2008/09/30

冬眠?

  つい数日前まで「早く涼しくなってくれ」とエアコンや扇風機をフル回転させていたのが嘘のように、ここ数日は急に冷え込んできたため不覚にも風邪を引いてしまった。

 

元々、今月いっぱいで「クールビズ」は終わりだが、上着どころか秋・冬ものに着替えても肌寒いくらいで、タンスとクローゼットの洋服を慌てて入れ替えた。布団も毛布を飛び越して、一気に冬布団の出番である。

 

この半年以上に渡り、連日日付が変わるかどうかという時間の帰宅を余儀なくされたばかりでなく、技術的にも精神的にも極限に近い状況が続いたが、ようやくひと段落がついて自由の身となった。その実、PLとの仲が最悪になった事もあるが、元々いつ終わるかわからないプロジェクトだからこその、予算設定の高さがあったわけだ。技術的にはワタクシなどは足元にも及ばぬようなPLは、稀に見る激情的な性格の持ち主だからいずれ破綻は予想済みだったが、遂にある出来事が切っ掛けとなって修復不能な溝が生じた。

 

最終日は、プロパーのPMPLが揃って休暇(その他、4人が夏期休暇)という異常事態の中で、そのままトンズらを決め込むには好都合と、PCの初期化を仕掛けて書店のはしごをして数時間後に戻ると、いつの間にやらPMが座っているではないか。PLのお詫びメールは返信の陽の目を見ぬまま、PC初期化ツールの藻屑と消えたことは言うまでもい。

 

こうして、また自由が戻った。

 自由とは、やはりいいものだ

 

担当プロジェクト終了後は稼動が楽になったため、連日当たり前のように遅刻やAM休でサボっていたせいか、一時的に不調だった体調も戻った。とはいえ、最も忙しい時期に当たった定期健診は受けらなかったため、これは時期を外して自費で受けるしかなくなった。

 

ところで聞くところによれば、世間はかなり酷い不況のようだ。IT業界もかなり冷え込んでいるらしいが、そんな世間を尻目に当面は温泉や健康ランドに埋もれて、のんべんダラダラと過ごそうと企んでいる。自分が本当にやりたく、また自分に相応しいと感じられる居場所を探すため、これから吟味に時間をかける事になるのだろうと、今は暢気に構えている。

2008/09/29

トイレ難民(後編)

  ここまで満室の場合は、残るは車椅子用のみであり、これはやはり出来ることならあまり利用したくはない。が、ここまで辿り付いた時は、生理的にそんな余裕のある事を言ってはいられない状況なのであり、また当然ながらここが一番空いている可能性が高かった。これがダメな場合は、入れる各フロアを往復して空くのを待つしかないという、情けない状態なのだ。

 

ところがプロジェクト参画後まもなくのこと、IDカードが変更となってセキュリティがさらに厳しくなり、(食堂フロア以外の)上下のどのフロアにも入れなくなってしまったのである。

 

 さらに朝に弱いワタクシは、起きてから家を出るまでの時間をギリギリまで切り詰めているため、便意を催す前に出かけてしまう事が多い。これまた尾籠な話で恐縮だが(と言うよりはテーマがテーマだけに、そうなってしまうのは仕方がないが)元々、便通はいい方だから食事の後は直ぐにもよおす方だけに、職場に着くとトイレに駆け込んだりするのだが、あたかも嫌がらせとしか思えないようなこんなタイミングで、トイレ掃除をしているのである。

 

ただでさえ絶対数が少ないトイレだというのに、こんなみんなが入りそうな出勤後の時間帯の掃除などは、実に非常識極まりないではないか。無論、トイレの掃除は必要だからやってもらわないことには困るが、せめて早朝から始めて始業時間の9時までには完全に済ませておいてもらいたいというのは、決して無理な注文ではないだろう。

 

しかしながら、いかに力んでみたところで現実はそんな状況だったから、掃除中の看板を無視して皆ズカズカと入っては行くが、デリケートな体質のワタクシなどは、小の方ならともかく「大の方」などはとても入っていられないし、入ったとしても掃除婦がゴソゴソとやっているような状況では、気になって出るものも出ないのである。こうして人一倍通じが良いのに、便秘気味になったりすることもあるくらいだった。

 

