2011/12/30

激動の2011

2010末~2011初頭

今年の11月から、某金融機関の基盤系プロジェクトに参画している。昨年、官庁系の基盤移行プロジェクトでリーダーを努め、現場経験数年のPMから「オレの代わり」と期待されたのを皮切りに、どこの現場でも過大評価されているのが迷惑この上ない。2010年の暮れに官公庁プロジェクトを退いた直後、有名な証券コンサル会社からお誘いがかかった。20名近いメンバーを動かすリーダーとして、キャリア半年でNGとなった前任者の代わりを期待されたが、非常識なまでに要求レベルの高いPMとすぐに険悪な関係となったから、僅か1月半で「NG」を突きつけられたのは、むしろ勿怪の幸いだった。

 

春~夏

次に「Worker」として面接を受けた証券系シンクタンクは、ユーザー面接の結果  「Workerではなく、リーダーとして来て欲しい」と話が変わった。ところが10数名のメンバーの中に、親会社から天下って来た50代の部長がいて、当然ながらまったく言うことを聞かない。こちらも温厚なタイプではないから、このような気難し屋との相性が合うはずもなく、夏には喧嘩別れのような形でピリオドとなった。

 

大手メーカーのHで官庁向けの提案活動に参画したものの、早々にマネージメントを任される。が、これまたPMとソリが合わず、秋には早くも現場を離れる。

 

11月から参画しているのが、今度は某銀行の基盤プロジェクトと言うわけで、どういうわけかこれまで金融系には殆ど縁がなかったのに、今年は立て続けに証券、銀行ばかりだ。しかも、昨年以降はマネージメント系ばかりだったから、設計などの実作業は久しぶりでもある。ところが、これがまた5年も前から現場にいて、職場の内部のことだけでなくネットワーク技術をも知り尽くしている、50代の超ベテランB氏の「代わり」として期待されているらしい。数ヶ月前にも1人参画しているが、PMによると

 

「彼にBさんの代わりは無理だから、にゃべっちさんがBさんの代わりです!!!」

 

と、あっさり宣告された。

 

「代わりとなるために1ヶ月引継ぎをして、その間に総てを吸収してもらう」

 

というのが当初想定だったらしいが、4年も5年も勤め上げた人間の代わりが、僅か1ヶ月で務まると考える浅薄さが救い難い。しかも、元々「体調不良」のために退くというB氏は週に23日しか出てこないため、スケジュールにかなり遅れが出ており、早々に実作業に投入された。とても引継ぎどころではないのが実情なのである。

 

タイミング悪く、この現場に入場が確定した時に身内が亡くなったが、そんなわけで葬式どころではなく香典だけ持っていかれた。参画から1ヶ月で早くも休出が3度、先週などは土日出勤の上に、月曜は「初動対応」で7時半出勤という人使いの荒さだ。前日は、食事も摂らずに23時過ぎまでの対応だったから、0時過ぎの帰宅後に食事をして5時半起きである。Xmasで、ようやく3連休となってひと息ついたものの、年末は30日までの営業で年明けは4日からと、正月休みも「たったの4日」しかない。

 

年末

その3連休に羽目を外しすぎて、大酒を飲んだ後にイルミネーション見物に行き、撮影に気を取られて側溝に落ちて足を捻ってしまった。その日は、アルコールのせいかなんとか家まで歩けたのだが、翌日起きてみると激痛でまったく歩けないではないか ()~ ガーン

 

片足ケンケンでようやく駐輪場まで辿りつき、自転車にまたがってどうにか病院まで行った。日曜の当番医では、早速車椅子に乗せられる。ともかく骨には達していないとのことで、痛み止めと松葉杖を処方してもらい、どうにか歩けるようになった。骨折の経験はないから、車椅子も松葉杖も生まれて初めてである。

 

痛み止めの効果か、早くも翌日には松葉杖が取れた。内出血の紫色はまだ生々しいが、急速に回復しているのか3日くらいで痛みは殆どなくなった。まさに2012年を迎える前の夜明けのような醜態を演じたものだが、30日に代休を取ってどうにか無事に新しい年を迎えられることになったのは幸いだ。と言いつつ懲りずにまた飲んでいる (。 ̄Д)d□~~

2011/11/25

2011秋の甲州

昇仙峡は3年前のGWに行き、ほうとう会館で食べたあのほうとうの旨さが忘れがたかった。雲ひとつないような晴天に恵まれたこの日は、西国分寺か国立辺りから早くも富士山が美しい姿を姿を見せるという、幸先の良いスタートだ。バスで紅葉を楽しみながら、昇仙峡を上っていく。



 

前回同様に仙娥滝から石門、覚円峰を見て長潭橋に到る下りコースのハイキングを計画していたが、降りるところを間違えて途中で降りてしまったため、計らずも前回とは逆の上りコースとなった。前回は鮮やかな新緑に覆われた山々が、今度は赤やオレンジに染まって実に幻想的だ。お目当てのほうとう会館は、残念なことに団体客で貸切となっていたため、仕方なく別の寂れた店でほうとうを食べたが、この店の味はイマイチで地酒もない。さらにビールを煽ってからロープウェイで山頂に上り、富士山とアルプス大パノラマの景観を見物する。

 

この日は、新しく購入したデジカメ(サイバーショット)のデビューの日でもある。渓流沿いの露天で、ヤマメの塩焼きでビールを一杯。1600円と高いため鮎の塩焼きと迷ったが、あまりの旨さに結局鮎の塩焼きも追加オーダーした。

 

下山後、石和温泉へと移動だ。前回、かんぽの宿の温泉のしょぼさで失敗したのを教訓に、観光案内所で聞いた駅近くの旅館の温泉へ。入浴料1200円、タオルセット500円は高いが、風呂は大浴場とワイン風呂の内湯2つと露天風呂(大とジェットバス)の計4つだ。幸運なことに客がひとりもいなかったため、広々とした風呂を貸切のように独占することが出来た。

 

2日目は、前回行きそこなった大月の猿橋へ。


 錦帯橋(山口県)、かずら橋(徳島県)と並び「日本三大奇橋」と称される立派な橋が紅葉に染まる絶景を堪能し、大月駅前でほうとう定食を食す。この店のほうとうは旨かった。


ここまでは計画通り順調だったが、大月に温泉がないところから誤算が始まる。気になっていた塩山温泉に移動したのが失敗だった。「塩山温泉」には温泉宿が8件しかなく、日帰り入浴が出来るのはそのうちの6軒だ。ともかく行ってみると、ひと昔前の寂れた温泉地に小さい旅館がポツリポツリとあるばかりで「温泉街」という風情とは、ほど遠い。ネットで一番マシと見えた旅館を訪ねると、廃墟のように真っ暗でフロントも無人である (^_^)......ん?

 

電話をかけて日帰り入浴を頼むと、ようやく女将らしきオバサンが現れ

 

「入れるかどうか、ちょっと見てきます・・・」

 

と言って消えた。しばらくすると

 

「ちょっとぬるいですけど、入っているうちに温まってくると思いますが・・・それでよければ・・・」

 

と言うことだ。

 

(そんな・・・家庭風呂じゃあるまいし・・・)

 

と思ったが、最早ここまで来たのだから引き返すわけには行かん。Webでは「男風呂・女風呂・家族風呂・源泉風呂・サウナ」と書いてあったのに、実際には「家族風呂」ひとつしか見当たらない。サウナは形だけはあったが「故障中」となっており「源泉風呂」などはどこにもない。おまけに湯もぬるく、これで600円(小タオルのレンタルが別途100円)は詐欺のような話で、精々300円がいいところだ。陽が落ちた後の富士山が窓から拝めたのは良いとして、大月から塩山温泉まで往復2時間近い時間と、1000円もの金を掛けたのは、まったく後悔の極みであった。

2011/11/20

2011鷹竜シリーズの摩訶不思議

ソフトバンクが、中日を破って日本一!

当然というか、まったく予想通りの結果である。予想外は、第7戦までもつれこむほどの接戦になったことだ。

 

両チームの戦力を比較した場合、投打ともに層の厚さではかなり開きがあると見ていただけに、中日はひとつでも勝てれば御の字だろうと思われた。ところが蓋を開けてみれば、福岡で中日が連勝というまさかのスタートに始まり、遂に第7戦までもつれた挙句、最後までどっちが勝ってもおかしくないような、殆ど互角に近い勝負となったからビックリだ。

 

といっても、決して名勝負の連続で見応えのあるシリーズだったかといえばそうではなく、むしろつまらないシリーズだった。つまらない原因は、言うまでもなく中日の貧打である。もともと「統一球」の影響で、全体的にサッカー並みのロースコアが多くなって、まったくつまらなかったのが今シーズンの野球ではあった。そんな中でも、12球団で最もロースコアの「つまらない野球の総本山」が中日である。

 

「打てない、点が取れない」のは、シーズン中からよくわかってはいたが、よもやここまで酷いとはと呆れた。「こんな酷い打線やメンバーで、よく優勝できたものだ」と思い続けながら、それでもレベルの低いセリーグだからと納得していたが、日本シリーズでもソフトバンクをここまで手こずらせたのだから、なんとも摩訶不思議としか言いようがない。

 

