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第1の難行「ネメアの獅子退治」
この獅子は、怪物テュポンから生まれた「不死身の怪物獅子」であった。ヘラクレスは、弓矢や刀が役にたたないので棍棒で戦い、首を絞めて失神させ、その皮を剥いで終生それを身につけることになる。この獅子の皮を被り、棍棒を持つのがヘラクレスの姿となる。
獅子を担いでミケーネに凱旋する。命令者エウリュステウスは、これを見て肝を潰してしまい、これ以降彼が町の中に入ってくるのを許さず、しかも青銅の大きな壺を用意して地中に埋め、ヘラクレスが帰ってきたと聞くと、その中に隠れるようにした。
第2の難行「レルナのヒュドラ(水蛇)退治」
第2の難題は、レルナの沼に棲む巨大な「水蛇ヒュドラ」を退治すること。このヒュドラは九つの頭を持ち、しかも真ん中の頭は不死であった。残りの八つにしても簡単には滅びず、一つの頭が潰されると、そこから二つの頭が生えてくるといった代物で、それに加えて猛毒を持っていた。
ヘラクレスは、兄弟のイピクレスの息子である甥のイオラオスを伴う。ヘラクレスは、そのヒュドラの頭を棍棒でたたきつぶすが、次から次と頭が生えてきてしまう。
しかも、一匹の巨大な蟹が出てきて、ヘラクレスの足を挟んでヒュドラを助けようとする。ヘラクレスは、これを踏みつぶす。
ヒュドラは大敵で、やむなくヘラクレスはイオラオスに助けを求め、イオラオスは森に火を付け燃えさかる火を以てヒュドラの頭を焼き、新たな頭が生え出てくるのを阻止した。
ヘラクレスは、中央の不死の頭は切り落として地中の埋め、その上に重い岩を置いて出てこれないようにして、こうしてやっとヒュドラを退治する。
その時、ヘラクレスは自分の矢が無敵になるように、このヒュドラの流した血にそれを浸し毒矢にしてしまう。
一方、エウリュステウスは、これを難題の完遂とは認めなかった。イオラオスの助けを受けていたからである。
第3の難行「ケリュネイアの鹿の生け捕り」
第3の難題は怪獣退治ではなく、むしろ聖なる獣を捕らえることであった。エウリュステウスの命令は、ケリュネイアの鹿を捕らえることだったが、この鹿は黄金の角を持ち、女神アルテミスに捧げられていたものだった。
ヘラクレスは、それを傷つけることはできない。やむなく、ヘラクレスは一年間も後を追って隙を狙い、河を渡ろうとしているところを弓で射て追い込んで、やっと生け捕りにする。
運んでいく途中、たまたま女神アルテミスと神アポロンに出会って、アルテミスにその行いを責められるが、ヘラクレスはこれがエウリュステウスの命令であり、罪は彼の方にあることを説明して許してもらい、やっとミケーネに持ち運ぶことができた。
第4の難行「エリュマントスの猪狩り」
第4の難行は、またしても動物狩りで相手は猪だったが、これは前の三つに比べるとヘラクレスにとっては、いとも簡単な仕事であった。猪を追い出し、深い雪の中に追い込んで動けなくして、何なく捕まえてしまう。
ただ、それは良かったのだが、途中でケンタウロスのケイロンとポロスとに出会い、彼らを殺してしまうという事件を起こし、これは別の物語に展開する。
第5の難行「アウゲイアスの家畜の糞掃除」
第5の難行は、家畜の糞掃除というものであった。アウゲイアスというエリス地方(オリュンピアの西方地方)の王が巨万の家畜を持っていて、その家畜小屋には巨大な糞がうず高く積もっていた。これを、たった一日で掃除してこい、というのが命令であった。
ヘラクレスは家畜小屋に沿って流れている河を利用し、その水を導入して一気にその糞を押し流してしまった。
ヘラクレスは、エウリュステウスの命令であることは隠して、上手くいったら家畜の十分の一を貰いたいと持ちかけ、できっこないと高をくくった王と約束を交わして、この仕事にかかっていた。
ところが、これがエウリュステウスの命令であったということがバレて、アウゲイアスは報酬をあげることを拒否してくる。しかし、王の息子であったピュレウスが、約束は約束であるといって父を非難してきて、結局二人ともこの地を追われるということになってしまう。
一方、エウリュステウスは、自分の命令通りではなかったとして、これも成功とは認めなかったとなる。
第6の難行「ステュンパロスの鳥を追い払うこと」
コリントスから西に行ったところにステュンパロスというところがあり、そこは鬱蒼とした森と湖があった。そこには何万という鳥が巣食っていて人畜に被害を与えていたので、その鳥を追い払えという命令がなされた。
ヘラクレスはそこに出かけたが、今度ばかりはどう手をつけていいか分からず、途方に暮れてしまう。そこに女神アテネが現れ、神ヘパイストスがつくったというガラガラを与えてくれ、それを近くの山から鳴り響かせ鳥を追い払った。
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