「大」待ちの連中はすることがないため、みな同じような格好をして大鏡の前で携帯を弄っていたが、こっちはあんな悪臭の漂うところで木偶の坊のようにボケーっと待っているのは御免蒙る。が、トイレに駆け込んだ時に、誰かが携帯を弄っている姿を見つけた時は、絶望で目の前が真っ暗になったものだった。   

 

さすがに定時後の18時半、19時を過ぎるとトイレが満室になっているということは少なくなり、21時も過ぎれば昼間の混雑が嘘のようにがら空きになってくるから、この時間帯にしてようやくのことでトイレ難民としては「安息の地」を見つけた気分になって、便座の上でほっと息を吐くのである。

 

ところが不思議なことに、そんな状況の場合に限って立て続けにPMなどと鉢合わせをしたりした。酷い時は3回くらい続けて

 

「ようやく(大の方に)入れるわい」

 

と手薬煉引きながら満を持してトイレに駆け込むと、PMがだらしのない格好で小便をしていたりするから、このような場合は「大の方」には入り難く、仕方なく「小」でお茶を濁して次の機会を待つのだが、こうしたケースは不思議と3回も続いたりするのである。こうなると、なにか自分に「大の方」をさせない見えざる力が働いているのではないか? などと、妙な疑心暗鬼に包まれたりするのである (;^_^ A フキフキ

2008/09/23

「総合格闘家・朝青龍」待望論

大相撲の横綱・朝青龍が2場所連続途中休場で、いよいよ進退極まった。

 

かつては鬼のような強さで、向かうところ敵無しと驀進していた朝青龍だが、ここへ来て一気に力が衰えたのだろうか?

 

年齢的には今月でまだ28歳だから、通常であれば脂の乗り切った時期とも言えるが、早熟による疲労の蓄積もあるかもしれない。加えて、以前から指摘され続けて来た「稽古不足」のツケが廻ってきたか、ここ数場所は全盛期の凄みや鋭い動きに、やや翳りが見える感は否めなかった。

 

先場所は5日目で2敗を喫して休場、そして今場所も豊ノ島戦は足が残っているように見えたが、この疑惑の判定を含めて9日目までで4敗だから、これはもう「横綱失格」である。

 

単に数字だけでなく、負けの内容も悪い。以前なら絶体絶命の形になっても、最後までしぶとい抵抗を見せたものだったが、最近の呆気なく土俵を割ったり倒れ落ちたりという姿を目にすると、巷間言われている通り体力以上に勝負に対する執念の衰えを勘繰らずにはいられない。

 

これまでワタクシは、何度か朝青龍をテーマに採り上げてきた。内容的には総て批判的なものばかりだったが、これは総て「朝青龍の人間性」に対する批判であり、アスリートとしての朝青龍の素質と能力の高さを評価している点では、人後に落ちないつもりである。

 

ワタクシは以前から、朝青龍は相撲よりも格闘技の方に遥かに適正があると観ており、世間を騒がせるようなトラブルが起きる度に相撲界から追放して、総合格闘技などに転身を図って貰いたいと願っていたが、遂にその時がやってきたのである。

 

あの稀に見る運動神経と反射神経の持ち主であり、総合ではスーパーヘビー級だが、あの巨体であれだけ俊敏に動くだけでも、相当に脅威的な存在になるはずである。

 

格闘技オタクのワタクシの観るところ、朝青龍は無理に太り過ぎたのではないか、と思っている。あと2030kgくらい減量(理想は120kg程度)すれば、まだまだ全盛期に近い鋭い動きを取り戻せるのではないか。

 

総合格闘技の世界は大相撲とは違い「強さこそ正義」の世界だから、いかに素行が悪かろうが人間性が酷かろうが強ければ問題はない。朝青龍レベルのワルならゴマンと存在している世界であり、これこそ朝青龍にピッタリだと思う。

 

あの性格で、どの世界よりもしきたりや制約の多い相撲界で生きていくのは、土台無理がありすぎたのだ。あの喧嘩早さと負け嫌いの荒々しい気性、相手を威圧する迫力はどう見ても格闘技向きだし、腕力だけでもかなり戦えそうな気がするから、トレーニングを積んだらかなり行けるのではないか。

 

日本には「空気を読む」という文化がある。今場所、突然に導入された立会い正常化や、疑惑の判定、またマスコミや世論の論調のどれをとっても、日本中が朝青龍を一刻も早く土俵から引きずり下ろしたがっているのは、明らかなのだ。このまま土俵に上がり続けても「悪役」として、四面楚歌の針の筵に座らされ続けるのは間違いない。もちろん、そうなったのは総て自業自得とは言え、そこまでして大相撲界に拘る理由があるのだろうか?