なにしろ、日本シリーズの7試合で中日が取った得点が「たったの9点」なのだ。事実、2点が最高でチーム打率に到っては「155」と、史上最低かどうかはわからないが、シリーズ史上稀に見る低レベルだったことは間違いない。この攻撃力であれば、どう見ても4連敗が妥当な結果だ。ところが不思議なことに第7戦までもつれ込んで、ひとつ間違えればどう転んでもおかしくないような結果なのだから、中日の酷さの蔭で目立たなかったとは言え、ソフトバンクの看板倒れも目を覆うばかりだった。今シーズン中の「つまらない野球」に輪を掛けたような、この「つまらない日本シリーズ」こそは、まさに「勝っても客が入らないオチアイ野球の象徴」と言える。

 

「プロは勝ってナンボ」であることは確かだが、と同時に「金を取って魅せるのがプロ」でもあるはずだ。そういう観点からすると、打てないのは最初から解っていたわりに、これといった策もないまま終ってしまった中日には、大いに不満が残る。第4戦の無死満塁で「0」に抑えられたシーンなどは象徴的で、シーズン中ならもっとしつこく嫌らしい攻撃をしていたはずだった。それもセリーグとは違い、相手の投手が良いから何も出来なかったと言えばそれまでだが、結果的にはシリーズの行方を左右するポイントであったし、あれ以外にも拙攻ばかりが目に付いた。

 

いかに投手が良いといっても、点を取らなければ勝てないのだから

(こんなに点の入らん、シケタ野球が日本一にならなくて良かった)

とオチアイ嫌いのワタクシは、密かに胸を撫で下ろした ー`)y─┛~~

2011/11/09

2011鷹竜シリーズ

プロ野球のクライマックス・シリーズ(CS)が終わり、日本シリーズは「中日ドラゴンズvsソフトバンク・ホークス」に決まった。2位ヤクルトと「2.5差」、3位巨人と「3.5差」のセリーグはともかく、パリーグの方は2位の日本ハムに「17.5差」、3位の西武には「20.5差」という天文学的な大差を付けたソフトバンクが、CSで負けるようなことがあっては目も当てられなかった。

 

シーズン成績「8846敗」と貯金が実に「42」のソフトバンクに対し、西武は「6867敗」と貯金はたったの「1」だ。西武はトップのソフトバンクから「20.5差」も離されており、むしろ最下位のロッテと「13.0差」だから、最下位の方が遥かに近いヘボチームである。 ソフトバンクとの「20.5差」を考えれば、例えば「アウェーで1010勝」くらいのアドバンテージでもまだ少ないくらいなのに、現実のアドバンテージはたったの「1」である。

 

これくらいはたまたま怪我人が出たり、その時の調子如何でどうにでも転ぶ。実際、過去にそのような「インチキ優勝」で日本一を浚って行った「前科」もある西武であり、またシーズンを制しながらCSのバカゲタ制度に何度も泣かされてきたのがソフトバンクだ。となると「144試合ものシーズンで、真の実力を競う意味はなんだ?」ということになる。

 

「興行として、CS制度が必要」だと言うのであれば、サッカーの天皇杯のようにレギュラーシーズンや日本シリーズとは切り離した、トーナメント形式の「冠大会」にすれば良いではないか。幸いにも、今年は両リーグとも順当にシーズンを制した両チームが日本シリーズでぶつかることになった。

 

正直なところ、この両チームを比較すれば実力差は歴然と思われる。なにしろ、中日は打てない。シーズンのチーム打率「228」は12球団ワーストで、1試合平均の得点も「3点以下」という貧打ぶりである。目を覆うばかりの貧打はCSを見ても明らかで、セだから誤魔化しながらでもなんとか優勝できたが、セのどのチームよりも遥かに投手力が充実しているソフトバンクが相手では、精々2点を取るのがやっとだろう。

 

対するソフトバンクの打線は、これはセのチームとは比較にならないくらいに強力であることは間違いなく、セでは最も強力とされる中日投手陣とはいえ通用するかどうか疑問である。なにより、セよりはレベルが高いパで「8846敗」という驚異的な勝率を残していることから見ても、その戦力の充実振りはずば抜けていると見てよい。順当なら中日はひとつでも勝てれば御の字で、ソフトバンクが4連勝してもおかしくないくらい力の差があると思うが、どう転ぶか解らないのが短期決戦だけに好勝負に期待したいものである。

2011/11/03

iPhone劇場(4)

その後、iPhoneの調子は良かった。ストラップが付かない仕様のため、落下による故障であれほどまで苦労させられただけに、今度は保護ケースを買いカメラ用の穴にストラップを通したことで、落下の心配も減った。何かのミスで間違って落とした場合でも、保護ケースは案外厚手だからかなり衝撃は吸収されるだろう。

 

ところが、今度は落下とは別の「落とし穴」が待ち構えていた。水濡れ・・・不覚にも、アイスコーヒーの入ったコップを倒してしまった!

 

真っ先にiPhoneを取り上げ、次いでWILLCOM端末を取り上げたが、若干の水濡れが・・・悪いことに、部屋に居るときは保護ケースから出していた上に、携帯端末とは違ってiPhoneのあの平べったい形状だけに、濡れは避けられなかった。

 

幸いにして、WILLCOMの方は自宅に居る間はずっと充電しており、この充電器の上に載っていることで濡れは僅かで済み、動作確認もまったく問題はない。元々、iPhoneとは違って折りたたみ式の分厚いやつだから、こちらの方は水没くらい派手にやらなければ大丈夫なのだろうし、衝撃にも滅法強かった。

 

問題は、iPhoneだ。なにしろ普通の携帯端末よりはデリケートだろうし、あの形状だから真っ先に退避したにも関わらず、裏側がべっとりとコーヒーで濡れてしまった。恐る恐るひと通りの動作確認をしたが、特に問題はないと思えた・・・

 

確かに「動作自体は正常」だった。ところが、画面遷移をするたびに

 

「このアクセサリは、このiPhone用に設計されていません」

 

という外国製品特有のへたくそな翻訳の、不細工な日本語エラーメッセージが画面に出た。取り敢えずは「了解」ボタンを押すと、このメッセージは消えるが、またすぐに同じメッセージが表示されてしまう。ただし、このエラーメッセージ表示という点を除けば、操作や機能上の不具合や実害はなさそうだ。

 

とはいえ、画面遷移の度にこのようなメッセージが表示されるのは鬱陶しく、また今は操作に問題がないとはいえ、このようなメッセージが頻繁に表示されるというところに、一抹の不安を拭いきれない。そこで、メッセージの意味を調べてみることにした。

 

幸い、今ではこのような現象は大抵、ネットで検索すれば出てくる。検索した結果、どうやらこのメッセージが頻繁に表示されるという現象が起こる原因は、大きく2つあるようだった。ひとつは「普通に使っていて、ある日突然このメッセージが頻繁に表示された」というもので、もうひとつは「水濡れ」の場合だ。いずれの場合も、再起動や初期化などをしたら治ったというものもあったが、それだけでは治らないケースが多いようだった。

 

「普通に使っていて、ある日突然このメッセージが頻繁に表示された」例の対処では「ドック端子と呼ばれる、充電器を嵌める部分の掃除をしたら治った」という報告が多い。ということは、この「ドック端子」に溜まったゴミや埃などの「異物」に対し、端末側が「認識不能のアクセサリが接続された」と誤認しているということだろうから、この場合は単純に「異物」を取り除いてやればいいだけのことで、それが「ゴミや埃を取り除いたら治った」という報告と辻褄が合う。

 

一方「水濡れ」に関しては、これはゴミや埃のように取り除くことが出来ないから、対処の方法がない。しかも、この部分には水濡れ有無判定用の試験紙のようなものが仕込んであるらしく、修理に出せば水濡れかどうかが一発で判明してしまうらしい。そして水濡れの「証拠」が確認された場合、修理代が1万円程度もかかるということだった。

 

「頻繁にメッセージが表示されるのは邪魔だが、使用上問題がないのならそのまま使えばいいではないか」と思われるかもしれないが「このメッセージが表示され続ける状態を放置していると、表示間隔が段々と短くなったり電源を切っていても、このメッセージ表示のために電源が立ち上がったりする。したがってバッテリーの減りが異常に早くなり、最終的に故障に到る・・・」というのが定型的なパターンらしいため、やはり放置はダメなのである。

 

(うーむ・・・やっぱ水濡れは、どうにもならんか・・・)

 

と半ばは諦めの心境にもなりつつも、たかがコーヒーを零しただけで「修理代1万円」だけに、なおも悪足掻きは続いた。

 

(ドック端子に入った水が「異物」と認識されたのだろうが・・・入ったのはほんの少量のはずだから、乾いたら治ってくれんかな・・・)

 

と、苦し紛れにしばらく風通しの良いところにおいて置いたところ、この鬱陶しいメッセージは無事に消えて、ほっとひと安心 ー`)y━~

2011/11/01

は中国地方で「」あるいは「乢」とも書き「たお」、「とう」、「たわ」、「たわげ」などと呼ぶ地方があり、地名などにも見られる(岡山県久米南町安ケ乢など)。登山用語では「乗越(のっこし)」などとも言い、山嶺・尾根道に着目した場合は鞍部(あんぶ)、窓、コル(col)とも言う。

 

かつて峠はクニ境であり、その先は異郷の地であった。そのため、峠は「これから先の無事を祈り、帰り着いた時の無事を感謝する場所」であったことから、祠を設けている所が多い。この祠は、異郷の地から悪いものが入り込まないための「結界」の役割も果たしていたと考えられる。本来の意味から転じて、何らかの物の勢いが最も盛んな時期のことを「峠」という。

