2011/11/25

2011秋の甲州

昇仙峡は3年前のGWに行き、ほうとう会館で食べたあのほうとうの旨さが忘れがたかった。雲ひとつないような晴天に恵まれたこの日は、西国分寺か国立辺りから早くも富士山が美しい姿を姿を見せるという、幸先の良いスタートだ。バスで紅葉を楽しみながら、昇仙峡を上っていく。



 

前回同様に仙娥滝から石門、覚円峰を見て長潭橋に到る下りコースのハイキングを計画していたが、降りるところを間違えて途中で降りてしまったため、計らずも前回とは逆の上りコースとなった。前回は鮮やかな新緑に覆われた山々が、今度は赤やオレンジに染まって実に幻想的だ。お目当てのほうとう会館は、残念なことに団体客で貸切となっていたため、仕方なく別の寂れた店でほうとうを食べたが、この店の味はイマイチで地酒もない。さらにビールを煽ってからロープウェイで山頂に上り、富士山とアルプス大パノラマの景観を見物する。

 

この日は、新しく購入したデジカメ(サイバーショット)のデビューの日でもある。渓流沿いの露天で、ヤマメの塩焼きでビールを一杯。1600円と高いため鮎の塩焼きと迷ったが、あまりの旨さに結局鮎の塩焼きも追加オーダーした。

 

下山後、石和温泉へと移動だ。前回、かんぽの宿の温泉のしょぼさで失敗したのを教訓に、観光案内所で聞いた駅近くの旅館の温泉へ。入浴料1200円、タオルセット500円は高いが、風呂は大浴場とワイン風呂の内湯2つと露天風呂(大とジェットバス)の計4つだ。幸運なことに客がひとりもいなかったため、広々とした風呂を貸切のように独占することが出来た。

 

2日目は、前回行きそこなった大月の猿橋へ。


 錦帯橋(山口県)、かずら橋(徳島県)と並び「日本三大奇橋」と称される立派な橋が紅葉に染まる絶景を堪能し、大月駅前でほうとう定食を食す。この店のほうとうは旨かった。


ここまでは計画通り順調だったが、大月に温泉がないところから誤算が始まる。気になっていた塩山温泉に移動したのが失敗だった。「塩山温泉」には温泉宿が8件しかなく、日帰り入浴が出来るのはそのうちの6軒だ。ともかく行ってみると、ひと昔前の寂れた温泉地に小さい旅館がポツリポツリとあるばかりで「温泉街」という風情とは、ほど遠い。ネットで一番マシと見えた旅館を訪ねると、廃墟のように真っ暗でフロントも無人である (^_^)......ん?

 

電話をかけて日帰り入浴を頼むと、ようやく女将らしきオバサンが現れ

 

「入れるかどうか、ちょっと見てきます・・・」

 

と言って消えた。しばらくすると

 

「ちょっとぬるいですけど、入っているうちに温まってくると思いますが・・・それでよければ・・・」

 

と言うことだ。

 

(そんな・・・家庭風呂じゃあるまいし・・・)

 

と思ったが、最早ここまで来たのだから引き返すわけには行かん。Webでは「男風呂・女風呂・家族風呂・源泉風呂・サウナ」と書いてあったのに、実際には「家族風呂」ひとつしか見当たらない。サウナは形だけはあったが「故障中」となっており「源泉風呂」などはどこにもない。おまけに湯もぬるく、これで600円(小タオルのレンタルが別途100円)は詐欺のような話で、精々300円がいいところだ。陽が落ちた後の富士山が窓から拝めたのは良いとして、大月から塩山温泉まで往復2時間近い時間と、1000円もの金を掛けたのは、まったく後悔の極みであった。

2011/11/20

2011鷹竜シリーズの摩訶不思議

ソフトバンクが、中日を破って日本一!

