一方に廻ったイタリアは、なんとか相手の猛攻を凌いで延長に持ち込むのが精一杯か、と思われるほど青息吐息の状態だった。そんな終了間際・・・まさにロスタイムの3分が、あと数秒で終わろうかという土壇場の土壇場で、思わぬ予想外のドラマが待ち受けていたのである。

オーストラリア、無念のPK敗戦!

断崖絶壁から這い上がったこのイタリアの劇的な勝利は、長い歴史を持つW杯に新たな名勝負の一ページを刻んだ。また初出場のウクライナが、スイスと延長を含めた120分の死闘を戦いながら決着がつかず、PK戦を制したのも劇的だった。最初に、エースのシェフチェンコが外した時は「スイス有利か?」と思われたが、その後にスイスの選手が三人続けて、まさかの失敗だ。

PK戦で「最初の選手から三人続けて失敗」というのも記憶にないが、スイスは予選リーグを含めた四試合で、遂に相手に一点も奪われる事のないままに無念の敗退が決まってしまった。しかしながら、やはりこうして苦戦しながらも最後にはキッチリと勝ち上がって来るところこそが、これら強豪国と言われるチームの真の底力なのだろう。

W杯はこれまで17回の歴史があるが、優勝経験国は7カ国しかない。そのうち、出場していないウルグアイを除く6カ国が準々決勝に駒を進めたのはやはり歴史と経験、そして「W杯での勝ち方を良く知っている、伝統の力」という事になるのだろう。

まだ優勝経験のないポルトガル(最高3位)と、初出場ながら健闘しているウクライナは、さらに勝ち進んでいく事が出来るのだろうか?

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