 

峠の語源は「手向け(たむけ)」で、旅行者が安全を祈って道祖神に手向けた場所の意味と言われている。「」という文字は、日本で作られた国字(和製漢字)である。異説として、北陸から東北に掛けた日本海側の古老の言い伝えがある。

 

たお」は「湾曲」を意味していた。稜線は峰と峰を繋ぐ湾曲線を描いており、このことから稜線を古くは「たお」と呼んでいたと言う。「とうげ」とは「たお」を越える場所を指し「たおごえ」から「とうげ」と変化した。したがって稜線越えの道が無い所は、峠とは呼ばないのが本来である。同じように「たお」から変化したものとして、湾曲させることを「たおめるたわめる」、その結果、湾曲することを「たおむ」「たわむ」と言う。或いは実が沢山なって、枝が湾曲する状態を「たわわ」と言うようになった、と説明している。

 出典Wikipedia


 「」という言葉は、色々な場面で使われる。「峠」を辞書で引くと

 

1. 山道をのぼりつめて、下りにかかる所。山の上り下りの境目。「道」

2. 物事の勢いの最も盛んな時。絶頂。「病気は今夜がだ」、「選挙戦がにさしかかる」とある。

 

1」は、これまで紹介してきた本来の「峠」であり、「2」は比喩的に使われるものだ。例えば病気などで非常に危険な状態、今夜が生死の分かれ目といった場合に「今夜が峠」などと言われたりする。これは「物事の絶頂の時期、極限」の分かれ目を意味する。

 

一方「」というのは、字面の通りで「土が反っている」という意味だ。土は地面のことで、それが「反()っている」というのは、傾斜があることを意味する。対して「」は「山」に「上る」道と、反対側に「下る」道のある場所を指しているのは、一目瞭然だ。 通常は生活道路を有する低山の頂部を指し、富士山の頂上のように生活に直結した道のない部分は峠と言わない。

2011/10/17

歯科医の過剰(4)

学生時代、実家の近くに同学年の歯科医の息子がいた。その男は、我々と同じ学区トップの高校には入れず、二、三番手校に通っていた。

 

我がトップ校では、医者の息子・娘たちが軒並み成績上位だったのに引き換え、その男だけは甚だデキが悪かったらしく、2浪だか3浪だかした挙句、やっとこさ二流底辺の歯科大に「疑惑の入学」を果たしたと噂された。

 

これが普通の医者だったなら怖くてとても見てもらえないところだが、我々中学同級生でなければこのような内情は知らないから、これこそ「知らぬが仏」だ。さらに診療や治療とはいっても「歯だけ」であれば、命に関わるようなケースは滅多にないから、これでもなんとかやっていけるのである。

 

あるいは獣医学科のように、動物の糞尿に塗れるようなこともないから人気が出るのも頷けるし、医師の子供で出来がよくなければ

 

「医学部は無理だから、なんとか歯学部で」

 

というパターンが多いだろう、との想像が付く。実際、近所を見渡しても医師の息子でも長男以外や、長男でも出来の良くないのは歯科医になるケースが目に付いた。

 

さらに医学部の場合、通常の大学と違い6年制である。現役で合格してストレートで卒業できれば24歳だが、そもそも現役で入るのは難しい上、医学部の場合は入る以上にその後が大変で、留年する者も多い。

 

仮に1浪、留年12年の場合として卒業は2627歳。そして医師になるためには、医師国家試験に合格しないといけないが、この準備に1年。これは一発で合格したとしても、すでに30歳に近い年齢になっている。試験に合格後は、2年間の卒後臨床研修(卒後研修)を受ける。卒後臨床研修とは、平たく言えば「研修医」として病院で勤務する事で、いわば医者の見習い期間だ。この時点で早くて30近く、場合によっては30を超える。

 

一応、これで正式な医師となるわけではあるが、これはインターン期間を終えたばかりだからまだ臨床経験がまったくない。ようやく「一人前」と言われるのは、現場で数年の臨床経験を積んでからだから、そのころには30代半ばとなっている。

 

2004年度から、それまで月10万程度と「雀の涙」と言われた研修医の月収が30万円程度にする国の勧告が下りたとはいえ、一般的なサラリーマンであれば既に入社10年くらいは経っているから、そろそろ主任クラスにはなっているだろうし、医師になるくらい優秀な頭脳があれば東大京大クラスだから、大手企業に入社していれば研修医の倍くらいは稼いでいるだろう。

 

研修終了後は5060万に跳ね上がるとはいえ、35歳くらいであれば入社10年以上だから、係長とか早ければ課長補佐クラスになっていてもおかしくないはなく、大企業なら1千万近い年収を取っているだろう。しかもサラリーマンだから、元手も経費も身の回り品以外は一切掛からない。医師の場合、この後はうまくいけばうなぎ上りに高収入を手にする可能性はあるが、この「10年分の投資」を取り戻すのは容易ではない。

 

勤務医でも無論、国立大学病院と民間の私立病院では給与には差があるし(私立病院の方が高額)、診療科によっても給与に差が出る(歯科や眼科などは低額、外科系は高額)。特にオペ(手術)に携わる助教授クラスになると、正式な給料以外にも手術を受ける患者からの「謝礼金」が大きい。しかも謝礼金に関しては、殆どの医師が無申告(脱税)にしているので、丸々自分の懐に入る。医師への謝礼金市場は、年間数千億円にのぼるとも言われている。

 

日本において、医科におけるあらゆる診療科全ての医師を養成する医学部1年間あたりの卒業者数が7,5008,000人であるのに対し、歯学部単独で1年間あたりの卒業生が2,7003,000人とのこと。医学部全体の4割近くに匹敵することからも、歯科医師の供給が過剰であると言われている。それに対し、主に少子化による人口減少や、予防教育などにより齲蝕になりやすい子供の数が減ったうえに、欧米諸国のように定期検診などで通うことが少ないため、歯科医院への受診が減った。

 

この結果、全国的に歯科医院の過当競争状態となり経営が悪化し、中には倒産・廃業にいたる歯科医院が増え、特に都内では11軒のペースで廃院に到っている。  現在、全国統計でコンビニエンスストア店舗数より歯科医院数が多く(コンビニ数の1.4倍)、日曜診療や深夜診療を行う歯科医院が増えている。

 

厚労省の2005年医療経済実態調査などによれば、歯科開業医(1医院の平均歯科医師数は1.4人)の儲けを表す収支差額の平均値は、1カ月当たり120万円程度。これを歯科医1人当たりの平均年収に直すと約737万円になるが、高額所得者は一部で5人に1人は年収200万円以下となっている。帝国データバンクによると、1987年度~2004年度に発生した医療機関の倒産は全国で628件あり、その約43%268件)を歯科医院が占めている。さらに100人中5人は、申告所得が0となっている。歯科の場合は、育成・開業費用等に他業種に比べて先行投資が多くなる。前回までに見てきたように、学費だけでも約5000万だが、その上開業ともなると治療椅子一脚だけで数千万円だから、それを揃えるだけで億単位の莫大な金がかかるのである。

 

2007年度の厚生労働省による推定平均年収は、約737万円となっており国民の平均年収444万円よりも遥かに多いが、多大な先行投資などが必要であることを考えると十分ではないとの声がある。一般に歯科医師は非常に高収入というイメージが強く、それに比べて実際は低収入であるため歯科医師のワーキングプアとしてセンセーショナルに採り上げる報道が増えている。歯科医師の数は、保険診療を主体とした上で高収入が得られるという条件では、人口10万人に対して50人が妥当とされている。

2011/09/24

iPhone劇場(3)

しかも減り具合が早いだけでなく、様々な点でもおかしなことが判明した。

 

・充電時「100%」になるまで、異常に長い時間がかかる

・「99%」から「100%」になるまでに時間がかかる

・充電しながら使用していてステータスが減った(前の端末では、充電中は使用していても増えた)

・電源を切った状態でも、ドンドンと減っていく(前の端末では、電源を切っている間は殆ど減らなかった)

 

「旧端末」は既に7ヶ月程度使用していたのに、それよりもこれだけ著しく減りが早いとなると、これは相当に古い機種であるとしか思えないではないか。当然ながら職場には何人かのiPhoneユーザーがいるから、聞いてみると

 

「そんなに減るって、考えられないですね。絶対おかしいよー、それ」

 

と言われ、遂に怒りが爆発 ∑( ̄皿 ̄;;キィィィィィィィィィィィ!!!

