2021/06/25

ユダヤ人(ヘブライ神話16)

ユダヤ人(ヘブライ語: יהודים、英語: Jews、ラジノ語: Djudios、イディッシュ語: ייִדן)は、ユダヤ教の信者(宗教集団)、あるいはユダヤ人を親に持つ者(血統)によって構成される宗教的民族集団である。

 

ムスリムやクリスチャンと同じで、ユダヤ人という人種・血統的民族が有る訳では無い。

 

ヨーロッパでは、19世紀中頃まで主として前者の捉え方がなされていたが、近代的国民国家が成立してからは、後者の捉え方が広まった。ハラーハーでは、ユダヤ人の母親から生まれた者、あるいは正式な手続きを経てユダヤ教に入信した者がユダヤ人であると規定されている。

 

2010年現在の調査では、全世界に1340万を超えるユダヤ人が存在する。民族独自の国家としてイスラエルがあるほか、各国に移民が生活している。ヘブライ人セム人と表記されることもある。

 

ユダヤ人はディアスポラ以降、世界各地で共同体を形成し、固有の宗教や歴史を有する少数派のエスニック集団として定着した。しかし、それらを総体的に歴史と文化を共有する一つの民族として分類することはできない。言語の面をみても、イディッシュ語の話者もいればラディーノ語の話者もいる。歴史的にはユダヤ人とはユダヤ教徒のことであったが、現状では国籍、言語、人種の枠を超え、一つの尺度だけでは定義しえない文化的集団としか言いようのないものとなっている。

 

定義

ユダヤ人は、ユダヤ教を信仰する人々である」という定義は古代・中世にはあてはまるが、近代以降ではユダヤ教徒の家系でキリスト教に改宗した人々(例えばフェリックス・メンデルスゾーン、グスタフ・マーラー、ハインリヒ・ハイネ、ベンジャミン・ディズレーリ)や無神論者の人々(例えばジークムント・フロイト、カール・マルクスなど)も「ユダヤ人」とみなされることが多い。なお、イスラエル国内において、ユダヤ教を信仰していない者は「Israeli(イスラエル人)」である。

 

帰還法は「ユダヤ人の母から産まれた者、もしくはユダヤ教に改宗し他の宗教を一切信じない者」をユダヤ人と定義している。また、ユダヤ人社会内やイスラエル国内においては、「ユダヤ人の母を持つ者」をユダヤ人と呼ぶのに対し、ヨーロッパなどでは、母親がユダヤ人でなくともユダヤ人の血統を持った者(たとえば母親が非ユダヤ人で、父親がユダヤ人という場合)もユダヤ人として扱うことが多い。

 

11世紀の翻訳書

過去の人種学では、ユダヤ人という人種が存在しているという考え方もあった。ゴビノーはアラブ人とユダヤ人を併せてセム人種と呼び、これを白人の中でも他人種との混血度の高い二級集団と断じた。ナチズムはユダヤ人を人種として扱っているが、帝国市民法第一施行令による分類では、形式的にユダヤ教組織に属した人間も「人種としてのユダヤ人」になるとされた。

 

こうした見方からは、ユダヤ人特有の外見の特徴が存在するとされ、これに基づいた差別的検査も行われていた。しかし、ユダヤ人を身体的形質によって他と区別しうる集団として捉えることはできず、すでに白人のみならず多数の黒人がともにユダヤ人として認められている。

 

現代社会では、ユダヤ人はおおむね居住地の他の住民と同化しており、これを血統主義的観点からのみ区分することはできない。そのため、ユダヤ人のハーフとかクオーターとかいう形容は、まず用いられない。ドイツの文芸評論家マルセル・ライヒ=ラニツキは、自伝『わがユダヤ、ドイツ、ポーランド』(柏書房)の中で「私は、半分のポーランド人、半分のドイツ人、そして丸ごとのユダヤ人だ」と冗談めかした言い方で、このあたりの機微を突いている。

 

大澤武男は「歴史的な見地から「ユダヤ人」をユダヤ教を信じる人々と規定するなら「ユダヤ教徒」と呼ぶべきであり、単に「ユダヤ人」と呼称するのは適当ではない」とし、ユダヤ人を人種や民族と規定する見方は、19世紀以降のナショナリズム、社会進化論、反ユダヤ主義の産物であり、また国籍を示す用語でもないという。

 

ユダヤ人」は、キリスト教文化圏では一種の宗教的差別概念、また少数派、無国籍放浪者としての社会的差別概念を含む言葉として用いられてきた。現在、イスラエル人やユダヤ教徒、またはユダヤ教がもたらした伝統や文化を堅持している人々を指して、ユダヤ人と呼ぶとする。

 

内田樹は、英語であれば "Jew" "Jewish" の一語で表せるが、日本語ではたんに「ユダヤ」とは呼ばず、その後に「〜人」「〜民族」「〜教徒」とつけて呼び習わしているが、「教徒」では宗教的な意味合いだけで考慮されることが多く、「〜人」「〜民族」という表現から(民族と人種の概念を混同して)「ユダヤ人」がひとつの「人種」であるという誤った印象を受けてしまう人もいるが、実際にはユダヤ人と他の民族集団とを区別しうる有意な人種的特徴はないという。

 

「○○ユダヤ人」

この節の加筆が望まれています。

 

・同化ユダヤ人 - 全世界に散らばり、現地に“同化”した状態のユダヤ人。ユダヤ教以外の宗教を信仰する、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)以外で結婚式を挙げる、非ユダヤ人と結婚する、等。

 

・両属性ユダヤ人 - ユダヤ教に興味が無い、または無神論者でユダヤ教の生活習慣に従わないため、ユダヤ人からは「非ユダヤ人」と見なされるが、ユダヤのアイデンティティーを強く持っているユダヤ人。ユダヤ人と非ユダヤ人の境界線上にあるユダヤ人。

 

・東欧系ユダヤ人(アシュケナジム) - ユダヤ系のディアスポラのうちドイツ語圏や東欧諸国などに定住した人々、およびその子孫。言語はイディッシュ語(ユダヤドイツ語)。

 

・西方ユダヤ人 - フランスやドイツ語圏に居住し、イディッシュ語を話すアシュケナジム。

 

・東方ユダヤ人 - 非ドイツ語圏に居住し、イディッシュ語を話すアシュケナジム。

 

・スペイン系ユダヤ人(セファルディム) - ユダヤ系のディアスポラのうち、主にスペイン・ポルトガルまたはイタリア、トルコなどの南欧諸国に15世紀前後に定住した人々、およびその子孫。言語はラディーノ語(ユダヤスペイン語)。


ナチズムによる定義

 ・ユダヤ人 - 両親・祖父母のうち、一人でもユダヤ教を信仰したことがある人。非アーリア人。

 

・完全ユダヤ人 - 祖父母のうち、3人以上が「人種上の全ユダヤ人」である人。信仰に依らない。

 

・非ユダヤ教徒ユダヤ人 - ユダヤ人と婚姻していた人。

 出典 Wikipedia

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