 

あれだけ数々の大偉業を達成してきた大横綱として、引き際は清くしなければならない。進退をかけるという次(次の次?)の場所でも、恐らくは序盤から崩れて早々に引退に追い込まれるのではないか、と観るのが妥当だろう。

 

今や負ける事も珍しくなくなったとはいえ、未だに負けた時の盛り上がりや座布団の舞い具合は、第一人者の白鵬をも遥かに凌ぐ(良い悪いは別として)圧倒的な存在感である。あの「悪のオーラ」を引っさげて、是非とも四角いリングで思う存分に暴れまわって欲しいものである。

2008/09/22

Gが奇跡の快進撃

阪神の独走でまったく面白みのなかったプロ野球が、一気に盛り上がってきた。

 

その立役者は、Gだ。開幕から5連敗を喫し、一向に浮上の気配のないままに、一時は阪神に13ゲームもの差を付けられていたGが、ここへ来て19年ぶりの11連勝というから驚いた。

 

開幕直後から怪我人が続出し、主力の二岡、ヨシノブ、上原、さらには中堅どころの久保、林、矢野らを欠いた上、かつては4番を打っていた李が不振で二軍落ちと

 

「これだけ主力を欠いて、よく戦えるものだ」

 

と評論家が呆れたほどに酷い惨状だったが、それを救ってきたのが野手では新戦力のラミレスであり、代役で活躍した木村拓であり、19歳の坂本であり、また投手ではやはり新戦力のグライシンガーであり、エースの内海であり、また山口、越智という若手だった。それらの新戦力の頑張りに応え、ここへ来て主力の小笠原、阿部、李らの復活によって、いよいよ戦力が充実しての「11連勝」である。

 

それにしても、あれだけ瀕死寸前でのた打ち回っていたGが、いかに阪神の凋落があったとはいえ、13ゲームもの大きな差を追いついて来るとは、誰が予想しえたであろうか?

 

遅まきながら、慌てて「Loppi」に駆け込んだものの、既にチケットはアウェー応援シートしか残っておらず、仕方なく久しぶりに中継されたTV観戦を決め込む。春先とは見違えるような力強さで、苦手の阪神を投打で圧倒していたのはまさに圧巻であり、久しぶりに「強いG」を観た気がした。

 

最終的には「クライマックスシリーズ」という、ワケのわからない馬鹿げた制度が待っているとはいえ、まずはシーズンを制することが最大の目標である事に変わりはない。 まだまだ結果はどう転ぶかわからないが、このままの勢いで一気に突っ走る事が出来るか?

2008/09/19

池袋駅

 明治36年、田端~池袋間に鉄道が敷設され巣鴨、大塚とともに開業した。無論、設置運動はなされたが、賛否両論があった。

「鉄道が敷かれると線路に砂利が持ち込まれるので、畑に砂利が飛んで作物に影響が出る」

「汽車の音に驚いて鶏が卵を産まなくなる」

「桑の葉に煤煙が付いて蚕が育たない」

という不安が、農民に鉄道を拒絶させていた。

そのころ、東海道沿線ではSLの吐く火の粉が沿線民家を燃やすという事もニュースとして伝わっており、目白と板橋に駅があるから、もういいではないかという意見もあった。

山手線は、当初案では巣鴨~目白を直線で結び雑司ヶ谷を通す予定だったが、この沿線となる住民が先に書いたような理由で猛反対した。それで、人の住んでいない福蔵寺参道口・池袋経由となったのである。

豊島区の地図を見ると、巣鴨から目白間で大きく迂回しているのが判る。大塚駅も池袋駅も、人家がないようなところに建てられたのだ。夜になると漆黒の闇で提灯が必要であり、まして東池袋は護国寺まで続く人跡未踏の大森林、駅の西は見渡す限りの大根畑、戦前まで寂しく怖いところだった。

東口が開けるきっかけは、戦後の闇市だ。もし山手線が予定通りに敷かれていたら、雑司ヶ谷駅が地下鉄東池袋駅の辺りに出来て、そこが大繁華街となったのだろう。そうすると、立教大学が今の池袋駅の辺りに越してくることになったかも知れない。

今の繁栄を見る時、ここが単なる地方のターミナル駅だったことは考えられない。今は副都心の一つの重要駅。山手線・埼京線・東北線・池袋線・東上線・丸の内線・有楽町線の出会う駅である。