 

「なにか問題がありましたら、私の方へ直接ご連絡ください」

 

と、前回「サポートの上位部署」の担当から聞いていた直通番号に掛けたが、何度掛けても留守電になっていて繋がらず、留守電にメッセージを入れておいたが、一向に折り返しの連絡も入らない。サポートに説明するのも面倒なため、前回の「上位部署の担当」の名前と電話が繋がらない旨を告げると、新たに別の「上位部署の担当」へ繋ぐといって、またしても長々と待たされた。

 

ようやく繋がった相手に、過去の経緯を話す。

 

「それは、バッテリーの初期不良と考えられます・・・」

 

「バッテリーの初期不良って・・・元のヤツは7ヶ月も使ってたのに、それよりも著しく減りが早いってのは、フツーに考えてよっぽど古いバッテリーのを寄越したとしか思えんのだが・・・」

 

「バッテリーに付きましては、新品のものを使用しておりますので、中古のバッテリーということは決してございません」

 

「新品で、こんなに減りが早いなんてありえんだろう。7ヶ月使ってきたヤツより、遥かにダメなんだぞ」

 

「バッテリーの初期不良は時々ございまして・・・その場合は、今伺った以上に著しく減りが早い症状なども確認されております・・・」

 

との回答だった。

 

「機種交換といっているが、これまでの例を見ると端末の不具合が多いのだ。ところが今回はバッテリーは酷いが、端末そのものは問題がないのだから、バッテリーだけを交換してもらいたい。別に新品に換えてくれなどとは言わんから、前に使ってた端末のバッテリーと入れ替えてくれればいいんだ。あっちの方が、よっぽどマシだったからな。機種交換なると、これまでの例でもわかるように端末が欠陥だったり、今度は端末がいいと思ったらバッテリーが欠陥と来た。これだけリスクがでかいんだから、リスクを分散するとかしてくれんと困るんだが」

 

「申し訳ありませんが、バッテリーだけを交換ということは出来ませんので、機種そのものを交換するということになります」

 

「嘘をつくな!

Appleのサイトには8000円だか9000円だかで、バッテリー交換が出来るとか出ていたぞ。こっちはちゃんと見てるんだから、いい加減なことをいうんじゃない!」

 

「いえ・・・あれは結局、機種交換ということでして・・・iPhoneの場合、本体とバッテリーが一体となっておりますので、携帯電話のようにバッテリーだけを取り替えるということは出来ないわけでございます」

 

と、あくまで言い張った。

 

「出来ないんじゃなく、やれと言ってんだ。本体とバッテリーが一体なんて、ありえねーだろ!

こっちは2度も端末の欠陥で、もう1週間以上使えない状態が続いているんだぞ。しかもソフトバンクからは、そんな事情に関係なくしっかりと金だけは取られる(ソフトバンクはあくまで「売るだけ」で、サポートはAppleが責任を持つ)

金だけ取った挙句、使えない欠陥商品を送りつける。それで信用できんから、バッテリーだけを変えろといえば出来んという。サポートに電話すれば、延々と待たされるわ、上位部門とやらに電話すれば一向に電話に出んわ、留守電のメッセージも無視するわ。Appleというのは、そんないい加減な会社なのか?

少しは、ユーザーのことを考えているのか?」

 

色々と毒づいては見たものの、相手はあくまで「バッテリーだけを交換は出来ない」という主張は譲らなかった。聞けば、交換用の端末は別々に使用していた中古の部品を洗浄したものを組み合わせて作っているとのことで、それに新品のバッテリーを組み合わせるとの説明だった。実際にはバッテリー交換が出来ないはずはないが、電話では対面の時のように凄んだり脅したりすることも出来ないだけに、どうにもならぬ。

 

「先にも言ったように、こっちは金だけ取られてずっと使えん状態が続いているのだから、まともな対応をしてもらわんことには困るのだ。これまでのメールやメモ帳やカメラの不具合などは、出荷前の動作確認をちゃんとやればすぐわかっただろうし、今回のバッテリーの初期不良だかなんだか知らんが、異常に減りが早いのだって少しばかり動確してりゃあ解りそうなもんだ。

こんな欠陥商品を送りつけてくるというのは、出荷前の動確をちゃんとやってねーんじゃねーかとしか思えんわ。今度は、ちゃんと出荷前ひと通りの動作確認とバッテリーの異常がないかの確認をして、どこにも問題がないことを確認した上で送ってくれ。これ以上、おかしな欠陥商品を送ってきたら、ただでは済まさんからな!」

 

と宣告した。

 

今回も「1週間くらいかかります」といっていたものの、2日後には端末が届いた。すっかり手馴れた手順となったiTunesからの初期化とバックアップからのデータ復元を終えて、ひと通りの動作確認を行う。動作確認はより詳細を極めたが、どこにも問題はなかった。

 

が、油断は禁物だ。

 

いかに端末動作に問題がなくとも、バッテリーが欠陥では使えないのだ。さらに、またどんなトンデモナイ不具合が待ち受けているかも解らぬ。

 

これまで同様、出勤前に「100%」のフル充電をしておいて、職場に到着してから確認する。

 

バッテリー残量「99%」

 

「が、まだまだ油断は出来ないぞ」とばかり、これまで通りにタバコタイムにネットやメールを行う日課を実行しながら、減り具合の経過を観察する。その結果、どうやら今度はバッテリーの減りが極度に少ないようだ。

 

・出勤時:(新)99% ← (交換前)90% ← (旧)95

・昼休み:(新)90-95% ← (交換前)70% ← (旧)85

15時ごろ (新)85% ←  (交換前)30% ← (旧)70

・夕方:(新)80% ← (交換前)0% ← (旧)60

・帰宅時:(新)70% ←  (交換前)- ← (旧)40-50

 

元々の端末が新品の時が、どの程度の減り具合だったかは記憶にないが、こんなに減らなかったかと思ったくらいで、職場到着時に「100%」のままを保持していたり、昼休みを迎えた時点で「98%」ということもあったくらいだ。

 

前回は

 

(なんで8ヶ月も使っていたものより、こんなに減りが早いんだ・・・)

 

と随分と嘆かされたものだったが、今度は

 

「こんなに減らないとは・・・もしや、特別に強力なバッテリーを入れた?」

 

と思えた。

2011/09/23

iPhone劇場(2)

iPhoneのホーム画面はアイコンが縦に5段分、横に4列分で、横はスクロールできるようになっている。このうち、縦の3段目(つまり画面の真ん中辺り)のアイコンの操作が出来なくなってしまったのである。

 

iPhoneのホーム画面と言うのはPCのデスクトップと同じで、アイコンを動かしたりフォルダを自由に作って整理したりが出来るようになっている。そのため、あまり使わないアイコンを不具合のある3段目に集め、使用頻度の高いものを3段目以外に移せばいいのでは、などと安易に考えた。操作不能になっているのは5段あるうちの1段分だけだから、なんとか誤魔化しながら使えないかとの考えだ。ところがやってみると、これはすぐにダメとわかった。3段目のアイコンが操作できないということは、つまるところ単にアイコンの問題だけではなく「3段目当たる位置のソフトウェアなどに、不具合が生じている」ということに気付いたのである。

 

つまりネットに繋いだ場合は、画面3段目に位置する部分のリンクのクリックや操作が出来ず、またメールをやろうとすれば3段目に位置するキーボードの操作が、まったく出来ないという具合だ。これが画面の端っこであれば、まだどうにか誤魔化しようもあったかもしれないが、何せ3段目という画面のど真ん中だけに、この部分の操作が出来ないのでは役に立たない。

 

仕方なくサポートに電話をすると、長々と待たされた挙句にようやく繋がった。故障の状況を説明してから「あくまでも落としたのではなく、勝手に壊れた」と言おうとも思ったが、落とした傷などで嘘はばれるだろうから

 

「落としはしたが、壊れるほど高いところや酷い落下をしたわけではなく、あの程度で壊れるとはまったく不思議だ・・・」

 

というストーリーにしておいた。サポートの誘導に従い、端末の再起動やiTunesでバックアップを取ってから、端末初期化を試みたものの、症状はまったく改善しない。

 

「端末初期化まで行って治らないとなると、手の打ちようがありませんので、代替機種との交換となります」

 

ということだ。幸いまだ購入後1年未満だから保証期間であり、基本的には無償修理となるが

 

「端末を確認して、落下による傷などが酷い状態の場合は、保証期間内でも有償となる場合があります」

 

その場合は一律で23千円ということらしいが、勿論こちらとしては「保証期間内の無償修理」を譲るつもりは毛頭ない。

 

代替機が届くまでに、およそ1週間くらいかかるといっていたが、早くも2日後に届いた。勿論、今度は画面3段目が動かないということはなかったが、iTunesからバックアップデータを復元したところ、メモ帳が動作しない事象が判明する。メモ帳が使えないのは不自由であるし、理由がわからないのも気にはなるが、最悪メモ帳くらいであれば他のツールかソフトで代用できないことはない。

 

が、不具合はメモ帳だけではなかった。メールの送信が出来ないのである。見た目は送れているように見えたが、通常残っているはずの送信履歴から消えている。勿論、メールというのは仮に届いていたとしても、相手のレスポンスがない限りは届いているかどうか確認できないから、今度は自分のPCPHS宛に送ってみたところ、やはりどれも届いていなかった。

 

他のインターネットやGメールなどの外部メールは使えたが、メモ帳だけならまだしもメールが使えないのでは論外であり、また最初からこのような不具合が出るようでは、やはり問題があるとしか思えない。おまけにカメラで撮った写真も、まったく保存されていないことまで判明するにおよび、怒りは頂点に達した。

 

言うまでもなく、端末再起動や初期化などの一連の手順を試みはしたが、どれも解決には至らなかった。再度、サポートに電話をすると

 

「代替機の初期不良と思われます・・・」

 

ということだが、再交換となるため

 

「私では判断できかねますので、サポートの上位部署に繋ぎます・・・」

 

と言って、またしても長々と待たされた挙句「上位部署」とやらの担当者に代わった。

 

ここでも担当者の誘導に従い、色々な手順を試みたものの不具合は解消せず、再度端末の交換となり、前回同様に

 

「代替機が届くまでに、およそ1週間くらいかかります・・・」

 

と言っていたが、実際には2日後に新しい機種が届いた。

 

ここまでなら、通常の「不具合による機種交換」に「初期不良」が重なったというだけのことで、わざわざこのように文章にすることもない話だ。元々、人一倍用心深いというか疑い深い性格だとは自覚しているが、それに加えて過去の経緯があるだけに、初期動作確認は工場の出荷担当者も顔負け(?)なほどに詳細を極めた。画面上操作が出来ないという不具合はなし、メモ帳もちゃんと使える。メールの送受信は、3つの別々のアドレスに何度か行ったがどれも問題なく、カメラの撮影も正常に行われ撮影した写真が保存されることも確認した。

 

そのほかネットに繋いでの動作確認は勿論、電話が繋がるかのテスト、マップやカレンダーの表示、時計やアラームの機能の確認と、要するに一通りの機能を確認した結果、どこにも異常なしと判明したのである。ところが、これでまだ話は終わらない。  今度の「伏兵」は、意外なところに潜んでいた!

