2007/01/15

ジャンプ(フィギュアスケート観戦ガイド)part1

 フィギュアスケートというのは、非常に難しい競技である。大体において採点競技というのは難しいものだが、フィギュアスケートの配点は驚くほど、非常に細かいところまでシステマティックになっているのである。大まかに言って、以下のような感じになるらしい。

シングルのエレメンツ
■ジャンプ
公式に認められているジャンプは六種類あり、着氷は総てRBOのエッジで行う。
LFORBI等の記号の意味・・・L/Rは左右、F/Bは前後、O/Iはエッジがアウトかインかを指す記号で、これら三つを組み合わせた符号で表している。

名称:左足:右足
・トウループ:トウを突く:RBO
・ループ:使わない:RBO
・サルコウ:LBI:使わない
・フリップ:LBI:トウを突く
・ルッツ:LBO:トウを突く
・アクセル:LFO:使わない

ただし逆回転の人は、左右逆になる。回転数の多少はあっても、踏み切りの仕方で、この六種類のどれかが決まる。

つまり解説などでは通常、回転数と合わせてトリプル・アクセルなどと表現するが、踏み切った時点で種類を表す後半部分は分かっているのである。回転数はシングル(1回転)、ダブル(2回転)、トリプル(3回転)、クワド(4回転・クワドラブル)で呼び、アクセルだけが前向きに踏み切る。トウループ、ループ、サルコウは踏み切り動作から回転が始まり、フリップとルッツはトウを突いてから回転が始まる分、難しくなっている(「トウ」とは「トウピック」の略で、ブレードの先にあるギザギザの部分の事・・・フィギュアスケートの靴に特有で、ジャンプやスピンに入る時に使用するためのもの)

フリップとルッツの違いは、エッジがインかアウトかにあるが、これをきちんと跳び分けられている選手は少ない(「エッジ」は、氷に接する刃の部分・・・フィギュアの刃の部分には溝があり、足の内側に倒すことをイン、外側をアウトという)

一応、後ろを向いてすぐに跳べばフリップ、長ければルッツという事になっている。

TV観戦をしていると「トリプルアクセル」や「トリプルトウループ」、或いは「トリプルルッツ」と言った言葉が次々に出て来て、素人目には見ていても区別がつかないが、上記のような違いがあるらしい。

■ジャンプコンビネーション・ジャンプシークエンス
ジャンプで着氷したRBOからそのままトウループ、またはループを跳べばジャンプコンビネーションに、次のジャンプまでにステップが入れば、ジャンプシークエンスになります。すなわちシークエンス(「連続」という意味)は、どんな組合わせでも出来ますが、コンビネーションの2つ目以降はトウループ、またはループしか出来ないわけです。

■スピン
上体の姿勢、軸足(滑っている方の足)、フリーレッグ(滑っていない方の足)の位置で、三つないし四つに大別されます。
 ・キャメルスピン:上体とフリーレッグが水平に一直線になっているもの
・シットスピン:軸足が曲がってしゃがんだ状態のもの
・アプライトスピン:軸足が伸び、上体が立っているもの
・レイバックスピン:アプライトスピンに近く、上体が反っているもの

■ステップシークエンス
スパイラル以外は、単に進むコースで分類されているだけです。勿論、その中身は、技術力により多種多様です。
・サーキュラー・ステップシークエンス:おおよそ円形に回るもの
・ストレートライン・ステップシークエンス:中央または対角線上をおおよそ直線的に進むもの
・サーペンタイン・ステップシークエンス:半円を3つつなげたような大きく蛇行した曲線を描くもの
・スパイラル(螺旋状)、ステップシークエンス:フリーレッグを腰より高く上げるポジションを幾つかとりながら進むもの

と、際限なく続く(以下、略)

次は専門家による、観戦ガイドである(フィギュアスケート資料室から引用)
ジャンプ、スピン、ステップシークエンスがあります。まず、ジャンプ。踏み切り方の違いにより、トウループ、サルコウ、ループ、フリップ、ルッツ、アクセル6種類があり、この順に難度が高くなります。そして、踏み切ってからの回転数(ひねりの数)により、シングル(1回転)トウループ、シングルアクセル、ダブル(2回転)トウループ、ダブルアクセル、トリプル(3回転)トウループ、トリプルアクセル、クワド(4回転)トウループとあります。


それぞれに基礎点が少しずつ差をつけて定めてあり、選手は制限回数内でより高い点を得るため、難しい(基礎点の高い)ジャンプに挑戦するか、逆に中途半端なミスで失点しないよう、出来るもので確実に点を稼ぐかの戦略が問われる。ジャンプの呼称については、例えば「トリプルルッツ」などというのが普通だが、感覚的には「ルッツ跳び3回ひねり」だったりする。

続いてスピン。基本の姿勢はキャメルスピンシットスピンレイバックスピンアプライトスピン4つあり、いずれかの基本姿勢だけで終わる事は必須の要素を除いて少なくなっている。スピンで基礎点を上げる(レベルを上げる)ためには、基本姿勢を難しくした変形ポジションをとったり、基本姿勢から基本姿勢へ変化させたり、軸足を換えたりする事が要求されるからである。ところが、こうしたことは難しく、バランスを崩したり回転速度が落ちたりして、逆にマイナスになる可能性もあることは言うまでもない。