さていよいよ2週後には、グランプリファイナルを迎える。
出場選手は浅田、安藤、中野の日本勢にキム(韓国)、ロシェット(カナダ)、コストナー(イタリア)という顔ぶれだ。なんと6人中、日本選手が半分の3人を占めると同時に、かつての王国・アメリカからは遂に、ファイナルに一人も出場できなかった。
優勝争いは、グランプリシリーズでともに2大会を制したキムとロシェット、さらに浅田の3人の争いになるのだろうが、現時点でキムの優位は動きそうにない(中野と安藤は、最下位争いか?)
完璧な演技をすれば、キムを上回りそうなプログラム構成を持つ浅田が、果たしてどのような演技を見せてくれるか?
ロシェットに関しては、まだまだ未知数の部分が多い(というか、ワタクシが詳しくないだけだが)。出場した2大会を制している事からも、実力はかなりのものであるのだろうが、フランス大会の得点を見る限り浅田が本来の実力を発揮すれば、負ける相手ではないと思っている。
浅田にとっての最大の脅威は、やはりキム・ヨナであろう。両者を比較した場合、スケーティングを含めた全体的な技術の高さと正確さ、また高得点につながる基本的なテクニックにおいては、キム・ヨナが勝っていることは間違いない。キムの場合は表現力でも群を抜いており、ジャンプにおいても美しさも高さの正確さも備えている。期待される浅田とは言え、エッジの使い方など基本的なスケーティングの部分にまだ課題があるのが実情であり、地道なスケーティングではまだキムに引けを取っている、と見るべきだろう。
それは、ここしばらくキムの後塵を拝していることからも、明らかだ。そんな「発展途上」の浅田がキムを負かすには、キムには真似の出来ない(ということは、勿論ほかの誰にも)ような大技を決めるしかなく、またそれが出来るだけの能力を備えているのも、世界中でひとり浅田しかいないのである。
こうして、自己分析に長けた浅田は「男子顔負けのプログラム」を仕込んで、いよいよ勝負を賭けて来た。既に完成されているキムとは違い、まだ発展途上の浅田の視野に入っているのはあくまで2年後のオリンピックであり、この新プログラムもオリンピックを見据えたものである。浅田が、この「男子顔負けの新プログラム」を完璧にこなした時が、もう誰も敵わない「最強女王の誕生」となるはずだ。
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