2018/02/28

アポローン(ギリシャ神話28)


アポローン(古希: ΑΠΟΛΛΩΝ, πόλλων, Apollōn)は、ギリシア神話に登場する男神。オリュンポス十二神の一人であり、ゼウスの息子である。詩歌や音楽などの芸能・芸術の神として名高いが、羊飼いの守護神にして光明の神でもあり、イーリアスにおいてはギリシア兵を次々と倒した「遠矢の神」であり、疫病の矢を放ち男を頓死させる神であるとともに病を払う治療神でもあり、神託を授ける予言の神としての側面も持つなど、付与された性格は多岐に亘る。

もとは小アジアに起源をもつ神格で、本来は繁茂する植物の精霊神から転じて牧畜を司る神となったという説や、北方の遊牧民に起源を求める説など、アポローンの出自については諸説あり、複数の神格の習合を経て成立したものとも考えられている。古典期のギリシアにおいては理想の青年像と考えられ、また、ヘーリオス(太陽)と同一視されるようにもなった。

推定される原音に近づけて、その名をカナ転写すればアポルローンとなるが、日本語のカタカナ表記ではアポローン、または長母音を省略してアポロンとするのが通例である。

古典期のアポローンは主神ゼウスとレートーとの息子であり、アルテミスとは双生児である(ギリシャ神話では姉、ローマ神話では妹とする説もある)。オリュンポス十二神には、(諸説があるが)ほぼ確実に名を連ねる。古くから牧畜と予言の神、また、竪琴を手に執る音楽と詩歌文芸の神であった。光明神の性格を持つことから、前5世紀には時としてヘーリオスと混同されて太陽神とされ、ローマ時代にはすっかり太陽神と化した。聖獣は狼および蛇、鹿で、聖鳥はヒュペルボレオイの国から飛来する白鳥および、鴉、雄鶏、鷹、禿鷹で、蝉もアポローンの使いとされる。聖樹は月桂樹、オリーブ、棕櫚、御柳。また、イルカ(デルピス)との関係も深く、イルカの姿に変身したという神話からデルピニオスとも呼ばれ、「デルポイ」という地名はここから来ているともいわれる。(デルポイは「子宮」を意味するデルピュスが語源という説もある)

また、あらゆる知的文化的活動の守護神とされ、詩神ムーサイを主宰するとともに、オルペウス教の伝説的開祖である詩人オルペウスの父親ともされる。一方、人間に当たれば苦痛なく一瞬で即死する金の矢を武器とし、姉(妹)神アルテミスとともに「遠矢射るアポローン」として疫病神の性格を持ち、転じて医術の神としても信仰された。医神アスクレーピオスがアポローンの子とされるのは、そのためである。このように、アポローンの性格は理性的であると同時に、人間を地上に向かって放った矢から広がる疫病で虐殺したり、音楽の腕を競う賭けでサテュロスの1人マルシュアースを生きたまま全身の皮膚を剥いで殺すなどの冷酷さ、残忍さをも併せ持っている。腕力も強く、イリアスではアカイア勢の築いた頑強な城壁を素手で軽々と打ち砕いて崩壊させている。ボクシングを創始した神としても知られる。

中道や節度を重んじる神でもあったが、その言動は節度を守っているとは言いがたい点が多く、アルテミスにその点を指摘されたこともある。が、アポロンは「私は万事に節度を守って控えるようにしている。「節度を守って控えること」それ自体も節度を守って控えるようにしている」と機転というより詭弁で返している(この規律にとらわれない柔軟性も、アポロンが好かれる一因であった)。
フリードリヒ・ニーチェは、理性をつかさどる神として、ディオニューソスと対照的な存在と考えた(『悲劇の誕生』)。

アスクレーピオス
アスクレーピオスは、テッサリアのラーリッサ領主の娘コローニスとアポローンの子。アポローンとコローニスの伝令であった鴉の讒言によって、アポローンは嫉妬に駆られ彼女を射殺した。しかしすぐに後悔し、彼女の胎児を取り出してケンタウロス族の賢者ケイローンにアスクレーピオスを預けた。医術の神の血を引く彼は、やがてすぐれた医術を獲得するに至り、人を救うことに熱心だったが、やがて死者をも蘇らせることになったので、冥府の神ハーデースはゼウスに、この不条理を訴えた。そのためアスクレーピオスは、ゼウスの雷霆に撃たれて死に、天の神とされて神格化されたとされる。そして、アスクレーピオスと鴉は、共にへびつかい座とからす座として天に掲げられた。

