ワタクシはこれまで大きな病気は一度もした事がなく、風邪もあまり引かない体質だ(年に一度、あるかないか程度か)
そんなワタクシのところにも、かつて「xx医薬品」という置き薬の営業マンがやってきた。
「風邪も滅多に引かないから、そういうのはまったく要らないよ」
と即座に断ると
「置いていただくだけで結構です。ずっと置いたままで、使わなければ無料ですから」
と若い営業マンは、手を合わせんばかりにして熱心に食い下がった。横柄なヤツには徹底的に反発したくなるが、こういった腰の低い若い相手には案外と寛大なのである (^。^)y-。oO
実は面倒になったというのが真相だが、真面目そうな相手が少し気の毒にもなり
「別に置いておくのはいーけど、まずひとつも使うことはないし、ウチなんぞに置くメリットはまったくないけど」
「いえいえ・・もう、置いてくださるだけで結構ですから、ハイ」
といった経緯を経て、不要な置き薬の山が置かれることになった。
とはいえ、冒頭にも書いた通り滅多に風邪を引かない上に、たまに引いても定価の置き薬よりは近所の安いドラッグストアで買ってしまう。遂には、数年間手付かずで埃を被ったまま一度も使う事のないままに、営業マンが回収に来た時には、その存在さえ忘れていた。
ところで薬局へ風邪薬を買いに行けば、ご存じの通り棚狭しと各メーカーの薬がズラリと並んでいる。
(この中の、一体どれが良く効くのかいな・・・?)
などと迷いながら見ていると、まだ坊ちゃんのような童顔の薬剤師が出てきた。
「やあ、風邪ですか?」
「ああ・・・薬にも、随分と色んなのがあるんだね。安いのは700円で、高いのは2000円か・・・同じ量でも随分値段が違うようだが、高い方が良く効くってわけでもないんだよね?」
と訊くと
「それは、あまり関係ないですよ・・・」
「じゃあ、実際のところどれが効くんだ?」
「う~ん・・・実際には、あまり違いはないかな・・・」
「だったら、この値段の違いはなんで?
随分と差があるじゃん?」
と考える間を与えずに一気に畳み掛けると、若い薬剤師君は周囲に客の姿のない事を確認してから、おもむろに話を始めた。
「実は・・・ここだけのブッチャケですが、中身はどれも殆んど変わりません。 成分表とか、良く見てもらえればわかるんですけどね。メーカーは沢山ありますが、実際に作っている工場は幾つもないですから、殆んど同じところで作られたものなんですよ、これらは。
ですから値段の差は、会社の知名度とか宣伝費が上乗せしてあるだけなんでして・・・まあ本当のところは無名の700円のでも、タイショーやタケダも正味は変わらないんですよ。本当は薬剤師のボクが、こんなこと言ったらダメなんですけどね、ハハハハ」
というわけで、皆さんもお金に詰まっている時に風邪を引いたら、迷わず一番安い薬を買いましょう。
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