出典 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/
酒は元来「飯」を食べ終わってから飲むもので、最後に出された。「吸物」が出されると「酒」が出ることになっていた。これを「吸物膳」と呼ぶ。酒を出す合図が「吸物」であること。が、後に酒は飯を食べ終わってからでなく、二の膳に二の汁 (すまし汁) から盃事に移るようになった。
会席料理になると、初めから箸の上に盃を載せている。で、つゆとして「飯」に付くのは「汁」であり「酒」に付くのは
「吸物」である。最後は菓子に濃茶と薄茶、あるいは、そのどちらかが出る。濃茶は抹茶の量を薄茶より多くし、泡立てず茶筅(ちゃせん)で濃くぼってりと練って一碗を数人で飲み回す。薄茶は抹茶に湯をさし、茶筅で泡立てる。当然、濃茶に比べ味わいは淡白である。
抹茶は臼で挽いて粉末にした茶で、煎茶は煎じ汁にするが、抹茶は茶の葉を粉末にしてすべて飲んでしまう。本膳料理でも、食前に茶の菓子(干菓子、蒸し菓子)が出され、食後には一汁三菜であれば煎茶か抹茶に菓子、二汁五菜であれば濃茶に蒸し菓子、さらに薄茶に干菓子がだされる。
●干菓子(ひがし)
乾いた菓子をいう。打ち物(らくがん類)、掛物(こんペいとう類)、焼物(煎餅)があり、原則として薄茶の時に出す。
●一汁三菜の型
本膳・・・なます、汁、平、飯、香の物、焼物、取肴、吸物、酒、菓子、薄茶
「なます」は「鱠」または「膾」と書き、魚を使った時と野菜を主に使った時を区別する。和(あ)え物か酢物で、小鉢か小丼に盛る。「平(ひら)」は、煮物のこと。海、山、里のものを5種類ほど取り合わせ、平たい蓋付きの椀に盛る。
「取肴(とりざかな)」は、口取肴で箸から取る(小口から取る)肴ということであり、酒の「肴」のことをいう。肴とは、平安時代から使われている言葉で「菜(な)」は副食物のことを指す。で、酒に添える料理(酒に添える副菜)を「酒の菜」と呼び、これが訛って「酒な」、転じて「肴」となった。海の物、野の物、山の物など3~5品を盛り、一品ごとに甘いもの、酸味のもの、辛味のものなどにして重複を避ける。向こうを高く手前を低く、大きめの器に盛る。また「うま味」を上手に使うことにより、動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿、肥満防止に役立っている。
●自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつである。
季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しむ。
●正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきた。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで家族や地域の絆を深めてきた。主に前近代(江戸時代以前)から日本に存在する料理の流れを引くものを「日本料理・和食」とするのが一般的に普及している定義である。
「日本料理」と「和食」と言う言葉は、文明開化の時代に日本に入ってきた「西洋料理」や「洋食」に対応する形でできた言葉であり「日本料理」は石井泰次郎による1898年(明治31年)の『日本料理法大全』により一般化され、「和食」はそれ以降に現れたものであると見られている。
「日本料理」には、料理屋で提供される高級料理のイメージがある一方、「和食」は家庭食も含む日本食文化全体を表す言葉として、よりふさわしいとされる。日本で独自に発生した料理で、日本国外から伝来したものでなくても、近代以降に生まれたものについては和食とはみなされないものもある。
例えば「お好み焼」き等の鉄板焼き料理については、鉄板焼きという料理方法が伝統的なものではないことから、日本国内では和食とは区別されることもある。しかし鉄板焼き料理は日本独特のものであり、海外では日本料理と認識される場合がみられる(ただし、ウィキペディアの英語版の「Japanese cuisine」の項目においては「お好み焼き、たこ焼き等は伝統的な料理ではないのでwashokuには定義されない」と記述されている)
日本政府の外国向け「日本食レストラン推奨制度」では、具体的に懐石、寿司、天ぷら、うなぎ、焼き鳥、そば、うどん、丼物、その他伝統の料理を日本食としている。
「和食;日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産登録申請に関連し、日本は「和食」を料理や調理法だけでなく「いただきます」や「もったいない」といった食事という空間に付随することがらも含めた「自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習」として提案、年末年始における餅つきや御節料理、食育教育を中心にプレゼンテーションを行った。
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