ダプネー
ダプネー (Daphnē) は、テッサリアの河神ペーネイオスの娘である。大蛇ピュートーンを矢で射殺したアポローンが、帰途偶然出会ったエロースと彼の持つ小さな弓を馬鹿にしたことから、エロースはアポローンへの仕返しに、黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)でアポローンを撃ち、鉛の矢(愛情を拒絶させる矢)でダプネーを射た。このため、アポローンはダプネーに愛情を抱いたが、ダプネーはアポローンの愛を拒絶した。


 エロースの悪戯によって、アポローンは彼女を奪おうと追いかけ続け、ダプネーも必死に逃げ続けた。しかしダプネーの体力が限界に近づき、ついにはペーネイオス河畔に追いつめられたため、ダプネーは父ペーネイオスに祈って助けを求めた。追いつめたアポローンがダプネーの腕に触れかけた時、娘の苦痛を聞き入れたペーネイオスにより、ダプネーは月桂樹に身を変じた。失意のアポローンは「せめて私の聖樹になって欲しい」と頼むと、ダプネーは枝を揺らしてうなずき、月桂樹の葉をアポローンの頭に落とした。この故事により、デルポイのピューティア大祭で行われる競技の優勝者には、月桂冠が与えられることになった(ダプネー Δάφνη は「月桂樹」という意味の普通名詞)。
Wikipedia引用

2018/02/27

日常の食生活における主な生鮮食材(素材)の消費の変化/農林水産庁Web

2)日常の食生活における主な生鮮食材(素材)の消費の変化

国内における食生活は、比較的貧しい食生活から贅沢で豊かな飽食の時代を経て、いま、食生活の見直しの時代に入っているともいえる。この大きな変化の潮流の中で、既述のとおり、主食である米の消費量が半減する一方で、牛乳・乳製品や肉類、鶏卵の消費量が大きく伸びてきた。野菜や果物、魚介類は緩やかに伸びてきていたが、近年は減少傾向にある。

 

では、私たちが日常の食生活において、主にどのような品目の生鮮食材(素材)を購入し消費してきたのか、また、その変化はあるのかどうか、家計調査年報にある1世帯当たり年間品目別購入数量と金額の推移を見てみることとし、昭和55年の景気の良い時代と、少子高齢社会で厳しい経済状況にある平成21年現在を比較してみた。

 

ただ、食材の多くは、天然資源ゆえに天候等の自然環境や品種改良状況、社会状況の変化に伴う嗜好や手軽さ、また、経済状況による消費者の購入動機の動向等にも大きく左右される事を念頭においておく必要がある。特に、近年の消費生活においては外食が増加するほか、加工食品の大量販売、手軽な調理済食品等への購入志向の進行による中食の拡大など、食材である素材を購入して調理したり、手間をかけてつくる機会が減少しており、このことが、生鮮食材の消費に大きな影響を及ぼしていることも事実である。

 

(a) 生鮮野菜 ~30年間で在来野菜は減少、西洋野菜は堅調、キノコ類が伸長~

生鮮野菜の国民1世帯当たりの年間購入量は、昭和55年から平成21年にかけ242.8kgから181.4kgと減少傾向を辿っており、約30年の間で約3割の減少(0.7)となっている。

 

全体的に見て、家庭で日常的に食べている主な野菜は、キャベツ、ダイコン、タマネギ、バレイショ、キュウリ、ハクサイ、トマトなどであり、続いてニンジン、ナス、ホウレンソウ、モヤシ、ネギなどが挙げられる。

 

この中で、消費があまり減少していないものはニンジン(0.9)、レタス(0.9)、モヤシ(0.9)であり、大きく落ち込んでいるのはサトイモ(0.4)、キュウリ(0.5)、ホウレンソウ(0.5)、ハクサイ(0.5)、ナス(0.6)などである。また、量は少ないが、大幅に増加しているのはキノコ類(3.3)で約3倍に増加しており、カボチャ(1.0)はほぼ横ばいとなっている。

 

近年は西洋野菜であるレタスや西洋ニンジン、西洋カボチャなどが日常の食材として大きく伸びてきている。また、菌茸類は菌床で人工栽培されるようになり、工場並みに生産され通年化しており、消費も順調に伸びている。

 

全般的な傾向としては、少子高齢化の進展、働く女性の増加などにより、手間のかからない調理加工品の消費が増えるほか、大量購入から多種少量購入へと変わってきている。野菜についても、重量野菜が敬遠され、また、土物野菜から葉菜類へシフトしており、小口購入にもなってきている。しかし、他方では、高くても美味なものを少量求めたり、旬を大切にする思いも増加している。

 

(b) 生鮮果物 ~輸入果実や新種で多種に、バナナは増加、ミカン、スイカは低落~

生鮮果物の年間購入量は、同じく159kgから94kg4割強の減少(0.6)傾向を辿り、主食の米(0.5)に近い大きな落ち込みである。

 

比較的よく食べられてきたのは、ミカン、リンゴ、バナナ、スイカ、ナシなどで、次いで、メロン、イチゴ、ブドウ、カキ、モモとなっている。

 