当然というか、まったく予想通りの結果である。予想外は、第7戦までもつれこむほどの接戦になったことだ。

 

両チームの戦力を比較した場合、投打ともに層の厚さではかなり開きがあると見ていただけに、中日はひとつでも勝てれば御の字だろうと思われた。ところが蓋を開けてみれば、福岡で中日が連勝というまさかのスタートに始まり、遂に第7戦までもつれた挙句、最後までどっちが勝ってもおかしくないような、殆ど互角に近い勝負となったからビックリだ。

 

といっても、決して名勝負の連続で見応えのあるシリーズだったかといえばそうではなく、むしろつまらないシリーズだった。つまらない原因は、言うまでもなく中日の貧打である。もともと「統一球」の影響で、全体的にサッカー並みのロースコアが多くなって、まったくつまらなかったのが今シーズンの野球ではあった。そんな中でも、12球団で最もロースコアの「つまらない野球の総本山」が中日である。

 

「打てない、点が取れない」のは、シーズン中からよくわかってはいたが、よもやここまで酷いとはと呆れた。「こんな酷い打線やメンバーで、よく優勝できたものだ」と思い続けながら、それでもレベルの低いセリーグだからと納得していたが、日本シリーズでもソフトバンクをここまで手こずらせたのだから、なんとも摩訶不思議としか言いようがない。

 

なにしろ、日本シリーズの7試合で中日が取った得点が「たったの9点」なのだ。事実、2点が最高でチーム打率に到っては「155」と、史上最低かどうかはわからないが、シリーズ史上稀に見る低レベルだったことは間違いない。この攻撃力であれば、どう見ても4連敗が妥当な結果だ。ところが不思議なことに第7戦までもつれ込んで、ひとつ間違えればどう転んでもおかしくないような結果なのだから、中日の酷さの蔭で目立たなかったとは言え、ソフトバンクの看板倒れも目を覆うばかりだった。今シーズン中の「つまらない野球」に輪を掛けたような、この「つまらない日本シリーズ」こそは、まさに「勝っても客が入らないオチアイ野球の象徴」と言える。

 

「プロは勝ってナンボ」であることは確かだが、と同時に「金を取って魅せるのがプロ」でもあるはずだ。そういう観点からすると、打てないのは最初から解っていたわりに、これといった策もないまま終ってしまった中日には、大いに不満が残る。第4戦の無死満塁で「0」に抑えられたシーンなどは象徴的で、シーズン中ならもっとしつこく嫌らしい攻撃をしていたはずだった。それもセリーグとは違い、相手の投手が良いから何も出来なかったと言えばそれまでだが、結果的にはシリーズの行方を左右するポイントであったし、あれ以外にも拙攻ばかりが目に付いた。

 

いかに投手が良いといっても、点を取らなければ勝てないのだから

(こんなに点の入らん、シケタ野球が日本一にならなくて良かった)

とオチアイ嫌いのワタクシは、密かに胸を撫で下ろした ー`)y─┛~~

2011/11/09

2011鷹竜シリーズ

プロ野球のクライマックス・シリーズ(CS)が終わり、日本シリーズは「中日ドラゴンズvsソフトバンク・ホークス」に決まった。2位ヤクルトと「2.5差」、3位巨人と「3.5差」のセリーグはともかく、パリーグの方は2位の日本ハムに「17.5差」、3位の西武には「20.5差」という天文学的な大差を付けたソフトバンクが、CSで負けるようなことがあっては目も当てられなかった。

 

シーズン成績「8846敗」と貯金が実に「42」のソフトバンクに対し、西武は「6867敗」と貯金はたったの「1」だ。西武はトップのソフトバンクから「20.5差」も離されており、むしろ最下位のロッテと「13.0差」だから、最下位の方が遥かに近いヘボチームである。 ソフトバンクとの「20.5差」を考えれば、例えば「アウェーで1010勝」くらいのアドバンテージでもまだ少ないくらいなのに、現実のアドバンテージはたったの「1」である。

 

これくらいはたまたま怪我人が出たり、その時の調子如何でどうにでも転ぶ。実際、過去にそのような「インチキ優勝」で日本一を浚って行った「前科」もある西武であり、またシーズンを制しながらCSのバカゲタ制度に何度も泣かされてきたのがソフトバンクだ。となると「144試合ものシーズンで、真の実力を競う意味はなんだ?」ということになる。

 

「興行として、CS制度が必要」だと言うのであれば、サッカーの天皇杯のようにレギュラーシーズンや日本シリーズとは切り離した、トーナメント形式の「冠大会」にすれば良いではないか。幸いにも、今年は両リーグとも順当にシーズンを制した両チームが日本シリーズでぶつかることになった。