「方量甚広し、故に一村の中にいろいろの小名あり。その小名をたずねて探さざれば一村のうちといいながら、その人にあい難し」

と『遊歴雑記』にある。池袋は明治の終わり頃まで、僻遠の地で外部との接触を持ちたがらず、村内の集落も遠く散り散りにあり没交渉で往来もなく、それぞれに風俗が違っていたという。

2008/09/12

トイレ難民(前編)

 JR品川駅に直結して高層ビル群が幾つか建っているが、某出口に林立している建物は大手通信キャリアのNxx関連のビルが多く、業界では密かに「xx」などとも呼ばれている。

いつかの職場(某携帯キャリアプロジェクト)も、この一角にあった。その前までは、同じ品川駅から5分ほど歩いたところだったのが、引っ越してこの高層ビルになった。まだ比較的新しいビルで、全体的に綺麗なのとなにより駅直結だから、どんな大雨の日でも濡れる事がないのはありがたい・・・などと喜んでいたのはいいが、ひとつだけ非常に困った事があるのが判明した。

この職場はプロジェクト毎にフロアが分かれており、他のフロアも同じなのだろうが、当時所属していたフロアも昨今よくあるように、ワンフロアぶち抜きだった。ざっと見ても優に100人以上のエンジニアが居そうなのだが、そんな大所帯にもかかわらずトイレが異常に少ないのである。

これだけのフロアだから、トイレが二箇所や三箇所にあっても良さそうなものだが何故か一箇所にしかなく、しかも(尾籠な話で恐縮ではあるが)「大の方」となると、たったの三つしかないのである。

ワタクシのように、人一倍腹がデリケートな人間にとってこれは致命的に困るし、単に困ると言うレベルに止まらずオーバーに言えば「死活問題」とも言うべきであったろう。これは明らかに「ビルの設計ミス」だと憤りを覚えた。

これまでも、所属している人数が多い割りにトイレが少ないため、昼休み後には「大の方」が塞がっていて、なかなか入れないことはよくあったが、この現場に関しては昼休み後はおろか、どの時間帯に入ろうとしても全部塞がっている事が多いのだから、まったくオハナシにもならないのである。

「大」の個室の脇で、携帯などを弄くりながら待っている人の姿も珍しくはないくらいで、甚だ困った。こうした場合には、仕方なく階段を降りて下のフロアのトイレに行くしかないが、大体ここも満室だ。さらにもう一つ下のフロアに降りるが、こうなると大体において同じような行動パターンで動いている「トイレ難民」仲間が何人もいるから、どこまで行っても当然のように「満室」なのである。

さて、どうしたものか (´-ω-`)

 それならば、もう一つ下の階か上の階まで上がって行くしかないじゃないかと思われるだろうが、それは昨今の通信業界やIT業界のバカゲタまでのセキュリティの厳しさを知らない素人の戯言で、現実はこうしたビル内ではそう簡単に無関係なフロアに入ることは出来ないのである。

例えばこのケースであれば、上下2つを隔てたフロアはプロジェクトが異なるため、自分が持っているIDカードでは入れないのだ。言うまでもなく、階段の上り下りまでは自由ではあるが、各フロアに入るドアには認証用の機器が設置してあり、IDカードを翳してプロジェクト参画者である事を証明しない限り、トイレや通路といえども侵入することが出来ないのは、こうした企業では常識となっている。

さらに、このビル全体が某大手携帯企業の最先端プロジェクトをやっている関係上、まるでマンガのようなレベルまでセキュリティで権限が厳しく分離されているのが、話を余計にややこしくしていた。

かくなる上は、取るべき道は限られてくる。まず食堂のあるフロアで、これはさすがに誰もが入ることが出来るから、まずはここまで降りていく。が、当然ながら他のフロアは誰しも自由な出入りが出来ないとあっては、こんなケースの際には大抵ここも満室になっている確率が高い。

そうなるといよいよ、エントランスの2階か1階に降りて行くしかない。この2つは共用(といっても、これもIDカードがないと途中までしか入れない)フロアである。そのうちの2階には「大」が一つしかないので、まず空いている事は滅多にない。となると、最後の砦は1階だ。

ここは飲食店のテナントが入っているが、トイレは奥にあるから一般の客にはあまり知られておらず、ここは二つの「大」のうちのひとつが空いている確率が、40%近くはあった。