2007/11/05

フィギュアスケート観戦記(2007グランプリシリーズ第二戦)

  フィギュアスケートのグランプリシリーズ第二戦・スケートカナダで、浅田真央選手が優勝した。

 

ショートプログラムでは、転倒が響いて3位と出遅れたが、得意のフリーで一気に逆転しての頂点だ。中野友加里選手も、浅田に続く2位に入った。グランプリシリーズ初戦のスケートアメリカに出場した安藤美姫選手は、転倒が響いてアメリカのK.マイズナーに敗れ、2位に終わっていた。

 

前週から始まったグランプリシリーズだが、次回の第三戦(中国杯)には日本の村主、そして韓国のキム・ヨナが登場してくる。キム・ヨナが「韓国の至宝」だと言うなら「日本の至宝」は間違いなく浅田真央である。

 

14歳で「天才少女」として華々しく登場してきた頃の、あの全身がバネのような伸びやかで華麗なジャンプや、滑るのが楽しくて仕方がないといった無邪気な天真爛漫さは蔭を顰め、最近は徐々に安全運転型になってきつつあるのは残念だが、それでもこの歳にして早くも堅実な勝ち方を憶えてきているのは、やはり優れた才能の証であろう。

 

世間的には、安藤を高く評価する勢力も根強く存在しているようだが、ワタクシの評価では浅田と安藤ではハナからモノが違うと思っている。ただし、マスコミの注目度は相変わらずバカ高いのが安藤だから、その分は浅田への負担が大きく軽減されているという点で、安藤の存在意義は大きい。

 

そうなると、問題は中野友加里選手だ。中野もそれなりにいい選手だし、一部専門家の評価などは高いのは事実だが、どうしても浅田、安藤に次ぐ「第三の女」(或いは村主に次ぐ、「第四の女」か)の印象は拭いきれず、どうにも中途半端な存在にしか見えない。演技を見ていても、或いはインタビューでもそうだが、いつも優等生的な匂いはするが、これといった面白みに決定的に欠けるのである。安定感はそれなりにあるとはいえ、それだけでは常に浅田の後塵を拝してしまうレベルであり、また酷い時は目も当てられないが、時折目の覚めるような爆発力を見せる安藤のような意外性もなく、常に及第点である(さりとて、村主のような演技力を期待できるわけでも、まったくない)

 

ここままのスタイルでは、いつまで経っても浅田、安藤の引き立て役で終わってしまいかねないだけに、どこかで殻を破って欲しいものだ。事実、スケートアメリカのフリーで、パーソナルベストを叩き出した中野だったが、その後で登場した浅田は

 

「中野に勝つには、このくらいで充分」

 

とばかりに大技を温存した、計算ずくの余裕の安全運転だった。

 

先にも触れたように「日本の至宝」浅田とは言え、世界にはキムなど強豪が犇いている事でもあり、オリンピックで勝つためには中野には安藤とともに、今後は浅田を脅かすような存在になってもらう必要があるし、中野にしても安藤同様に現状で満足はしていないはずだ。

 

三人が揃いも揃って、ワタクシと同じ愛知の出身というのはこの際関係ないが、浅田のような稀に見る天才と同時代に戦うという僥倖に恵まれた者には、そうした義務が課されてしかるべきではないのか?

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