2016/08/21

「タカマツ」ペア「金」の輝き(リオデジャネイロ・オリンピックpart8)

●大会14日目(日本時間181930分~191250分)

バドミントンの女子ダブルスで、高橋、松友組が同競技初となる金メダルを獲得した。世界ランキング1位で臨んだ「タカマツ」ペア。決勝の相手は2人揃って180cm前後ある大柄な相手で、20cmもの身長差から繰り出される高さとパワーに苦しめられる。 まるで男子選手と戦っているような不利な状況ながら、持ち前の粘り強さで一進一退の手に汗握る攻防が続く。

 

1-1で迎えた最終セット、16-19とリードされ、遂に「万事休す」かと思われた土壇場から、なんと5連続ポイントでドラマティックな逆転勝利を手にした。世界ランキング1位の重圧を感じさせないような「タカマツ」ペアの飄々とした態度と、溌剌としたプレーはなんとも素晴らしかった。

 

プレッシャーに弱く、世界チャンピオンがオリンピックではコロリと負けてしまったり、土壇場で逆転され「金」を逃すようなケースが多かったのが、これまでの日本代表であった。ところが、この大会の、特に前日の女子レスリング3階級や、この「タカマツ」ペアの鮮やかな大逆転劇を見ると、日本選手も変わってきているのを実感する。

 

テニスや卓球など「この競技初のメダリスト」が多く出ていることを見ても、かつての「お家芸」と言われた競技にばかり偏るのではなく、多くの競技でレベルアップに成功し、世界トップレベルと渡り合える実力を備えてきているのがわかる。いつまで経っても人気だけで、実力では世界に相手にされず、永久に(?)「蚊帳の外」に居続けるのは、サッカーくらいか?

 

一方、女子シングルスの奥原は、準決勝で敗れた。「タカマツ」ペアの相手同様、奥原の相手も180cm近い長身の選手で、高い打点から繰り出されるパワフルな攻めに屈した。外国勢と比べ、小柄な日本人にとって体格差は大きなハンデだが、身長差だけはどうしようもないだけに、今後「金」を狙える選手は混合ダブルスなどに出場して、男子の攻撃に慣れておくなど高さ対策が必要だろう。ちなみに3位決定戦で対戦相手が棄権したため、奥原は同種目のシングルスでは史上初のメダリストとなった。

 

前日、3階級制覇に沸いたレスリング女子は、この日もフリースタイル63キロ級の川井が、圧倒的な強さを見せて「金」。注目の53キロ級の吉田は、まさかの敗戦を喫し「銀」に終わり、オリンピック(3連覇)、世界選手権(13連覇)の国際大会連覇は「16」でストップした。吉田が負けたのは、このオリンピック最大のショックと言えるが、銀メダルで謝らなければならないのは気の毒としか言いようがない。そして改めて「4大会連続金」という伊調の偉大さを知らされるのである。

 

女子75キロ級の渡利は初戦敗退となったが、女子レスリングは6階級中4階級を制する強さで、今や柔道を凌ぐ「お家芸」ぶりである。

 

陸上男子200mのボルトは、100mに続いて憎らしいほどの余裕の勝利で「100m200m 3連覇」の大偉業を達成。このオリンピックが最後と表明しているが、今後これだけの怪物が出てくるのか?

 

日本の獲得メダルは「金12、銀6、銅18」

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