2006/05/15

安請け合い(二度目の技術審査part1)

 この年は、GWが始まる前の4月28日にひと足早く休暇を取り、30日まで三連休。さらに5122日を出て、3日から5連休というカレンダーになった。

当初予定では、後半に修善寺辺りに出掛け、温泉でまったりという青写真を描いていたものの、混雑を考え比較的近場の根津神社、神代植物公園、そして大船にある神奈川県立フラワーセンターから、鎌倉へ廻りブラブラという日帰りの旅2度でお茶を濁し、残りの日は部屋の模様替えとショッピングに充てる。

GW明けの8日にも休暇を取って、9日からまったりと職場への復帰を目論んでいたが、何の因果かGW明け早々に某省庁のセキュリティ機関から技術審査の依頼が舞い込み、知らぬ間に担当にアサインされていた (/||| ̄▽)/ゲッ!!!

技術審査自体は、前年11月に某大手民間企業の時に担当して以来2度目となるが、省庁相手はこれが始めてだ。

サポート役にも、前回と同じR氏がアサインされていた。いい加減な性格のR氏は

「にゃべさんは、前に1回やってるからもう大丈夫だし・・・」

と、責任者らに聞こえよがしに盛んにアピールをし、自らの負荷軽減に躍起になっていた。

「やったといっても、半年も前に1回やっただけだから、もうすっかり忘れたよ・・・それに省庁相手は、今度が初めてだし・・・」

と不安を口にすると

「そんなモン一緒や、一緒」

と、頭ごなしに決め付けてしまった。

「(R氏の次にキャリアの豊富な)K君に訊いた話では、幾らか違う部分があると言っていたので・・・Rさんは詳しいんでしょ?」

「オレも省庁の技術審査は、まだ1回しかやってへんし・・・それもサポート1回だけやで」

などと大声でアピールしていた。4年近くも居てサポート1回とは信じ難い話だが、平気で嘘を吐くのがこの御仁なのである。

前回の技術審査の相手だった民間大手企業の担当者は、過去に系列会社でも技術審査の相手を何度も務めていた事から、この業務に精通していた関係で非常にスムーズに事が運んだが、今回は審査前の書類を取り交わす時点から、見当外れな質問が飛ん来た事もあって

「こんな惚けた質問を投げてくるとは・・・今度の審査はかなり苦労させられそうな、嫌な予感がするわ・・・」


と隣でR氏が頭を抱えていたのを見て、それでもその時はまだ笑っているだけの余裕があったのだが・・・ともあれ半年ほど前に一度は経験した技術審査であり、前回ほどの未知の不安はない。民間企業相手とは違い、今回は某省が相手だけに多少の手順の違いはあるが、実際に審査を担当するのはK省お抱えの大手SierであるNTT某であり、リーダーのS氏もサブのK氏も某省定期作業で来ていた顔馴染みということもあって、すっかり安心していたのだが・・・

 この技術審査は、役所の慣例通り通常は月曜の朝からスタートして、その週のうちに終わらせるようにスケジューリングされる。実際には、余程のトラブルでもない限りは4日、早い時は3日で終わってしまうのだったが、この時は先方のN某の担当チームが他のプロジェクトを掛け持ちしている関係で、月曜日はまったく動けないという事情により、例外的に火曜からのスタートが設定されていた。

通常よりも一日遅い火曜スタートとはいえ、その週のうち(要するに金曜)までに終わらせなければならないのは、これまたお役所特有の「慣例」である。実際のところ、次の週に跨ったところで何の影響もないと思われたが

「必ず、その週のうちに終わらせる事」

というのが、S省からの至上命題だった。

「まあ相手はN某だし、大丈夫でしょう・・・」

と、自らに言い聞かせるように言うと

「甘いな・・・N某は、技術者のレベルが相当に低いよ」

と、リーダーに脅された。そして開始早々、悪い事にこのリーダーの「予言」が的中したことがわかった。

まず開始前に、K省から

「貴省からは、この技術試験は3日もあれば終わると伺っております」

という打診があり、責任者のH氏に管轄のS省が本当にそんな事を言ったのか確認を頼むと

「そう言ってしまったので、大変だけどなんとか3日以内で終わらせてください」

という難題が押し付けられてしまった。

確かに、過去の事例では平均して4日程度、早い時は3日で終わっている。ちなみに前回、初めて担当した時は3日も掛からなかったくらい仕事が早い方ではあるし、またサポート役もさらに輪をかけて仕事が早く、また誰よりもせっかちな技術リーダーのR氏だから、客観的にはそれほど「無理難題」と思われなかったかもしれない。

しかしながら、通常1週間で組まれているスケジュールの中で3日で終わるのと、最初から「3日以内」を至上命題として組まれたスケジュールの中で完結しなければならないというプレッシャーは、根本的に違う。それに幾ら自分が仕事が早いと言っても、相手もある事だ。

が、毎度の事ながら、S省がそんな実情を把握しているわけもなく、また知っていたとしても意に介するわけもない。現に「3日で大丈夫ですよ」などと、こちらに確認もせずに安請け合いをしてしまったのが「事実」なのである。

実質4日あるとはいえ、審査終了後にはS省に提出をする報告書をまとめなければならず、これがまた手数のかかる仕事だった。書類をまとめるだけでも半日か、下手をすれば1日がかりの作業であり、その後にレビューも必要で、レビュー後に修正をし、再レビューをするのが決まりになっていた。

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