「結果としてですが・・・話を持ってきたN社ではなく、上の会社とやるというのは後味が悪いというか・・・」
「いや、それは違いますな。最初に話を持ってきたN社とは条件が合わずに断わったのだから、その時点でN社の案件としては消滅しています」
「確かに・・・」
「で、新たにうちの案件として、ウチからオファーを出した。それは、面接をした元請から『是非とも』と要請を受けてのもので、これは新しい依頼です。だから前回とは別ルートで、別案件と思ってもらえばいいのではないですか?」
当然ながら、エンジニアとしては紹介元の会社を飛び越して上の会社と直接取引をすることは「ルール違反」、あるいは「仁義に反する」と言える。
が、この場合は、こちらから持ちかけたわけではない。純粋に「条件が合わずに断わった」ら「別の会社から、新たなお誘いが来た」ということもできる。
こうしたケースはよくあることで、特にX社くらいの大規模プロジェクトになると、あちこちに声をかけているから、Aルートでは書類選考でNGとなったのに、別のBルートから面接依頼が来るようなことも珍しくはない。
そうとでも考えなければ、たとえばX社の仕事をやりたい場合は、N社の営業が搾取した不当に低い単金で我慢してやらなければならないという、なんともおかしな話になるのである。
そうしてA社から提示された額は、時給でなんとN社を1000円近くも上回っていた!
仮に月200時間働けば、20万の増額となるのである。
「それだと希望金額と比べても多すぎるから、xxxxくらいで結構ですが」
と、時給で500円アップで良いと言ったものの
「いやいや・・・一度出したものを引っ込めるわけにはいかないよ。是非、この条件を吞んで欲しい」
ということで、過去最高の破格契約となったのである。
今は当時よりもベース給与が上がっているから、前回ほどの上り幅は望むべくもないが、それでもかなりの額はアップすることは間違いなかった。
こうして数年前までは、面接に行ってもなかなかOKの出なかった携帯キャリア3社のうち2社から、面接の場で
「持ち帰ってなんてことは言いません・・・ぜひ、この場でお願いしたい・・・」
と、熱烈歓迎を受けるという誤算が重なった。
(11月はしばらくのんびり紅葉見物でもしながら、ゆっくり仕事を探そう・・・)
などと考えていたのが、両社ともに
「11月1日から出て欲しい」
という、矢のような催促だ。
土曜に品川で面接をした元請の部長には
「前回は実作業と聞きましたので辞退しましたが・・・あくまでマネージメント希望と伝えましたし、今もそれは変わりませんが」
と伝えると
「マネージメントをやっていただきます・・・ただ、どうしても忙しい時は、実作業をやってもらうこともあるかもしれません・・・」
「いや、実作業はやりたくない」
「わかりました・・・では、実作業は私がやりましょう」
ポジションや業務内容的にはどちらも似たようなものだが、単価はK社長が多く抜いているK社案件よりD社案件がかなり上になった。また立地的にもK社案件は神奈川と遠いが、D社案件は赤坂だから通勤時間は僅か30分程度と近く、朝も9時半出社だから楽である。またD社案件は、元請から再三に渡ってラブコールを受けていたし、元請の部長とも2度話をして
「実作業はやりたくない」
という本音もハッキリぶつけているから、あらゆる点から見てD社案件を選ぶのが妥当だった。
現場では、元請会社のリーダーから
「途中で抜けるんなら、12月分までの仕事を全部片付けて行ってからにしてくれよ!」
と無理を承知の無茶ぶりをされたが、こうなれば意地だ。
周辺の席にいる暇そうなメンバー数名を総動員し、12月分までの仕事をすべて完了させたから、相手も仕方なく納得するしかなくなった。
(これで、大手を振って辞められる)
急転直下により、温泉に浸かりながらのんびりする青写真は潰えてしまったが・・・
そんな中、この日は受診できていなかった眼科健診を受け、先日の健診に続き異常なしの診断を貰い、いよいよ「戦闘準備」は整った (≧Д≦)ノ オー!!
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