2006/07/06

準決勝(サッカーW杯2006ドイツ大会)(6)

 W杯サッカーは準決勝が行われた。

最初の試合は、ともにブラジル(5度)に次ぐ3度の優勝を誇る、強豪同士の激突だ。戦前から、優勝候補の一角に挙げられていたイタリアに対し、前評判は決して高くなかったドイツだったが、グループリーグの組み合わせに恵まれた事に加え、地元の大声援の後押しもあって一戦ごとに勢いを増して来ていただけに、イタリアとしても決して油断は出来ない。

その勢いを象徴するかのように、この試合もツキにも恵まれて互角に近い戦いを展開した。準々決勝のドイツvsアルゼンチン戦のような息詰まる展開のまま、またしても0-0のまま延長に縺れ込む。

延長に入ってからも、両チームともに再三の得点チャンスを活かせないまま、後半14分過ぎに突入。

(またもやPK決着か・・・なんとか勝負をつけて欲しいものだが・・・)

と願っていた終了間際、流れるような連携から遂に鮮やかなゴールが生まれ、イタリアが先制した。この119分過ぎのゴールに沸く余韻もまだ覚めやらぬロスタイムに、さらに追加のゴールが生まれ、2-0でイタリアが劇的な勝利を収めた。

勢いだけでなく、力強さを増して来た組織力でなんとか互角に渡り合ったドイツだが、最後はやはりイタリアの質の高い個人技が決着を着けた形だ。イタリアは、決勝トーナメント1回戦のオーストラリア戦と同様、終了間際に鮮やかな決定力を披露する事になった。

次いで個人技に長けたポルトガルと、老獪な総合力のフランスの対決と注目された試合だったが、ポルトガルの高い個人技が発揮されたのは前半の途中まで。前半の半ば過ぎ辺りからは、優勝経験のあるベテランを揃えたフランスの老獪な組織力に抑え込まれたポルトガルは、決定的なチャンスを作る事が出来ずに初の決勝進出の夢を果たす事なく終わってしまった。

スペイン戦前に起きた、フランス選手に対する人種差別騒動は大会途中から大きなテーマとなったが、確かに予備知識のないままで見ると「どこのチームだっけ?」と思えてしまうくらいに、この試合に限らず黒人選手の活躍が目を惹くのがフランス代表チームである。

それはともかくとして、準決勝の2試合はスコアを見ても内容的にも僅差の好ゲームと言えたが、勝ったイタリアとフランスはともに「非常に成熟した、完成度の高いチーム」であり、それに比べドイツとポルトガルの両チームにも光るところはあったものの、やはり決め手に欠けていたのは確かである。

さて、いよいよ決勝だ(その前に3位決定戦があるが、かねてから不要論者のワタクシは、これには触れない)

イタリアvsフランス

上でも触れたように、ともに高度な個々人の技術と組織力を兼ね備えた完成度の高いチーム同士の対決だけに、実力差は殆んどないと思われる。敢えて無理に予想するなら、選手個々の力量で僅かにイタリアが上回っている気がするが、時の運もあるしこればかりはやってみなければわからない。

いずれにせよ、決勝戦に相応しい好勝負になる事は間違いなさそうだが、どちらに軍配が上がるにせよ、決勝戦だけに「PK決着」だけは御免蒙りたい。

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