(敢えて、こちらから声を掛ける必要はあるまい・・・)
と、こちらも知らぬ顔を決め込んでいた ( ´-)y-~~
I氏が知らぬ顔を決め込もうが、PMが出てこなかろうが、こっちは要請にしたがってわざわざ無給で出勤してやったのだから、後は予定通り12時が来たら粛々と手続きを終えて退散することに変わりはない。こちらとしては、それで爪の先ほども困ることはないのだ。
そうこうしているうちに、11時が過ぎたがPMはまだ来ない。あれ以来メールも来ていないから、何時に出てくるかも皆目解らなかったが
(この分では、午前中は来ないだろう・・・)
と確信した。と言うよりは、前日まであれだけピンピンして怒鳴り散らしていたあのPMが、この日に限って「体調不良」と言うこと自体、最初から信じてはいなかった。
11時半になった。
I氏は無視して黙って帰ろうと思ったが、これをネタに後で
(引継ぎも挨拶もなく、知らぬ間に消えていました・・・)
などと揚げ足を足られては堪らないから、気は進まないが仕方なくI氏に声を掛けると
「今、忙しくて、手が離せない・・・」
と、オーバーに顔を顰めた。
「12時になったら、ここを出ないといけないので・・・5分で終わりますが」
「わかりました・・・」
「向こうの打ち合わせスペースに居ますよ」
と先に行って待っていると、たっぷり10分以上は待たされた挙句、さも大儀そうにI氏がやって来た (-ω-#)y-~~~~
「U氏から聞いていると思いますが、私は今日が最後になりましたので。今日は午後から面接があるので、午前中に退出手続きをして退場します」
「そうですか・・・自分は、まったく聞いてないですが・・・」
と、I氏は惚けた。I氏は、U氏の腹心のような存在だ。タバコを吸うのもいつも一緒に行っているくらいで、業務も任せている状態だったから聞いていないというのは絶対にありえず、狡猾なI氏らしいお惚けだった。
最後はPMとの関係が悪化して、連日怒鳴りあうまでの泥沼になっていたが、元をただせば「首魁」はこのI氏のハズであった。PMは、この狡猾なI氏に騙された「傀儡」に過ぎないともいえたが、激情的なPMとは違ってI氏の方は常にクールなタイプだったから、こいつが首魁とは充分にわかっていながら、最後まで怒鳴りあいのような泥沼に発展はしなかった。こういうところにも、首魁たるI氏の「狡猾さ」が看て取れた。
「今日の午前中で終わりと言うことは、会社間でU氏にも話がついています。今日はUさんが来てないようなので、代わりにIさんに話しておきますが、残作業の引継ぎというものは、これまで定例会などに一緒に出てもらって情報共有してきた通りで、それ以外はなにもないです。一応、必要と思われるデータは、全てサーバの所定の場所に格納してあります。PCのデータについては、担当に聞いたら向こうでやるのでそのままでいいということでしたが、念のため全部消去おきました。では今から退場手続きをして、そのまま退出します」
「わかりました・・・」
「業務の引継ぎはない認識ですが、なにか質問とかありますか?」
「いや、特にありません・・・」
「なければ、後は手続きをして退出しますが」
「わかりました・・・」
「じゃあ、Uさんが出てきていないようなので・・・」
と、精一杯に皮肉を籠め
「引継ぎの話もIさんにしたことを含めて、全て処理が完了して午前中で滞りなく退場したと、Uさんにお伝えください」
「わかりました・・・伝えておきます・・・」
と「引継ぎ」は、実に呆気なく完了した。
その後、総務の手続きを済ませて退出すると、所属のS社長に電話をして状況を伝えた。
「はあ、PMは出てこなかったんですか・・・体調不良か・・・」
「逃げたんでしょう。出てこようが来まいが、私の知ったこっちゃないですが。こっちは粛々と手続きを終えましたので、これにて失礼 εεεεεヾ(*´ー`)ノ トンズラッ
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