同じK社長から、次に舞い込んで来たのは携帯キャリアの案件だ。
前回しつこく誘ってきていたのとは別の、ライバル関係にあるキャリアである。スマホやLTEなどの需要増の関係から、携帯キャリアの求人はあちこちから来ていた。
これはK社長がしっかりと伝えてくれたようで、得意のマネージメントに特化したPM案件だった。ようやく方向性にマッチする案件だったこともあり、面接で大風呂敷を広げてみせると、即座に
「ぜひ、お願いしたい」
と、その場で金額提示も含めた即答があった。
この日は金曜だったが
「月曜の午前中までに返事を下さい」
とのことだ。
大手キャリアのPM、そして条件も悪くなく内容的に文句はない。ただ気になるのが、現場がやや遠いことだった。あとは、常々
「うちは薄利多売だから・・・」
と口にしていたK社長が、どの程度の額を提示してくるかだったが、K社長の提示してきた額は驚くほど下がっていた!
(こんなに抜いていたのか・・・これの、どこが「薄利多売」だ!
ということは以前の仕事の時も、こんなに抜いていたのかよ、チクショーめ!)
と激怒したタイミングで、例のもうひとつの携帯キャリアの案件が再度復活してきたのである。
「今の現場は10月で終わりと聞いていましたが・・・例の携帯キャリアの件で、またラブコールがありましたよ・・・その後の状況は、いかがですか?」
と聞かれた。
以前にも書いたように、この件については現場が1か月延長が決まった時に
「1か月も先まで待てないと言っている」
と言ってきたため
「別に待ってもらう必要はない。そもそもあの件は面接後に辞退したので、自分の選択肢にはない」
と宣言していた。
その後も、このT社長からは幾つか別件の紹介があったが、どれもがイマイチだった。
ところが、延長した「1か月」が終わりに近づいたタイミングで
「またしてもラブコールが来まして・・・11月からでも是非にということで、なにせこっちはすでにOKが出ているのだから、あとはにゃべさん次第で11月から即決まりの話です・・・」
ということだ。
とはいえ、前回の面接時とはポジションや役割がまったく異なるわけだから、怪しい部分もあった。
「前回面接で聞いた内容とあまりにもかけ離れているので、もう一度話を聞いてみないことには・・・」
と伝える。
「それ以前に、あれから色々とお誘いがあって、かなり状況も変わっているのが現状です。今日も午前中に面接に行った携帯キャリアから、その場でOKが出たし・・・」
「それで・・・そっちの方は、どうでしたか?」
「正直、どうしようか迷っているところですが、月曜の午前中までに回答しないといけないので」
と告げると
「では、こちらの方も早急に面接の設定を」
と大慌てて電話を切ると、土曜の面接を設定してきた。
ところでX社の案件と言えば、4年前に関わったことがある。その時は、次のような経緯があった。
この時は、最初に話を持ってきた営業が怪しいヤツで、かなりの金額を抜いていたため条件が合わず辞退した。
ところが、その後に上の会社から
「面接をした元請から是非と言われていて、断ったら自分の顔が潰れるから、考え直してくれないか」
と請われた。
「内容としては自分も興味はあるが、単価が合わなかったので・・・」
と伝えると
「そんな気がしていましたよ。それに関して、ぜひとも相談したい・・・」
と、新宿に呼ばれる。
中村屋のカレーバイキングをご馳走になり、さて本題に入った。
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