2006/07/26

「めしや丼」改め「やよい軒」


 東京に引っ越した当初は、朝から近所にある「松屋」に朝定などを食べに時折通っていた。東京には「やよい軒」や「大戸屋」、或いは「日高屋」などのチェーン店が、あちこちにあるのはありがたいが、吉祥寺には「大戸屋」、「日高屋」は数件あるのに「やよい軒」の店舗がない。

免許の更新に行ったのがちょうど昼時で、食事はどこでしようかと物色していると、見覚えの懐かしい店構えが目に入った。それが「めしや丼」だったが、いつの間にやら「やよい軒」と屋号を変えていた(余談ながら当時は、てっきり地元愛知にあった「ザ・めしや」と同じチェーンだと思い込んでいた)

その日は梅雨の晴れ間という感じで、真夏の太陽がギラギラと照りつけるような暑い日だったため「穴子めしとざるうどんのセット」をオーダーし、冷たいお茶を飲んで待っていると新たな客が次々と入って来る。お茶を二杯、三杯と重ねて飲んでいるうちに、サラリーマン風の客が入ってきた。

外食の時は、出来るだけ空いている店を選んで入ることにしているが、それでも不思議とワタクシが店に入ると、途端にわっと客が入ってきたりするケースが多いのは昔からだ。単に空いている店を選ぶだけではなく、出来るだけランチタイムで混雑する時間帯を避けるのが常だから、決してランチタイムが始まってどっと客が増えた、と言うわけでもない。

カウンター主体の店では、出来るだけ周囲や対面に人の居ない席を選んで座るようにしているが、決まって料理が運ばれてくるようなタイミングで、対面や隣に誰かが来たりする。

「さあ、食べようか」

というところで、対面や隣に人が来られるのが最も嫌なのだが、これが常に「狙ってでもいたかのような」最悪のタイミングなのである。

(オイオイ、なにもわざわざ対面に来なくとも、他に幾らでも空きがあるでしょーが!)

と、文句のひとつも言いたくなる。案の定、その時も「料理が運ばれて来るタイミングを狙っていたかのように」、ちょうどU字カウンターの向こう側の目の前の席に、さも当然のように陣取ったリーマン。運ばれてきた「穴子めしとざるうどんのセット」を食べていると、程なくして向かい側に湯気の立ち込めた鰻丼と味噌汁が運ばれて来た様子だ。

U字型カウンターの中央には刷りガラスのようになった衝立はあるものの、衝立下の隙間から相手の料理が見えている。

(このクソ暑いのに、よくあんな熱い物を喰う気になるものだ・・・)

決して鰻丼を食べる金がなくて穴子めしを食べているわけではないから、心底そう思っていたのだったが

「隣の芝生は青く見える」

とはよく言ったもので、旨そうに鰻丼を突付く目の前の客を見ているうちに

(オレも鰻丼にすれば良かったか・・・)

と後悔の念が沸々と  (;´д`)

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