2010/07/27

夏本番

6月某日に、2年ぶりに健診を受診した。東京に移住後、5年前のドックを含めた過去の受診では、総て「」判定で埋め尽くしてきていたが、今回は遂に尿酸値が「」判定となってしまった(地元に居た頃は、殆ど健診を受けたことがない)

 

1365日欠かさないアルコールの摂取に加え、刺身や肉、あるいは魚といったプリン体の多い食品を好むだけに、当然の結果と言えるかもしれない。とはいえ現状では、その尿酸値も基準値「3.8-7.0」を多少上回った(7.5)程度だから、それほど気にするほどではないと思っているし、そもそも「これだけA判定ばかりは珍しい」とは、毎回医師に言われることだ。言うまでもないが酒を控えるつもりなどは、まったくない (。 ̄Д)d□~~

 

ちなみに両親ともに血圧が高めの家系だが、ワタクシは一貫して上が「110120」下が「60」台をキープしているし、BMIも毎回「2021」だからメタボなどとはまったく無縁である。

 

話は変わるが、7月から新たに某中央官庁関係のプロジェクトに参画している。

 


不景気のご時世だけに、6月に行われた合同面接ではご多分に漏れず、書類審査を通過した各々それなりのスキルを備えた、10人以上の「リーダー候補」がわんさかと詰め掛けて来ていたが、結果採用されたのはワタクシ一人だった。で、7月に入場すると、いきなりネットワークチームPLのお達しが下った。

 

プロジェクトは、中央官庁が提供する某公共システムの大規模なインフラ更改だけに、世の不景気などはどこ吹く風とばかりに忙しい現場らしい。PMなどは月間稼動時間が300時間を優に超えているらしく、それらの負荷を軽減していくのも今後のワタクシの役目となる。

 

現場は、都内某所にある元請けF社(大手電機メーカー、というよりはコンピューター業界大手というべきか、はたまた大手ベンダーと言うべきか、一般的に「H」や「N」と並び称される大企業である)の情報システム部門だ。F社から仕事を請負っている企業のプロパーを含め、ネットワークやセキュリティなどインフラ周りのスペシャリストが居ないという状況のせいか、最初から過大に期待されているようなのが大いに気にはなるが、早くも2週続きで休日出勤となったりしている。

 

こんなご時世だけに、プロジェクトそのものはいつまで続くかまだ先が見えないが、実のところここ数ヶ月は気楽なプーさんの身分をエンジョイしていたから、久々の現場でいきなり大任を任されたことで、ガラにもなく「まあ、ちょっと頑張ってみるかな・・・」  などと、珍しく少しはやる気にはなっている。無論、まだまだ隠棲するほどの歳ではないし、密かに目指す目標はまだ高いのである。

2010/07/18

信濃国(2)

出典http://www.cam.hi-ho.ne.jp/sakura-komichi/index.shtml

《タケミナカタは、慌てて逃げ出した。タケミカヅチは追いかけて、科野(しなの=信濃)国の洲羽(すわ=諏訪)湖まで追いつめて殺そうとした時、タケミナカは

 

「もう降参です。どうか、命はお助けを。ここから一歩も、外には参りません。父大国主命の命に違うような事はいたしません。八重事代主神の言葉にも背きません。この中国(なかつくに)は、天神御子の命令どおりに献上いたします」

 

と申し上げた。

 

建御名方神の神名のポイントは「」である。

 

「ここから一歩も外には行かぬ故、殺さないでください」という言葉には、シナス(奈良時代より前には、シナノではなくシナヌといった)から「名=な」が外に出ぬという意味を含んでいる。シナヌからナを外せばシヌ(死ぬ)であり、だからナが外に出なければシナヌ(死な> ぬ)となり、この神の言葉の謎が解ける》

 

《ある先生が「世界の神話伝説」という本の中で「日本の神話伝説」の持ち分を執筆されています。文章は、その中から抜き出しました。タケミカヅチとタケミナカタが漢字で書かれている点を除けば、この先生の書かれた状態のままです。引用部分だけを読めば「信濃の語源」について語ったというよりは「タケミナカタの神名がついた理由」について語った文章のようです。とはいっても「信濃」は「死なぬ」が語源であるという誤解を与える可能性がある文章かもしれません。

 

まず「信濃」の「しな」は、これだけで万葉時代以前は「階段」もしくは「風(かぜ)」を指します。信濃国とは「階段のような山に囲まれた国」、もしくは伊勢と同じく「風に関与する国」という意味だと思います。

 