この30年の間で消費が大きく落ち込んでいるのはミカン(0.3)、スイカ(0.3)であり、次いで、ブドウ(0.5)、メロン(0.5)、ナシ(0.6)などであり、増加したのはバナナ(1.4)となっている。国内需要ではミカンからバナナが第1位になった。

 

四季の果物として、春はイチゴ、夏はスイカ、モモ、メロン、秋はカキ、ナシ、ブドウ、リンゴ、冬はミカンであったが、近年は、品種改良により多種になり、ハウスものも増加して季節感が無くなるほか、古典的な馴染み深い果物離れも生じている。果物も野菜と同様に大型で重量のあるものより小型のものに、すっぱいものより甘いものへ、甘いものはより甘いものへと、糖度追求型に嗜好が変化してきている。また、果物の輸入の自由化により、輸入果実が多種多様に数多く店先に並ぶようになった。

 

(c) 生鮮魚介 ~資源確保に養殖へ、輸入魚も拡大。サケが増大、サンマ、マグロは堅調~

生鮮魚介の年間購入量は、同様に55.9kgから36.3kgへと35分減少(0.65)している。量は、野菜の5分の1、果物の3分の1程度の購入量と比較的少ない。

 

消費の多い生鮮魚介類は、イカ、次いでサケ、日本人が好きと言われるマグロ類、エビ、ブリ、アジ、サバ、カツオ、タイ、イワシなどとなっている。貝類は、まとめるとイカよりも多く購入されている。

 

この30年間で消費が大幅に減少しているのはイワシ(0.3)、イカ(0.4)、サバ(0.4)などで、比較的落ちていないのがアジ(0.8)、マグロ類(0.8)、エビ(0.7)などである。一方、サケの消費量は約3倍と大幅に伸びており、イカに次いで購入されているのが特色である。また、サンマ(1.1)も伸びている。

 

魚介類は、漁場の制約等の規制、底引き網漁業の減少、また、気候や資源の動向、乱獲などで漁獲量が大きく影響され、日本の漁獲量は減少傾向にある。現在、世界各国で魚食が見直され、消費が増加しており、天然魚のみでは不足することも予測されている。

 

そのため近年は、資源確保も含めて養殖漁業が盛んになってきており、最近では養殖技術の向上もあり、天然魚に負けない味がするといわれている。養殖魚介類としては、タイ、ブリ、カンパチ、ヒラメ、マグロ、フグ、ウナギ、ホタテ貝、カキ貝(日本)のほか、エビ(ブラックタイガー等)、サケ(アトランティックサーモン)(世界)などがあり、中国が漁業、養殖業ともに世界を大きくリードしている。

 

なお、水産物輸入量については増大してきたが、平成13年をピークに減少傾向にある。また、日本の魚介類消費量をみると世界で4番目であり、米国、英国、豪州などの3倍の量の魚を食べている。

 

(d) 塩干魚介 ~塩サケの購入量は半減するも依然として第1位、塩分は敬遠気味~

塩干魚介の年間購入量は同様に14.0kgから9.4kgと約3割の減少(0.7)であるが、量は鮮魚の3分の1と少ない。

 

購入量が多いのは塩サケ、次いでタラコ、開干アジ、煮干し、開干イワシなどである。減少幅は、塩サケが6割(0.4)と大きく落ち込み、煮干し(0.2)、開干イワシ(0.4)の減も大きい。タラコ(0.9)、開干アジ(0.8)の落ちは比較的少ない。

 

塩干魚の消費は、最近の活魚輸送や保冷輸送などの技術の発展により、美味しい活魚が好まれるなど「生食の文化」が伸びる一方で、臭いのするものが敬遠される傾向にあり、全体的に減少している。また、健康上の理由から塩辛いものから塩分控えめのものにシフトしている。

 

(e) 生鮮肉 ~牛肉よりも安価な豚肉・鶏肉志向に~

生鮮肉の年間購入量は46.7kgから43.1kgと、青果物、水産物のように落ち込まず、約1割の減少(0.9)と消費者志向となっている。肉類のうち、比較的安価である豚肉や鶏肉は1割減(0.9)であるが、豚肉、鶏肉に比べて単価が高い牛肉の購入額は約2割の減少(0.8)と野菜並みの大きな落ち込みとなっている。

 

肉類の消費は、豚肉が多く、次いで鶏肉であり、牛肉は豚肉の約3分の1である。量は、鮮魚よりも少し多いくらいである。肉類の消費量は地域差があり、関西は和牛産地も多く牛肉が、関東は明治以降の養豚の広まりにより豚肉が、中部は古くから養鶏が盛んで鶏肉が、それぞれ好まれているようである。主な食肉ブランドとして挙げられているものは、牛肉は豊後牛、但馬牛、松阪牛、近江牛、飛騨牛、米沢牛など、豚肉は鹿児島黒豚、白金豚、TOKYO-Xなど、鶏肉は宮崎地鶏、名古屋コーチン、比内地鶏などがある。

