2010/07/12

決勝戦(サッカーW杯2010南アフリカ大会)(7)


サッカーのW杯が終わった。

 

(せめて決勝戦だけは、PK決着にならない事を願う)

 

と書いたが、結果的にはその「最悪の結末」となりそうな緊迫した展開の末、延長後半ギリギリのところでようやく決着が付いた。選手個々の力量を比較して「スペインが若干有利」と予想したが、内容的にはどちらが優勝でもおかしくないような、ヨーロッパの文化が薫るような見応えのある攻防が展開された末、最後にスペインが底力を見せた形だ。

 

ともあれ、スペインはようやくにして待望の初優勝となり、また8カ国目の栄冠である。過去に「無敵艦隊」として、毎回のように優勝候補に挙げられながら、W杯ではあまりパッとした結果を残せなかった理由は、やはりよく言われた通り「モザイク国家」と言うところに理由があるのだろう。マドリードとバルセロナ、さらにはバスクなど言語や宗教、或いは文化の異なる複数の地域が、あたかもモザイクのように同居しているのがスペインという国だ。特に首都のマドリードと、第二の都市バルセロナのあるカタルーニャは、犬猿の仲で知られる。

 

国家全体としては常に優秀な選手が揃っているのだが、時の監督が自分と同じ地方の選手ばかりを選び、たとえ他地域に優秀な選手がいても代表に選出しないなど、地域間の対立が根深くあった。そうした中、これまでにも増して一層期待の大きかった今大会は、予選リーグ緒戦でスイスにまさかの敗戦を喫するところから始まり、またしても期待外れに終わるかと心配されたが、苦しみながらなんとか予選を突破。決勝トーナメントでは4試合総て「1-0」と、期待されたような圧倒的な強さは最後まで観ることは出来なかったものの、それでも「W杯初優勝」という結果を出したのはさすがというべきか。

0 件のコメント:

コメントを投稿