プロ野球のクライマックス・シリーズ(CS)が終わり、日本シリーズは「中日ドラゴンズvsソフトバンク・ホークス」に決まった。2位ヤクルトと「2.5差」、3位巨人と「3.5差」のセリーグはともかく、パリーグの方は2位の日本ハムに「17.5差」、3位の西武には「20.5差」という天文学的な大差を付けたソフトバンクが、CSで負けるようなことがあっては目も当てられなかった。
シーズン成績「88勝46敗」と貯金が実に「42」のソフトバンクに対し、西武は「68勝67敗」と貯金はたったの「1」だ。西武はトップのソフトバンクから「20.5差」も離されており、むしろ最下位のロッテと「13.0差」だから、最下位の方が遥かに近いヘボチームである。 ソフトバンクとの「20.5差」を考えれば、例えば「アウェーで10戦10勝」くらいのアドバンテージでもまだ少ないくらいなのに、現実のアドバンテージはたったの「1」である。
これくらいはたまたま怪我人が出たり、その時の調子如何でどうにでも転ぶ。実際、過去にそのような「インチキ優勝」で日本一を浚って行った「前科」もある西武であり、またシーズンを制しながらCSのバカゲタ制度に何度も泣かされてきたのがソフトバンクだ。となると「144試合ものシーズンで、真の実力を競う意味はなんだ?」ということになる。
「興行として、CS制度が必要」だと言うのであれば、サッカーの天皇杯のようにレギュラーシーズンや日本シリーズとは切り離した、トーナメント形式の「冠大会」にすれば良いではないか。幸いにも、今年は両リーグとも順当にシーズンを制した両チームが日本シリーズでぶつかることになった。
正直なところ、この両チームを比較すれば実力差は歴然と思われる。なにしろ、中日は打てない。シーズンのチーム打率「228」は12球団ワーストで、1試合平均の得点も「3点以下」という貧打ぶりである。目を覆うばかりの貧打はCSを見ても明らかで、セだから誤魔化しながらでもなんとか優勝できたが、セのどのチームよりも遥かに投手力が充実しているソフトバンクが相手では、精々2点を取るのがやっとだろう。
対するソフトバンクの打線は、これはセのチームとは比較にならないくらいに強力であることは間違いなく、セでは最も強力とされる中日投手陣とはいえ通用するかどうか疑問である。なにより、セよりはレベルが高いパで「88勝46敗」という驚異的な勝率を残していることから見ても、その戦力の充実振りはずば抜けていると見てよい。順当なら中日はひとつでも勝てれば御の字で、ソフトバンクが4連勝してもおかしくないくらい力の差があると思うが、どう転ぶか解らないのが短期決戦だけに好勝負に期待したいものである。
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