(f) 調理食品など ~素材の購入より調理食品へ、また、外食が大幅に増加~

青果物や水産物及び肉類の年間購入量を、現在と約30年前を比べてみると14割減と、種類によって差はあるものの概ね大きく減少しており、世帯の支出金額ベースで見ても13割減と落ちている。これに比べて、料理の手間が省ける調理食品への世帯の年間支出金額は約2倍に増加、外食は3割強の増加と大幅に伸びている。

調理食品の中で多く買われているものは、弁当類、天ぷら、フライもの、冷凍調理品、調理パンなどであり、外食の主な内容は主食的な外食(和洋中華他)となっている。同様に増加しているものに菓子類があるが、在来の羊羹、饅頭、カステラなどは減少し、新しい洋菓子、スナック菓子、チョコレートなどが大きく伸びている。

主食の米への支出金額に比べ、調理食品に対する支出金額は約3倍、外食への支出は約5倍と多く、菓子類への支出も約2.6倍となっている。

2018/02/25

最強のライバル姉妹(2018平昌オリンピックpart8)


大会16日目、スピードスケートの新種目となった女子マススタートでは、高木菜那が金メダルを獲得し「初代王者」となった。

妹は、スピードスケート女子1,000mで「銅」、1,500mで「銀」、そしてチームパシュートでは「」と全てのメダルを獲得する快挙を達成した高木美帆。この妹の大活躍の蔭に隠れ、これまで菜那の方は「(妹に比べ)パッとしない姉」だった。

子供のころから常に自分を凌駕する妹に対し、負けん気の強い姉は才能豊かな妹にメラメラと対抗心を燃やした。2010年、妹が中学3年生でバンクーバー・オリンピックに出場を決めた。自宅に届いた公式グッズを見た姉は「火をつけてやろうかと思った」と告白する。オリンピックでは両親とともに現地に応援に駆け付けたが、心の内では「転べ!」、「失敗しろ!」などと叫んでいた。

しかし、天才肌の妹もオリンピックでは35人中最下位と惨敗。ここで世界の強豪たちを目の当たりにしたことで、いよいよ「オリンピック出場」への闘志に火が点いた。それまでは、どこへ行っても「美帆の姉」としか認識されなかった菜那が、遂に2014年のソチ・オリンピック出場を果たす。一方、大学生となっていた妹は、国内では無敵の強さを誇ったものの、代表選考会で結果が出せずオリンピックを逃し、これまでの立場が逆転し「菜那が選ばれるなんて」と周囲を驚かせた。

代表発表の場で名前を呼ばれなかった妹は、晴れがましく挨拶する姉をかつて見たことがないような物凄い目つきで睨んでいた。「パッとしない」姉に妹が向けた初めての嫉妬だったか。負けず嫌いで闘争心の強い姉とは違い、完全主義者の妹は「自分で納得の行く滑り」を目指しマイペースを貫いてきたが、この屈辱をバネに「勝負」や「結果」をどん欲に追求し始めた。

こうして「最も近しいライバル」として切磋琢磨してきた姉妹。実力に勝る妹は、今大会出場した個人2種目で「銀」、「銅」を獲得し、その知名度はあっという間に「全国区」となった。一方、姉は5000mに出場したものの最下位の12位に終わり、またしても「凄い妹に比べ、イマイチパッとしない姉」の図式が固定するところであった。

切替の期間は2日しかない。珍しく、緊張して口数が多くなる「異変」に妹に気づいていた。その妹らとともに出場したチームパシュートで、遂に姉妹で「金メダリスト」の栄冠を掴むと、勢いをそのままに満を持して登場した新種目で、ついに妹も手の届かなかった個人競技での「」を獲得。まさにドラマのような展開だ。

「金・銀・銅」全てのメダルを独占した妹に対し、姉も日本の女子選手として初の「金2個、これが「世界一のライバル姉妹」の切磋琢磨が齎した結果であった。



そしてミーハーなマスゴミによって、すっかりアイドルに仕立て上げられた女子カーリングも「銅」を獲得。注目度がグングン上がっているのは良いこととはいえ、過去にも競技そっちのけの「ミーハーマスゴミの魔手」によって潰された選手は数知れないだけに、関係者は十分に用心しなければならない。

 日本の獲得したメダルは「金4、銀5、銅4」となった。マスゴミの「金」大盤振る舞い予想に対し、ワタクシは「精々2個か3個も獲れれば」と予想したが、それを上回る日本選手の活躍が目立った大会であった。