 

当時、職場へは地下鉄で通っていたが、iPhoneは地下鉄の中は駅での停車時間を除くと殆どが圏外となる。そのように、通勤時間はほぼ使えない状態だけに「異変」に気付いたのは、職場に着いてiPhoneを取り出した時だった。

 

(ん?

やけにバッテリーが減ってないか?)

 

先に記載した通り、職場に着くまでは殆ど電源を切った待機状態にあったにもかかわらず、フル充電で「100%」にしてあったバッテリーが、職場に着いた時点で「90%」に減っているではないか。

 

(おかしい・・・確かに、これまでは95%くらいだったはずだが・・・)

 

と疑惑を抱えながら、忙しいままに昼休みを迎え再びiPhoneを取り出すと、殆ど使ってなかったのに「70%」に減っているではないか。やはり、気のせいではなかった!

 

翌日も様子を見るために、以前と同じように使用してみることにする。当時の職場は喫煙所が最上階の10Fにあり、仕事場は3Fだ。しかも震災に伴う原発事故後の節電の影響で、エレベーターの使用が禁じられていただけに、無精者がわざわざ10Fまで階段を上がるようなバカゲタマネをするわけもなく、タバコは外に出て吸っていた。

 

最近のどの職場でもそうだったが、ここでもこのタバコタイムの時にネットやメールのチェックを行い「息抜き」をするのが恒例になっていた。そうした日課を通じて観察した結果、やはりバッテリーの減りが異常に早いのは明らかだった。

 

《新旧比較》

ü  出勤時 (新)90% (旧)95

ü  昼休み (新)70% (旧)85

ü  3時ごろ (新)30% (旧)70

ü  夕方   (新) 0% (旧)60

ü  帰宅時 (新)  -  (旧)40-50

 

ざっとこのような感じで、違いは一目瞭然だ。

2011/09/06

2011世界陸上観戦記(4)

女子800メートル走で優勝した選手に「性別疑惑」が持ち上がったのは、前回のベルリン大会である。オリンピックや世界選手権といった国際的な大会ではドーピングが後を絶たないが、過去には女子選手が性別検査の結果、金メダルを剥奪された例や、半陰陽(遺伝子や身体的特徴から性別を断定できない)や両性具有が発覚した例などもあった。

 

話題になった選手は、正直あの顔といい筋骨隆々とした外見といい、どう見ても「男じゃないのか?」と疑いたくもなるが、今回また「女子800m」でエントリーしているということは「女」として認められたということらしいが、その経緯はまったく不明だ。アフリカなどの黒人選手の場合は、元々骨格や筋肉の発達が他人種とは著しく違うし、日常的に自然を駆け回っているような環境的要因も大きく、一概に外見のみで決め付けるわけにはいかないが、このような騒動が持ち上がったからには、やはり疑わしさはあるハズだ。

 

これまで再三に渡って指摘してきたように、そもそも顔や年齢の識別は言うに及ばず、見た目だけでは国籍や性別の判断が難しいのが黒人選手である。事実、過去にマラソンで「替え玉事件」という笑い話のようなことがあった。折り返し地点辺りで、トイレに行くふりをして別の選手と入れ替わったが、ただでさえ見分けるのが難しい黒人選手がサングラスをしていたため、見事に騙されて「優勝」となった(記憶があやふやだが、アラブ選手だったかもしれない)。

 

が、愚かにも(入れ替わり前か後かは忘れたが)、髭のあるなしで後でインチキがバレタというお粗末さだったが、コレさえなければ誰もがコロリと騙されたのである。先日は日本の学生駅伝で「年齢詐称」もあった通りで、世界陸上を見ていてもケニアの選手などは皆、同じ顔に見えてしまうのは事実である。

 

が、ことが「性別疑惑」ともなれば、そのような冗談を言っている場合ではなく、個人の名誉というレベルを遥かに超越して人間の尊厳にも関わるような重大問題だ。そして、4年ぶりに表舞台に姿を現した某選手を改めて見て、正直

「やっぱり、どう見ても男だよなー」

という独り言は内緒だが、幸か不幸か今回はロシア選手の快走に封じられたため、騒動には至らずに終った。

2011/09/05

2011世界陸上観戦記(3)

ハンマー投げの室伏が、待望の金メダルを獲得した。

 

トラックに比べ、どうしても地味な印象のあるフィールド競技だが、これが案外に面白い。特にハンマー投げや円盤投げなどの投擲種目は、素人にも楽しめる「絶叫大会」である。初めて投擲競技を見た時は、あの断末魔の絶叫のような叫び声に驚いただけでなく、投げる瞬間ではなく投げ終わってからというのが、どうにも理屈に合わない気がしたものだった。あれは投げる瞬間に息を止めていて、投げ終わってから溜めていた息を一気に吐き出しているのだとわかったのは、後になってからだった。

 

今大会の日本のメダルは、この室伏の「金」ひとつ(マラソン団体は、カウント対象外)だから、まさに「値千金」と言える。これも前から言っているように、個人競技のマラソンで「団体成績」というのはおかしな話なのだが、それを差し引いたとしてもこの「銀」は、ハッキリ言えば「おまけ」としか言いようがない。なにせ日本人選手は、5人もエントリーして最高が「たった7位」なのである。「団体」は上位3人の成績で競われるらしいが、日本の上位3人は「7位」を筆頭に「10位」と「18位」だから、マラソン競技としてはあくまでも「惨敗」集団である。

 

女子が「5位」、「10位」、「18位」という、殆ど似たような結果でもメダルに届かないことを思えば、これはやはり「おまけ」としいう以外にない。繰り返すが、個人競技のマラソンで「団体成績」という自体がわけの解らない話なのだが、それで「銀」と言うからには最低でも「表彰台+入賞」くらいの結果が伴っていなければ価値がなく、ギリギリで入賞1人がやっとさの男子陣の「銀」は「棚ボタ」以外の何物でもない。「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」が実態で、あまつさえケニアとの天地雲泥の差を省みれば

「日本は、こんな無意味なメダルなど要らん」

と返上して欲しいくらいだ。

 

ところで室伏の場合、長年ずっと見続けて来た思い入れが強いだけにすっかり忘れていたが、よくよく考えてみればハーフである。国際大会への関わり方として、これまで同様に潔く純血主義を貫くか、或いは欧米諸国を真似て「助っ人」を輸入してメダルを量産するかの選択肢はあるのだろう。昨今は「安手の国際化」が叫ばれて喧しいが、日本は欧米諸国を真似てメダルを量産するために「助っ人」を輸入する必要などはまったくないし、怪しげな薬などに頼ってまでメダルを欲するような愚かな日本人はいないだろうから、これまで同様に潔く純血主義で堂々と玉砕してもらいたい。たとえメダルは獲れなくとも、強い世界を相手に頑張る日本人選手の姿を見て、文句を垂れているのが好きなのであり(文句を言われる方は、迷惑千万な話だろうがw)、アフリカや黒人選手に伍して国際舞台で活躍するだけでも、尊い価値があると言える。

 

余談ながら、TV局などが「世界陸上テグ大会」と呼称するのが、どうにも気に喰わん。日本風に「ダイキュウ」と発音すればよいものを、なぜ日本人がコリア風の発音をしなければいけないのか?