また、伊勢と信濃をつなぐ神は伊勢津彦といいますが、これも一部ではタケミナカタと同一視される存在であり、大国主の御子神であって伊勢の国譲神話に登場するあたりも、両神が同一である可能性を感じさせます。信濃では、現在も「伊勢津彦」の名の下に「風鎮祭」が営み続けられています。

 

また「ナ」という音は「大地」につながる上古の言葉であり、タケミナカタという神名が上古以前から語り続けられているものであれば、名前の「名」とは違う意味がそこにはあるはずです。「ナ」=「大地」と解明、解釈できるわけです。

同じように、大国主のオオ「ナ」ムチという神名も分解できます。

 

タケミナカタ「ナ」が「名前の名」と同じ意味だという根拠も、当て字の「名」からだけの推測のように思います。ここから推測すれば、タケミナカタの神名のポイントは「ナ」でなく「ミ」であることが解かります》

 

《「ミ」とは何かといえば「蛇」のことを指しているのではないか、という指摘がある。諏訪の大神タケミナカタは、オオナムチ神性を継ぐ「蛇神」でもあり、また「カタ」は地形を表すのではないか、と推測される。

 

播磨風土記宍粟郡の記述には「ミカタ」という土地が出てくる。この地名由来は「大神が御杖(みかた)をこの地に突きたてた」という地名説話がある。古来、播磨地方にある文献には、この「ミカタ」の「カタ」の文字には「方」、「形」と「条」の三種が当てられている。このうち、妙に感じる当て字は「条」だ。方も形も「カタ」と読むことに違和感はないと思うからだが「条」には「枝」と「長い」という意味も含まれているらしい。

 

地名説話の「杖」の音から「条」を当てたのかもしれないが、一方で「条」の文字には「長」の意味があるらしい(「条=長」は、播磨風土記注釈稿による。『尚書』に「条は長なり」とあるらしい)

そして、長細いものを数える時にも用いられる文字である。杖、そして長細いもの・・・ここでも蛇に通じるイメージが語られているではないか。まるで風の回廊か、山越えのための道筋や山上から流れてくる川の流れを指すかのように・・・  

 

そして古事記の一節、タケミカヅチとタケミナカタの力比べの場面を見てみると

 

「ここにその建御名方神の手を取らむと、乞ひ帰して取りたまへば若葦を取るが如、つかみひしぎて投げ離ちたまへば・・・」

 

とあるように、どうもタケミナカタは手を引きちぎられてしまったらしい。両の腕を引きちぎられたのだとすれば、諏訪にたどり着いたタケミナカタのその容貌は、諸星大二郎氏の「暗黒神話」の描写のように、また蛇に通じるものがありそうだ。タケミナカタの神名から意味をとれば、勇ましく大地に盛り上がったような山のような大蛇、または風、すなわち大きな「しな」になるわけです。信濃もタケミナカタと同じ意味から、と考えた方がいいかもしれません》

2010/07/12

決勝戦(サッカーW杯2010南アフリカ大会)(7)


サッカーのW杯が終わった。

 

(せめて決勝戦だけは、PK決着にならない事を願う)

 

と書いたが、結果的にはその「最悪の結末」となりそうな緊迫した展開の末、延長後半ギリギリのところでようやく決着が付いた。選手個々の力量を比較して「スペインが若干有利」と予想したが、内容的にはどちらが優勝でもおかしくないような、ヨーロッパの文化が薫るような見応えのある攻防が展開された末、最後にスペインが底力を見せた形だ。

 

ともあれ、スペインはようやくにして待望の初優勝となり、また8カ国目の栄冠である。過去に「無敵艦隊」として、毎回のように優勝候補に挙げられながら、W杯ではあまりパッとした結果を残せなかった理由は、やはりよく言われた通り「モザイク国家」と言うところに理由があるのだろう。マドリードとバルセロナ、さらにはバスクなど言語や宗教、或いは文化の異なる複数の地域が、あたかもモザイクのように同居しているのがスペインという国だ。特に首都のマドリードと、第二の都市バルセロナのあるカタルーニャは、犬猿の仲で知られる。

 

国家全体としては常に優秀な選手が揃っているのだが、時の監督が自分と同じ地方の選手ばかりを選び、たとえ他地域に優秀な選手がいても代表に選出しないなど、地域間の対立が根深くあった。そうした中、これまでにも増して一層期待の大きかった今大会は、予選リーグ緒戦でスイスにまさかの敗戦を喫するところから始まり、またしても期待外れに終わるかと心配されたが、苦しみながらなんとか予選を突破。決勝トーナメントでは4試合総て「1-0」と、期待されたような圧倒的な強さは最後まで観ることは出来なかったものの、それでも「W杯初優勝」という結果を出したのはさすがというべきか。