 

正直なところ、この両チームを比較すれば実力差は歴然と思われる。なにしろ、中日は打てない。シーズンのチーム打率「228」は12球団ワーストで、1試合平均の得点も「3点以下」という貧打ぶりである。目を覆うばかりの貧打はCSを見ても明らかで、セだから誤魔化しながらでもなんとか優勝できたが、セのどのチームよりも遥かに投手力が充実しているソフトバンクが相手では、精々2点を取るのがやっとだろう。

 

対するソフトバンクの打線は、これはセのチームとは比較にならないくらいに強力であることは間違いなく、セでは最も強力とされる中日投手陣とはいえ通用するかどうか疑問である。なにより、セよりはレベルが高いパで「8846敗」という驚異的な勝率を残していることから見ても、その戦力の充実振りはずば抜けていると見てよい。順当なら中日はひとつでも勝てれば御の字で、ソフトバンクが4連勝してもおかしくないくらい力の差があると思うが、どう転ぶか解らないのが短期決戦だけに好勝負に期待したいものである。

2011/11/03

iPhone劇場(4)

その後、iPhoneの調子は良かった。ストラップが付かない仕様のため、落下による故障であれほどまで苦労させられただけに、今度は保護ケースを買いカメラ用の穴にストラップを通したことで、落下の心配も減った。何かのミスで間違って落とした場合でも、保護ケースは案外厚手だからかなり衝撃は吸収されるだろう。

 

ところが、今度は落下とは別の「落とし穴」が待ち構えていた。水濡れ・・・不覚にも、アイスコーヒーの入ったコップを倒してしまった!

 

真っ先にiPhoneを取り上げ、次いでWILLCOM端末を取り上げたが、若干の水濡れが・・・悪いことに、部屋に居るときは保護ケースから出していた上に、携帯端末とは違ってiPhoneのあの平べったい形状だけに、濡れは避けられなかった。

 

幸いにして、WILLCOMの方は自宅に居る間はずっと充電しており、この充電器の上に載っていることで濡れは僅かで済み、動作確認もまったく問題はない。元々、iPhoneとは違って折りたたみ式の分厚いやつだから、こちらの方は水没くらい派手にやらなければ大丈夫なのだろうし、衝撃にも滅法強かった。

 

問題は、iPhoneだ。なにしろ普通の携帯端末よりはデリケートだろうし、あの形状だから真っ先に退避したにも関わらず、裏側がべっとりとコーヒーで濡れてしまった。恐る恐るひと通りの動作確認をしたが、特に問題はないと思えた・・・

 

確かに「動作自体は正常」だった。ところが、画面遷移をするたびに

 

「このアクセサリは、このiPhone用に設計されていません」

 

という外国製品特有のへたくそな翻訳の、不細工な日本語エラーメッセージが画面に出た。取り敢えずは「了解」ボタンを押すと、このメッセージは消えるが、またすぐに同じメッセージが表示されてしまう。ただし、このエラーメッセージ表示という点を除けば、操作や機能上の不具合や実害はなさそうだ。

 

とはいえ、画面遷移の度にこのようなメッセージが表示されるのは鬱陶しく、また今は操作に問題がないとはいえ、このようなメッセージが頻繁に表示されるというところに、一抹の不安を拭いきれない。そこで、メッセージの意味を調べてみることにした。

 

幸い、今ではこのような現象は大抵、ネットで検索すれば出てくる。検索した結果、どうやらこのメッセージが頻繁に表示されるという現象が起こる原因は、大きく2つあるようだった。ひとつは「普通に使っていて、ある日突然このメッセージが頻繁に表示された」というもので、もうひとつは「水濡れ」の場合だ。いずれの場合も、再起動や初期化などをしたら治ったというものもあったが、それだけでは治らないケースが多いようだった。

 

「普通に使っていて、ある日突然このメッセージが頻繁に表示された」例の対処では「ドック端子と呼ばれる、充電器を嵌める部分の掃除をしたら治った」という報告が多い。ということは、この「ドック端子」に溜まったゴミや埃などの「異物」に対し、端末側が「認識不能のアクセサリが接続された」と誤認しているということだろうから、この場合は単純に「異物」を取り除いてやればいいだけのことで、それが「ゴミや埃を取り除いたら治った」という報告と辻褄が合う。

