フィギュアスケートのグランプリ・シリーズ(以下、GPシリーズと記載)第四戦・フランス杯で、浅田真央選手が優勝した。浅田は、二週前のスケートカナダでも優勝しており、これで早々にGPファイナルの出場権を手中にした。
注目されたトリプルアクセルは失敗したものの、初戦のスケートアメリカで安藤を破って優勝し、今回はライバルと目されていたK.マイズナーに大差を付け、文句なしの優勝だ。
ここまでの四戦の優勝者は、以下の通りである。
第1戦 K.マイズナー(2位・安藤美姫)
第2戦 浅田真央(2位・中野友加里)
第3戦 キム・ヨナ(4位・村主章枝)
第4戦 浅田真央(2位・K.マイズナー)
第5戦 キム・ヨナ(2位・中野友加里)
第6戦 K.コストナー(4位・安藤美姫)
ここまで見る限り、やはり浅田とキムの力が一頭地を抜いている感が強い。天性の技術力に加え、ここへ来て大人の表現力をも身に付け、スケーティングの幅を広げつつある浅田だが、一方のキムも持ち前のしなやかな表現力にさらに磨きを掛けて、一歩も譲らない。
一時は、浅田の強力なライバルになるかと目されていたK.マイズナーは、ここまで見る限りやや伸び悩んでいるようであり、中野らの第二グループに吸収されつつある。このままいけば年末のGPファイナルは、浅田とキムの一騎打ちになるだろう。
高度な技術の浅田と、美しい表現力のキムというまったく対照的な二人であり、ジュニア時代から競ってきた両者だが、現時点ではどちらが上か下かわからない。気になるのは、一昨年辺りまでは滅多に涙を見せる事のなかった浅田が、今年は競技後のインタビューで涙をよく見せる事だ。
これまでは面白いように技が決まり、怖いもの知らずにひたすらにスケートを楽しんで来たような浅田だったが、体型の変化などもあってか初めての壁に直面していたようだったが、早くもそれを乗り越えてひと皮向けた感がある。
ともに17歳と歳は若いが、悪い時でも決して安藤のように、ガタガタに大崩れをする事のない安定感抜群の浅田であり、取りこぼしの少なさはキムもまた同じだ。GPファイナルの得点を見ても、現時点では完成度の高いキムがやや上回っているようだが、その分だけ浅田にはまだまだ、大きな伸びシロがあるともいえるだろう。
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