2010/07/08

準決勝(サッカーW杯2010南アフリカ大会)(6)


 W杯サッカーが準決勝を迎えた。

残念ながら、準決勝はいずれも平日の深夜の330からだけに、とてもじゃないがリアルタイムは勿論、録画をしても殆ど観ることができない(部分的にしか観ていない上、帰宅後に慌てて10分程度で殴り書きをしているため、乱筆はご容赦願うw)

 

ウルグアイvsオランダ』は、「1-1」で迎えた後半、オランダが2点を追加し優位に運びながら、ロスタイムにウルグアイが1点を返す。戦前の予想通り、実力で上回るオランダに老獪なウルグアイが食い下がるという展開となった末、オランダが1点差で逃げ切った。

 

一方、大会前から圧倒的な優勝候補として、呼び声の高かったのがスペインだ。

「美しいサッカー」で実力はナンバーワンと言われながら、イマイチ物足らない試合が続いていた感は否めない。対するドイツは、過去大会のように優勝候補に名を連ねていたわけではなく、それどころか「ドイツサッカーは終わった!」とまで酷評されていた。

 

ところが、勝負というものははわからないもので葢を空けてみればどんどんと調子を上げ、殊に決勝トーナメントに入ってからは格上の強豪と言われたイングランドとアルゼンチンから、それぞれ4点を奪う快進撃だけでなく、内容的にも素早いカウンターから一気にゴールを決める怒涛の迫力と高さや堅守など、四強の中でもその実力は際立って見えた。過去2試合の決定力などからドイツ優位は動かないと見たが、遂に欧州王者の壁にはね返されてしまった。とはいえ今大会最大の衝撃としては、やはりあのドイツの目覚しい攻撃力を挙げないわけには行かない。

 

それはともかくとして、いよいよ決勝である(その前に3位決定戦があるが、かねてからの不要論者としてこれには触れない)

 

決勝は「オランダvsスペイン」となった。

番狂わせが多く、これまでとは違い予想の難しい大会だったが、決勝の顔ぶれだけを見れば決して「意外」とは言えない。両国とも優勝経験こそないが、むしろこれまで優勝経験がなかったのが不思議と言われ続けても来たのだから、どちらに転ぶにしてもこれまで超えられなかった壁を超えて、長いW杯の歴史で8ヶ国目の優勝国の誕生となる。

 

戦力比較ではやはりスペイン優位となるのだろうが、ここまで両国ともに図抜けた決定力は蔭を潜めているだけに、どう転んでもおかしくはないだろう(と、逃げを打っておくことも忘れないw)

いずれにせよ、決勝戦に相応しい好勝負になる事は間違いなさそうだが、どちらに軍配が上がるにせよ決勝戦だけに「PK決着」だけは勘弁願いたいものである。

2010/07/04

これがサッカー、これがW杯だ!(サッカーW杯2010南アフリカ大会・準々決勝)(5)


予選グループで組み合わせに恵まれたり、運良く勝ち上がったチームがさらに淘汰され、8強によるスピーディかつ高度な技術の応酬は益々、一瞬たりとも目が離せない。

 

その中で「これが世界トップレベルのサッカーだ!」というような『オランダvsブラジル』

優勝候補最右翼と目され、またアルゼンチンとともに最も充実していると思われたブラジルが、ベスト8で呆気なく姿を消した。前半は防戦一方だったオランダは、後半に入るとあの予選の日本戦とは別のチームかと目を疑うような怒涛の攻めでブラジルを圧倒し、鮮やかな逆転勝利を飾った。

 

準々決勝4試合の中で、最も見応えがあったのは『ウルグアイvsガーナ』だ。40年ぶりの準決勝進出を狙うウルグアイと「アフリカ勢の悲願」である4強を狙うガーナの対戦は「1-1」で延長に縺れ込んだ。どちらも点が入らず、PK決着かという終了間際にガーナが決定的なシュートを放つが、なんとウルグアイの選手は「両手」を使ってこれを阻止するという、一発退場の反則プレー。しかし、この執念が乗り移ったか絶体絶命のPKをガーナが外し、勝負はPK決着へと縺れ込む。

 