 

「大邱」を「テグ」と発音させるならば、他の国々も同様に「U.K」、「U.S.A(または「states」)」、「ネーデルランド」、「ドイチュラント(または「FRG」)」、「メヒコ」、「エスパーニャ」、「マジャール」、「スオミ」と言わなければならないが、これらは総て「イギリス」、「アメリカ」、「オランダ」、「ドイツ」、「メキシコ」、「スペイン」、「ハンガリー」、「フィンランド」といった「日本式の発音」だ。ついでに言えば、金正日を「キム・ジョンイル」というのもおかしな話で「毛沢東」は「マオ・ツォートン」ではなく「もうたくとう」であり、鄧小平は「ダン・シャオピン」でなく「とうしょうへい」なのだから、同じように金正日は「きんしょうにち」と呼ぶべきである。

 

「ウサイン・ボルト」や「りゅうしょう」なども勝手な日本風の発音であって、ジャマイカ式やチャイナ風は違うはずだが、コリア選手だけがわざわざ「本場式」となるのは、何かの圧力でもあるのかと疑ってしまう。もっとも、今大会は開催国の選手がまったく活躍しない、メダル「0」という珍しい大会ではあったが。外国や外国人の正式呼称をイチイチ調べるのは大変なのだから、日本で発音するなら日本式の発音で充分であり、どこの国もそうしているはずである。なぜ、コリアだけわざわざ「本場式」に合わせないといけないのか、まったく理解に苦しむ。

2011/09/02

iPhone劇場(1)

時は20世紀末の携帯黎明期のこと。

 

当時「通話料金が安い」という理由で選択したのがDDIポケットの「ポケット電話」で、それ以来、無精も手伝って10年以上「ポケット電話」~「H"(エッジ)」~「WILLCOM」と、一貫してWILLCOM PHSユーザー時代が続いた。

 

端末の故障も少なく、10年間殆ど不自由を感じることはなかったが、何度目かに変更した新しい機種にバグがあった。タイミングの悪いことに、当時転職活動をしていた関係から携帯がないのは非常に困るからと、遂に携帯を持つ決断に到る。

 

ちょうどソフトバンクの「ホワイトプラン」が流行していた頃で、こちらから発信しなければ月額「980円」で済むならばと、WILLCOMが治った後に故障など万一に備えた予備機として持っていても、たいした負担にはならないからという判断だった。そうした経緯で、ソフトバンクの中でも最も安い端末を購入し「受信専用の予備端末」として、持つことになる。

 

もっとも「一番安い機種」とはいっても2万円以上はするから、この機種代が月額料金に乗ってきて、24ヶ月の分割払いだ。機種代が月に1000円程度だから、ホワイトプランが「980円」とは言え、毎月2000円程度はかかった。

 

当時、あちこちで「iPhone」をよく見かけるようになったころだ。当初は高いイメージ(月額1万円以上だと思っていた)があったり、また「故障が多い」という話もよく聞いていたため、敢えて手を出すつもりはなかった。が、職場にもiPhoneユーザが目立って増えてきたのと、当時働いていた現場が作業のための「待機」の時間が長く、待機時間に盛んにiPhoneの操作に熱中している職場の連中を見るに及び、いよいよ食指が動く。しかも、聞けば「ネット繋ぎ放題で、7000円はかからない(通話料金は別)」と言うではないか。ということは、現状から40005000円程度の上乗せでネットやメールが繋ぎ放題ということになり、また先に述べた通り待機時間が異常に長い当時の職場事情などを考え、iPhoneへの乗換えを決意したのである。

 

ちょうどそのころ「iPhone4」が出て間もない頃で、吉祥寺のヨドバシカメラへ行って、手近の女性店員を捕まえると

 

「予約待ちの方が大勢居るため、入荷に半月から1ヶ月程度かかる可能性があります」

 

ということだ。

 

「半月と1ヶ月じゃあえらい違いだけど、どっち?

1ヶ月もかかるって、待たせすぎでしょ?」

 

「そうですね・・・半月くらい見ていただければよろしいかと・・・」

 

ということで、契約カウンターへ案内される。ここでは、生意気そうな男の店員が出てきて

 

「予約待ちの方が大勢いらっしゃいますので、入荷に1ヶ月以上かかる可能性があります」

 

と言う。

 

1ヶ月以上って、冗談じゃないよ。さっき向こうで聞いた話では、遅くても半月以内ということだったが?」

 

「お申し込みの順番もありますので、必ずしも半月以内というお約束は出来かねますが・・・」

 

「なんで、そんなに時間がかかるのか?

半月以上って、待たせすぎだろーが」

 

と詰め寄ると

 

「確認してまいりますので、少々お待ちを・・・」

 

と、一旦引っ込んだが

 

「基本的に、半月程度見ていただければよろしいかと・・・」

 

という返事に変わった。

 

ともあれ、担当店員に散々に毒づきながら手続きを終えると、なんと翌々日には

 

「ヨドバシカメラマルチメディア吉祥寺店ですが、iPhoneを入荷いたしました」

 

という連絡が入った。きっと文句を言わなかったら、後回しにされていたに違いない (▼д▼)y─┛~~゚゚゚

 

こうしてiPhoneは入手した。前にも書いたように、職場は相変わらず待機時間が長かっただけに、この待ち時間を中心にiPhoneが大活躍をした。ネットにメールにマップに大活躍で

 

(これで月額6000円程度なら、確かに安いものだ)

 

と嬉しくなった。なにしろ携帯の従量課金制では、あっという間に目玉が飛び出るような請求になる。WILLCOMにも定額プランはあったが、PCに慣れている身にはあの携帯のボタン操作でネットサーフィンは苦痛以外の何ものでもなかっただけに、PC同様の操作性を持つiPhoneの使用環境は快適だった。

 

電話だけは確かに使い難く声の聞こえ難さは酷かったが、それまで数人のユーザーから

 

iPhoneは、電話はダメですよ・・・基本的にモバイルPCイメージなので、電話はおまけみたいなものです」

 

と聞いていたから確かにその通りだと思った程度で、電話は従来どおりWILLCOMを使えばよかった(その後、WILLCOMは「だれとでも定額」で、10分以内の通話なら他のキャリアを含めた全ての相手に対し、月額約2500円で24時間どの時間帯でも掛け放題となった)

 

心配していた「iPhoneは不具合が多い」という噂は相変わらずよく耳にしていたが、この端末に関してはまったく問題はなく、心配は杞憂に終わったと言ってもよい。携帯とは違ってストラップが付けられない形状のため、これまでの携帯以上によく落としていたのは困るところだが、それでも故障することはなかった。

 

そのようにして約7ヶ月間は、何の問題もなく過ぎた。iPhoneを購入したのが10月で、それ以降は冬だから上着を着ていたため、上着のポケットに入れておくのが通常だったが、8ヵ月後は5月だ。そろそろ上着が必要のない季節となり、そうなるとシャツの胸ポケットくらいしか入れるところがなくなる。シャツの胸ポケットに入れるところまでは、これまでの携帯と同じである。が、iPhoneの場合、携帯のようにストラップで固定が出来ないため、当然のことながら前屈みの姿勢になると、シャツのポケットから落下する。

 

たまたま、その日は慌てていたせいもあって凡ミスをやらかし、三度も立て続けに地面に落としてしまった。これまでも何度か落としたことはあったが、一度も故障しなかっただけに携帯同様に「衝撃には強い」と思い込んでいた。が、度重なる衝撃に耐えられなかったか、遂に故障してしまった ()~ ガーン

2011/09/01

2011世界陸上観戦記(2)

女子マラソンはケニア勢が表彰台を独占し、日本選手は5位が最高という結果に終った。

 

そもそも、アフリカ勢など世界を代表するスピードランナーと戦えるだけの実力を備えた選手は勿論、かつての高橋尚子や野口みずきのようなレース巧者の実力者が見当たらない日本選手陣で、5人のエントリーは多すぎる。過去の熾烈な代表争いの時のように、レースの展開次第ではいずれもがメダルを期待できる顔ぶれならともかく、殆ど聞いた事のない選手ばかりを5人も送り出す意味はなく、単に派遣費用をドブに捨てたようなものである。

 

話は逸れるが、ワタクシは「走る都はるみ」の解説が堪らなく苦手で、あの猫撫で声の饒舌を聞くと背筋がむず痒くなるのである。折角、世界の頂点を何度も極めた弁舌爽やかな高橋がいるのだから、それとは比較にならない程度にたいした実績もないあのオバサンが出てくる必要性がわからん。

 

そもそも陸上競技、特にスプリント種目ほど持って生まれた身体能力がものを言う競技はない。それは、学生時代の自らの小さな体験を思い起こしても良くわかるのであり、それだけに陸上選手に畏敬の念を持っている事では、まったく人後に落ちないとの自負もある。特に黒人選手などは、そもそも骨格や筋肉など体の構造そのものが違う。それに加えて、狩りをして生計を立てているような人種となれば、彼我の環境の違いは想像を絶する。有体に言ってしまえば「野生動物に近いような体構造を持ち、そのような環境で暮らしている」のがアフリカの選手たちであり、そのような人種と同じルールで戦うのがそもそも不合理と言える。

 

かつてアフリカ選手は短距離では勝てるが、マラソンでは勝てない時代があって、その理由は「黒人選手はアタマが悪い」という意見があった。その論拠は「短距離や跳躍など身体能力がモノを言う競技には強いが、マラソンなど戦略的な駆け引きが必要な競技には強くない」というもので、事実マラソンではスタートから一気に飛び出しはするが、後半に失速して抜かれるパターンが多かった。しかしながら、これは「アタマが悪い」かの真偽はさておき、歴史的な経緯から指導者や環境に恵まれていなかったため、と見ることは出来る。

 

対照的に、マラソンを「お家芸」としていたのが日本人で、体格や身体能力はおそらくは世界のどの国と比較しても見劣りするだろうが、そのマイナスを高度な戦略などでカバーしてきた。これはかつての野球やバレーボール、最近では女子サッカーなどの「世界一」の活躍が証明するところでもある。ところが日本人と来たら、世界中の笑い者になるようなお人好しなのだから、まったく始末が悪い。西欧列強のように、優秀な黒人選手を「傭兵」として雇うどころか、せめて陸上競技で唯一メダルを期待できそうなマラソンくらいは、何が何でもメダルを獲りに行くのが「世界の常識」であろう。ところが日本人のやることときたら、わざわざ貧しい黒人選手を「留学」させた上に育成までしてやり、その挙句が本国代表として出場したかつての「留学生」に悉くメダルを浚われ、自国の選手を利益を損なっているというお目出度さ加減なのだ。

2011/08/29

2011世界陸上観戦記(1)

「陸上の華」と言えば、なんといっても「100m走」だ。その象徴とも言うべき、最も注目される「男子100m走決勝」で、ガチガチの本命と見られたボルトが「フライングで失格」という前代未聞のバカゲタ結末となって、つくづく人間のバカさ加減に呆れた。これは「100m走」に限った話ではないが、なぜスポーツ界というのはこうも愚かなルール改正ばかり繰り返して、わざわざつまらなくしたがるのか? メジャーの猿真似をして飛ばないボールを導入し、サッカー並みのロースコアばかりでつまらなくなったプロ野球然り、大昔から当たり前に存在していたであろう「八百長」撲滅とやらに躍起となった挙句、スカスカとなってしまった大相撲然りである。ましてや「たかがフライング」だ。

 

100m競争」は「誰が世界一速いか?」を競う競技であって、完璧さを求めるものではない。「人間のやることは、必ずミスがあるという暗黙の了解の上に成り立つ」べきである。そうはいっても、何度もこれをやられては他の選手にとって迷惑だから、そこに「ルール」というものが必要になってくる。そのギリギリ許容範囲として「二度目にミスを犯した者は失格」というルールに収斂されたのではないのか?