 

一方「水濡れ」に関しては、これはゴミや埃のように取り除くことが出来ないから、対処の方法がない。しかも、この部分には水濡れ有無判定用の試験紙のようなものが仕込んであるらしく、修理に出せば水濡れかどうかが一発で判明してしまうらしい。そして水濡れの「証拠」が確認された場合、修理代が1万円程度もかかるということだった。

 

「頻繁にメッセージが表示されるのは邪魔だが、使用上問題がないのならそのまま使えばいいではないか」と思われるかもしれないが「このメッセージが表示され続ける状態を放置していると、表示間隔が段々と短くなったり電源を切っていても、このメッセージ表示のために電源が立ち上がったりする。したがってバッテリーの減りが異常に早くなり、最終的に故障に到る・・・」というのが定型的なパターンらしいため、やはり放置はダメなのである。

 

(うーむ・・・やっぱ水濡れは、どうにもならんか・・・)

 

と半ばは諦めの心境にもなりつつも、たかがコーヒーを零しただけで「修理代1万円」だけに、なおも悪足掻きは続いた。

 

(ドック端子に入った水が「異物」と認識されたのだろうが・・・入ったのはほんの少量のはずだから、乾いたら治ってくれんかな・・・)

 

と、苦し紛れにしばらく風通しの良いところにおいて置いたところ、この鬱陶しいメッセージは無事に消えて、ほっとひと安心 ー`)y━~

2011/11/01

は中国地方で「」あるいは「乢」とも書き「たお」、「とう」、「たわ」、「たわげ」などと呼ぶ地方があり、地名などにも見られる(岡山県久米南町安ケ乢など)。登山用語では「乗越(のっこし)」などとも言い、山嶺・尾根道に着目した場合は鞍部(あんぶ)、窓、コル(col)とも言う。

 

かつて峠はクニ境であり、その先は異郷の地であった。そのため、峠は「これから先の無事を祈り、帰り着いた時の無事を感謝する場所」であったことから、祠を設けている所が多い。この祠は、異郷の地から悪いものが入り込まないための「結界」の役割も果たしていたと考えられる。本来の意味から転じて、何らかの物の勢いが最も盛んな時期のことを「峠」という。

 

峠の語源は「手向け(たむけ)」で、旅行者が安全を祈って道祖神に手向けた場所の意味と言われている。「」という文字は、日本で作られた国字(和製漢字)である。異説として、北陸から東北に掛けた日本海側の古老の言い伝えがある。

 

たお」は「湾曲」を意味していた。稜線は峰と峰を繋ぐ湾曲線を描いており、このことから稜線を古くは「たお」と呼んでいたと言う。「とうげ」とは「たお」を越える場所を指し「たおごえ」から「とうげ」と変化した。したがって稜線越えの道が無い所は、峠とは呼ばないのが本来である。同じように「たお」から変化したものとして、湾曲させることを「たおめるたわめる」、その結果、湾曲することを「たおむ」「たわむ」と言う。或いは実が沢山なって、枝が湾曲する状態を「たわわ」と言うようになった、と説明している。

 出典Wikipedia


 「」という言葉は、色々な場面で使われる。「峠」を辞書で引くと

 

1. 山道をのぼりつめて、下りにかかる所。山の上り下りの境目。「道」

2. 物事の勢いの最も盛んな時。絶頂。「病気は今夜がだ」、「選挙戦がにさしかかる」とある。

 

1」は、これまで紹介してきた本来の「峠」であり、「2」は比喩的に使われるものだ。例えば病気などで非常に危険な状態、今夜が生死の分かれ目といった場合に「今夜が峠」などと言われたりする。これは「物事の絶頂の時期、極限」の分かれ目を意味する。

 

一方「」というのは、字面の通りで「土が反っている」という意味だ。土は地面のことで、それが「反()っている」というのは、傾斜があることを意味する。対して「」は「山」に「上る」道と、反対側に「下る」道のある場所を指しているのは、一目瞭然だ。 通常は生活道路を有する低山の頂部を指し、富士山の頂上のように生活に直結した道のない部分は峠と言わない。