ゴールに入るはずのボールを手で止めるなど、サッカーにあるまじき実に酷いインチキもいいところだが、良く言えばこうした咄嗟の機転と言うかハタマタ勝利への執念と言うべきか、こうしたプレーは日本人は絶対にやらないだろうし、またバカ正直な日本人には出来そうにもない。これが

「勝つためにW杯に来ているのだから、手段は選ばず」

の狡猾な世界トップの国々と、負けてもクリーンを潔しとする日本との違いであり、またこれが「8強」や「4強」とそれ以前のチームとを隔てる大きな壁なのだと痛感させるような、まことに象徴的なシーンであった。

 

PK戦はウルグアイ3人、ガーナ2人までは順当に決めたが、ガーナ3人目が失敗を皮切りに続くウルグアイ、ガーナと立て続けに3人続けて失敗という大荒れの中、ウルグアイの5人目の選手が決めてピリオドとなった。

 

大健闘したガーナは「アフリカ勢初の4強」という快挙を殆ど掌中にしながら、なんとも悔やみきれない幕切れである。まったくPKによる決着ほど、非情なものはない。決勝はともかくとして、次もある過酷な日程の中でサドンデスをやれとは言わないが、もう少しいい方法はないのだろうか。PK戦は時に切なくて観ていられなくなることもあるくらいだが、皮肉なことにあの刻一刻と移り変わっていくPK決着くらい、良くも悪くもあれほどドラマに溢れたものも、またとない。純粋サッカーファンとしては、日本のPK敗戦よりも120分の闘いで勝っていたはずのガーナが、なんとも気の毒で仕方がないのだが。

 

『オランダvsブラジル』と並ぶ屈指の好カードと期待された『アルゼンチンvsドイツ』は、まったく予想外の一方的な展開となってしまった。アルゼンチン有利の予想が多かったし、実際に後半途中までは1点ビハインドながら、一方的に攻めまくるアルゼンチンのペースだった。ところが恐ろしきは、ドイツのカウンター攻撃の壮絶さだ。イングランド戦でも再三見られたが、この日もアルゼンチンの多彩な攻めに防戦に回りながら、少ないチャンスであっという間にゴールまでボールを運ぶ速攻と、それを確実にモノにする決定力には目を瞠るしかない。

 

圧巻は後半の怒涛の攻めで、なんとイングランド戦に続く4得点を叩き出した。これまで伝統的に堅い守りで「つまらないサッカー」と言われてきたドイツだが、この大会では試合を重ねるごとに急激な進化を遂げているような脅威的な破壊力で、この試合を観ていると「8強」の顔ぶれの中にあってすら、他のチームとはレベルの違いさえ感じるほどだ。

 

準々決勝のトーナメント表を見て、単純に「ブラジルvsアルゼンチン」の決勝を予想したが、どちらもヨーロッパのチームに敗れた。結局、この大会無得点に終わったメッシは、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドとともにまったくの評判倒れに終わり、アルゼンチンは魅力的なタレントを揃えながら、まさかの記録的な大敗に終わってしまった(あんな程度の選手をマラドーナと比較などは、まったく畏れ多い)

 

最後の『パラグアイvsスペイン』は、ともに決定的なPKのチャンスを相手GKに阻まれ「0-0」のまま息詰まる攻防が続く。オランダもそうだが、この日のパラグアイも予選リーグで日本相手に苦戦していたのとは同じチームとは思えない戦いぶりで、こうした一流国は最初から決勝トーナメントにピークを合わせて来ているのが、明らかである(だからこそ、日本がそこそこ接戦を演じられたとも言える)。優勝候補と言われながら、この日も苦しんだスペインが終了間際に1点を捥ぎ取ると、なんとか逃げ切って「60年ぶりの4強」に駒を進めた。

 

この結果、準決勝は以下の通りとなった。

 

ウルグアイvsオランダ

ドイツvsスペイン

 

1試合目は地力ではオランダが勝るだろうが、勢いと狡賢さを持つウルグアイも侮れない。2試合目は、決勝と言ってもおかしくないような注目の対戦だが、トーナメントに入って2試合で8得点というドイツのあの恐るべき破壊力を目の当たりにしては、スペインといえど迫力不足の感は否めず、決定力の差がかなりありそうに見える。今のドイツを見る限り、どこが来ても負けそうなイメージが湧いてこないとはいえ、毎回同じ調子をキープできるという保証はなく、また出場停止などもあるだけに何が起こるかわからないのが勝負の世界だ。勝敗予想は難しいが、いずれにしても頂点を目指した世界最高峰の戦いは残すところあと僅かとなった。