 

このルールに、なんの不都合があろうか?

それがなぜ、唐突に「フライング1発で失格」に変わったのかの理由は知らないし、くだらない裏事情には興味もない。事実は「史上最低の見世物」によって世界中を失望させただけで、まさに「歴史に残る改悪」としか言いようがない。

 

それにしても世界陸上の度に毎回同じことを書いているが、スタジオのサル男と元バカアナのオバサンが、なぜ「ナントカの一つ覚え」のように毎回出てくるのか、まことに理解に苦しむ。

一体なぜ、毎回毎回このコンビなのか?

どちらも、陸上競技となんの関連性があるのだろう?

 

特に「陸上オタクのサル顔男」に至っては、選手を親しげにファーストネームで呼んだり、ホスト役の立場を忘れて一人でポーズを取ったり、茶の間感覚ではしゃいだりと、やることなすことイチイチうざくて仕方がない。また女子アナを出すのなら、もっと若くて綺麗なのや陸上競技に似つかわしい者がいるだろうに、いまさらわざわざ埃を被った骨董品のオバサンを引っ張り出してくる必要性がサッパリ不明だ。

 

そもそも「世界陸上」の中継に「スタジオ映像」などは、まったく無用の長物なのであって、中年コンビの無駄な駄弁りを垂れ流す時間があるなら、その分を他の競技中継に当てろと言いたいし、どうしてもスタジオ映像をやりたければ、せめて一流アスリートによる中身のある解説が許容範囲であろう。視聴者が期待しているのは、このような「無用の長物」ではなく、世界を代表するトップアスリートたちの戦いなのである。

普段はTVを観ないワタクシも、世界陸上がらみでTVの番組表を見る機会が増えたが、フジだけでなくTBSやテレ朝など他局も「コリア放送局」じゃないか!

2011/08/16

歯科医の過剰(3)

歯医者になるためには、お金がかかる。歯学部の約9割は、私立大学にある。つまり歯医者さんが10人いれば、9人くらいは私立大学終身の先生ということである。これは、歯科教育が私立大学に委ねられてきた歴史的背景があるためで、私立の歯科大学は、日本の歯科に大きく貢献し続けて来た。

 

それでは、私立大学における入学時に必要な最低限の費用と、年間の授業料を見てみよう。調査の対象は、いずれも伝統ある私立名門大学である。個別の詳細は省くが、平均値は初年度納入額が「994万円」、授業料が「345万円」となっている。仮に留年することなく、6年間で卒業した場合の最低限必要な費用は「3000万円」で、ここには書籍費や実習費用は含まれていない。

 

対象で最も高い大阪歯科大学の場合であれば、初年度納入額が「1264万円」、授業料が「400万円」だから、スムーズに6年で卒業しても合計で「3664万円」が必要である(書籍費や実習費用は含まない)。つまり、私立の大学で歯科医の資格を取ろうとすると、その他諸経費を併せ少な目に見積もっても、みかん箱に1/3から半分くらいの1万円札が要る(最低4000万円くらい)

 

この金額は高いかと言うと、決して高くはない。私立大学は文部省から補助金の支給を受け、さらに卒業生からの支援によって足りない資金を埋めているのが実態である。 国公立大学は、全額公費で賄っている。つまり、一人の歯科医を養成するには40005000万円がかかるということである。経済面だけを考えた場合、その費用を自分で出すか公費で出してもらうかが、私立と国公立の差ということになる。

 

平均値で見て授業料が月に30万も掛かるのだから、普通の会社勤めではとてもコンスタントに賄える金額ではないし、ましてや入学金が1千万円だ。これではいかに優秀であっても、儲かっている医師の家庭か豊かな家庭の子供でなければ、まずスタートラインにすら立てない。勿論、金だけあっても(裏口は別とすれば)、かなりの高い能力や努力が必要であることは、言うまでもない。

 

国立大学の場合は、学部に関係なく一定である。初年度納入額「74.4万円」、授業料「47万円」で、同じように6年間でスムーズに卒業した場合は「356万円」で済む。私立大学の場合の、約 1/10だ。授業料の月額負担が「4万円」、初期費用も「74.4万円」だから、これならそれほど高給取りでなくても、一般家庭で充分に賄える額と言える。

 

歯科医になるためには、これだけの最低費用と6年間、プラス殆ど無給の研修期間1年の年月を必要とする。例外的な場合として、大阪大学のように一部の大学では学士入学制度を設けている。すでに4年制以上の大学を卒業後、実社会で実務を積んだ人が、その能力と経験を歯科に反映させる趣旨の制度で、選抜試験により専門部に飛び級し4年間で卒業できる。収入がなくなるため留年しない限り学費は免除、または減額される。

 

ここに挙げた必要経費は、あくまで理論上の最低費用である。実際には歯科大学に合格したとして、いったい何割が6年で卒業できるかというと、精々多めに見積もって半数だ。無論、留年したからと言って授業料はまけてはくれず、中には12年もいく「ツワモノ」もいる。さらに無事卒業できたとしても、その後は国家試験が待ち受けており、落ちれば「ただの人」である。おまけに下宿などしようものなら、月々15-20万は必要となる。こうしてみると、やはり私立の歯科大、歯学部に入学した場合、最終的には4-5000万円くらいは見ておく必要がある。

 

では国公立大学はどうかと考えると、入学試験の偏差値競争に打ち勝つために、進学校への入学準備や塾だの家庭教師だの、それまでの教育費に膨大な資本投下と、子供らしい生活を犠牲にしなくてはならない。中には自力でお金をかけず、苦学して受験競争に勝ち抜いてきた二宮金次郎みたいな秀才もいるが、これは少数派だ。これだけの投資をして、さらに後々生涯所得を考えると、それまでの投下資本が回収できるのかどうか、甚だ怪しいところなのである。

 

勿論、医師になるためには金だけあってもダメで、人並み外れた能力と努力が必要であるのは言うまでもない。前回までに触れてきた金の問題は基本的な条件であり、まずそれだけの金が準備できなければスタートラインにも立てないが、次には能力の問題がある。まず医師になるためには、大学の医学部に入らなければならないが、これが簡単ではない。国公立大学の医学部(医学科)の偏差値は、東大(法・医を除く学部)・京大(医を除く学部)とほぼ同じレベルなのである。

 

開業医になるためには、特に国公立大の医学部でなくとも私大の医学部や医科大でもいいが、それでも通常は上位の国立大(いわゆる旧帝大)レベル以上の難易度であり、さらに先に見てきたような莫大な金が掛かる。これに比べ歯科医であれば、国公立大でも旧帝大かそれ以下のレベルであり、私大であればさらに難易度は下がって地方のレベルの低い私大と同程度の難易度だから、ぐっと入りやすくなる。中には、偏差値が50を大きく下回るどころか「F(フリー)ランク」(要するに誰でも入れる)と称されるような底辺の歯科大、歯学部も存在する

2011/08/02

1日5ℓ(2011版) (。 ̄Д ̄)d□~~

連日の暑さで、毎日呑む酒量が増えている。暑さが増すにつれ、酒量も増量。6月以降は増加の一途を辿り、現状は「ロング2本+レギュラー缶」、もしくは「レギュラー3本+@」というところまで来た (。 ̄Д)d□~~ ウメ-

 

かつてのように、ビールだけならレギュラー3本という事はこれだけで既に600円だが、最近は紛い物でもビール並みに旨いのが出ていて、箱買いなら下手をすれば1100円程度と格安なのは大いに助かる。

 

案外とバカにならないのが、つまみだ。呑み方としては、一気呑みでまず1本。2本目は、枝豆と冷奴をお供に呑む。その後はマグロの刺身か、或いはイカやタコといった海鮮ネタで、3本目以降をじっくり味わうというのが「黄金パターン」だ。当然ながら酒量の増加に比例し、食費の方もドンドンと嵩んでいくわけである。

 

ちなみに、居酒屋など外で飲む場合はジョッキで数杯は飲むから、基本的に「飲み放題」プランのある店に行くのが「前提条件」となる。

 

「外に呑みに出る事はあまりないし、家で呑んでるくらいだから、たかだかしれてるだろう・・・」

 

などと気にもとめていなかったが、これは結構な出費となっていた。さらに、気付けば1日の水分摂取量が半端じゃない。ビールだけでも約2ℓで、夏場は日に45杯は飲んでいるアイスコーヒーが約1ℓ。さらに、食事時に飲んでいるお茶の約1ℓ(昼と夜で)に、水などを含めると、ナント「1日5」という計算になってしまうのだから、これでは汗がダラダラと出るのは無理もない。

 

「それじゃあ、メタボ一直線じゃん」などというのは愚かの極みというもので、学生時代から殆ど体重の増減がなく太らない体質だから、残念ながら意地悪ジーさんバーさん(?)の期待に反し、幾ら飲んでも「メタボ」などとはまったく無縁なのである。メタボの基準は「腹囲85cm以上、BMI25以上」が目安といわれるが、ワタクシは「腹囲70cm台半ば、BMI21」だ。

 

健診では東京に移住後、昨年初めて「尿酸値」で「B」判定が出たが、今回は「6.9」となんとか基準値(3.8-7.0)内に収まり、2年ぶりの「オールA」判定となった。



2011/07/27

「地デジ移行」の大迷惑

「地デジ移行」とやらで「強制的に」テレビの買い替えを迫られた。使っていたテレビは、2005年に現住居に引っ越して来た時に買ったものだから、まだ6年しか経っていないのにも関わらずだ。今時のテレビといえば、10年や20年は故障せずに使えるのが普通だから、僅か6年はいかにも勿体ないばかりでなく、まったく故障もしていないのに「地デジ移行などという、頼みもしていない勝手な事情で粗大ゴミにされた」という、甚だ納得のいかぬ思いなのである。

 

そうはいっても今のテレビ受像機では、これからのデジタル放送とやらが観られなくなるということだから、仕方なく無精者のワタクシも重い腰を上げてヨドバシカメラに行くハメになった。これまで何度も「テレビは滅多に観ない」と繰り返して来たのは事実であり、必ずしも「必須」とは考えていない。それでも、スポーツや芸術番組で稀に観たいものもなくはないから、やはりテレビはあった方がよいのは確かである。とはいえ、そもそもテレビに対する執着がまったくなかったから「地デジ化」に対する知識もまったくない。漠然と「3万もあれば買えるだろう」と思っていた対応テレビだったが、いざ店へ行って見てそれが最低価格帯だと知った。

 

そのテレビは、メーカーも一流だったから迷うことなく店員を呼ぼうとしたが、順番待ちの客が溢れている。テレビが家に届くのは7月末になるとのことで、その際に面倒な初期設定と「粗大ゴミ」と化す古いブラウン管テレビの回収を依頼し、ついでに、ビデオの接続を頼むと「旧来のビデオデッキはアナログ専用のため、使用できません」  と言う。

 

考えてみれば当たり前の話だが、テレビだけでなくビデオデッキまで「他人の事情で無用の長物にされた」のである。益々、腹立たしいではないか。「録画機能は、どうされますか?」と聞かれ「ビデオに録画してまで、観たい番組があるのか?」と疑問を感じはしたが、来年はオリンピックもあるし今後テレビは数年のオーダーで使うことを考えれば、いずれ録画機能が必要な場合も出てくるはずである。

 

ところが、当初予定していた最低価格帯のものは「録画機能がない」という。「録画機能なんぞは、テレビとビデオを別々に買おうがケーブルを繋ぐだけで、簡単に後付けが出来るんじゃないのか?」という従来の「常識」を覆し「地デジテレビ」の場合は、テレビと録画機能の接続には面倒な制約があるらしい。HDDを内蔵していないテレビ場合は、USBインターフェースがなければ外部との接続が出来ないと言う。録画のHDDやら、外部との接続にUSBインターフェースという名前が出てくるのを聞くに及び、PCに馴染みの深い人間としてはようやく「なるほど・・・確かにデジタル化だ・・・」と実感はしたが、感心している場合ではない。

 

最も簡単なのはHDD内蔵の機種だが、これが「バカ高い!」と文句を言うと、奨められたのがUSBインターフェースの付いたタイプだ。この時点で最低価格帯のヤツは諦めたが、さらには「TN型」と「IPS型」という液晶パネルの違いがあって、優れているのは「IPS型」の方だと奨められると、面倒も手伝って即決。HDDは容量の小さいものは割高だから、結果的に「約100時間録画可能」という無駄にデカイ「1TB」のものを買う破目となった(ただし、これは6800円と安かった)

 

結果的に、古いブラウン管のリサイクル費用なども併せると、大幅に予算をオーバーし5万以上もかかってしまったが、最低価格帯のとは違いすぐに届き、テレビ台を占領していたでかいブラウン管から、スマートな薄型の液晶に代わった。6月~7月は「都民・市民税」や「国保」の支払いやら予定納税やらが始まり、金がドンドンと消えていく時期である。免許の更新も重なってメガネも新調したから、この5万を超える「他人の事情による想定外の出費」は、かなり痛い。

 

(今までのアナログでまったく不自由はなかったし、テレビだってまだまだ充分使えていたのに・・・ユーザーにひと言の相談もなく、国の都合で勝手に使えなくするのなら、必要な費用はちゃんと補填してくれよ)

 

と、声を大にして叫びたいところだ。

2011/07/14

待機保証(プロジェクトU)(4)

「わたくしB社のNといいます。この度はUプロジェクトの件で、まことにご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした」

 

声は若そうだったが、例のB社の営業部長ということらしい。もっともB社はベンチャーだから、営業部長と言ってもまだ若いのだろう。

 

「担当営業の〇〇から今回の経緯を伺いまして、あまりに酷い話だったのでお詫び方々少しご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました・・・」

 

「まったく、あんなに酷い話はないよ。C社は絶対に受注もできていなかったのに、面接に何十人も呼びつけてね。絶対確実だとか吹きまくっていながら、挙句は失注したんだろうね。そうでなければ、このタイミングで延期とか、こんなわけわからん話はないでしょう」

 

「はい、わたくしも話を聞いて、そんなようなことだと推測しましたが・・・それにしても、これはあまりにあくどいやり方なので、ワタクシの方から上位のM社にクレームをあげました」

 

「まあ、M社も三次請けのような立場だから、あんなところになにを言ったところで、所詮は蟷螂の斧でしかないでしょうよ・・・」

 

「仰る通りです。が、そうは申しましても、うちと直接取引しているのはC社ではなくM社なので、十分に調べもせずこのような案件を紹介して来た責任があるわけで。そこで、ワタクシの方でM社に掛け合って待機保証金を出して貰うよう交渉してみます」

 

「待機保証?

いいよ、そんなものは。今更、そんなはした金をもらってどうするんです?

こっちは、あれがもう決まりだとか言うので、他に幾つか面接が入っていたのを全部キャンセルして、結果があれだからね。その時はもう他社はストップした後だし、結局それらはサギ会社に騙されて待ってる間に全部充足しちゃって、えらい迷惑しましたよ」

 

「そこでなんですが・・・その待っている間というのが、おおむね1週間じゃないですか。その1週間分が丸々ふいになってしまったわけですから、せめてその1週間分は保証してもらおうと考えたのですが・・・」

 

「そんなもの、出すとは思えんわ。オレたちも騙されたんだというに決まっているよ」

 

「いえ、そこは交渉次第でして。私が出させますよ」

 

と、N氏は自信たっぷりだ。

 

「M社とは懇意なので、大丈夫。1週間くらいの保証は出させられます。まあ、にゃべさんとしては少ない額でしょうが、活動資金の足しにはなるんじゃないですか。なにより、私としてはこのまま黙って引き下がるのは許せないので、何とかしたいですね」

 

「まあね・・実際には、あのサギ話に乗らずに、あのまま他の面接でOKが出ていれば数十万か百万くらいはもらわないと合わないけどね」

 

「そこが難しいところでして。仮に裁判とかに持ち込んだとしても、こうした逸失利益の証明は出来ないんですよね。実際に面接の結果も出ていないので、結局どうなったかは想像でしかないわけで・・・」

 

「・・・」

 

「まあ現実的な落としどころと言えば、先にも申した通り1週間無駄になった分は誰の目にも明らかなので、それを待機保証という名目で出して貰う線だと思いますよ。私としては是非とも、この方向で話を付けようと思いますが、いかがでしょう」

 

「まあ、今更どっちでもいいですがね・・・どうせ金は出さないとは思うけど、クレームは強く通しておいて欲しいのが私の願いですよ・・・」

 

「当然です。ウチとしても、今後このようなことが無いよう釘を刺すためにも、単にクレームだけでなく、待機保証という形で身銭を切ってもらわないと、今後もあるしちょっと腹の虫が治まらない。今回は当社がM社のアンダーに入る形になりましたが、案件により逆の立場になることも多いですし、M社に対して当社が弱い立場にいるということはまったくないので、そこは対等に交渉可能なんです。」

 

なるほど、声はまだ若そうだが、さすがは営業部長というだけあって説得力があった。

 

確かに酷い話ではあったが、冷静に考えれば上位会社に掛け合って「待機保証」まで出させるというのは、通常はあまりないはずだ。

 

これまで口先だけは達者ながら、まったく行動が伴わない営業は数多く見てきたが、このN氏は毅然とした口調を裏切らず約束通りの金額が振り込まれてきた。しかも「待機保証」という名目から、B社に出していた希望単価の半分程度と思っていたのが、金額を見ると希望単価をそのまま日割り計算した満額分が振り込まれていたから、この腹立たしい出来事の中にあって、N氏の行動は救いとなった。