《数多くの職業があるこの世の中、どういったお仕事がお給料が高いのでしょう。パイロットや大学の教授などは、かなり高いですね。勿論、一流のプロスポーツ選手やクリエイターも高いでしょう。民間企業の社長など、地位が高ければその分、年収も高い筈です。その中に、歯科医も含まれるでしょう。
歯科医の平均年収は、900万円を超えています。これは様々な職業の中でも、トップクラスの数字です。かなり高い数字と言えるでしょう。当然難しい職業ですが、それに見合うだけの報酬があるということです。ただ、この数字を額面通りに受け取れない現状というのも、存在しています》
《医師不足に悩む産科や小児科とは逆に、数が多過ぎて問題となっているのが歯科医です。過当競争に晒された現在では、歯科医は「最も稼げない医者」に成り下がってしまいました。
ある情報によると「歯科医の5人に1人は、年収300万円未満」という、驚きの調査結果が掲載されています。低年収となる原因は明らかで、歯科大学および医学部歯学科の乱立による供給過多です。
歯科医は、歯科医師国家試験に合格する(つまり歯学科や歯科大学を卒業するのが前提)必要があり、通常の医師国家試験とは完全に別のシステムです。通常の医学部生は、内科・外科・小児科などの一通り全ての診療科に関する医術を学びますが、歯学部は歯医者以外の勉強はしない為、通常の医者のように診療科を変更するなどの、いわゆる「ツブシ」が利きません。歯科医師国家試験に合格した人は、歯科医になるか医者そのものを辞めるかしか選択肢が無いのです。
そして歯科大学側も、供給過多を助長している入学枠を縮小できない事情があります。元々、生徒数が少ない学科で、その分を1人あたり3~5千万円(6年間)という高額な授業料で賄っているのが現状です。入学定員を数人減らすだけでも、学校にとっては数億円単位の減収となる為、定員削減などできないというのです。新規参入の歯科医を少しでも抑制すべく、厚生労働省は歯科医師国家試験の難易度を上げて、合格者を減らすなどの対策を取っていますが、その程度ではとても供給過多を抑制できるものではありません》
《歯医者は人の命に関わるようなことも、夜間や休日の急患も基本的にありませんから、他と比べると相当楽な診療科です。ゆえに医者を目指す学生達から、相変わらず高い人気を取り続けています。しかし受験を考える前に、このような歯科医の厳しい現実も知っておくべきでしょう。無論、厳しい競争を生き抜いていく方法も色々と模索され始めています》
《医者といえば「高給取り」の代名詞のように見られていますが、実際に日本の医師たちはどの位の給料を貰っているのでしょうか?
人事院の調査によると、勤務医の平均月収は約86万円(平均年齢38歳)となっています。ボーナス抜きで考えたとしても、年収は1千万円を超える計算です。同年代のサラリーマンの平均月収が40万円強である事を考えると、かなりの高収入であると言えますね。また厚生労働省の調査では、医師(勤務医)の平均年収は1228万円との試算です。
やはりどう少なく見積もっても、医者は年収1千万円以上の高給取りな職業である事に間違いは無いでしょう。これが開業医ともなると、月収は250万円という試算もあります。医者の世界は常に新しい医療技術を学ばなければならず、一生涯勉強し通しの世界です。しかし、その苦労に見合った報酬は十二分に得られる世界でもあります。
「歯科医といえば高収入」そのようなイメージを持っている人も多いだろう。かつては開業歯科医の年収は2000~3000万円とも言われ、愛車はメルセデス・ベンツが相場と決まっていた。しかし現在は、事情が変わってきている。それというのも歯科医師の数が増えすぎて、供給過多になっているのだ。
今、日本中の歯科医院の数は、7万件にのぼる。どこにでもあるように感じるコンビニエンスストアの数でさえ約4万件というから、倍近い数の歯科医院がどれほど多く乱立しているか窺い知れるはずだ。
歯科医の診療報酬は殆どが保険点数で料金が規定されており、保険の利かない自費診療の分野にしても、医院間で大きく差をつけるわけにもいかない。そのような中、競争激化により治療技術やサービスで他院との差別化に遅れ、廃業する歯科医院が後を絶たない。とくに都市部は競争が激しく、東京23区内では歯科医院の数がコンビニの2倍となる「超過剰状態」に陥っている。
東京歯科保険医協会によると、2007年度には350施設は廃院したとみられており、競争激化にともない東京都内の保険歯科医院が、1日1施設のペースで廃業していることが明らかとなった。都内近郊で独立開業してから30年経つベテラン歯科医は、その現状に対し
「駅前では、1つのビルに2軒も3軒も歯科医院がテナントに入っているほどの乱立ぶりだ。小規模の歯科医院でも、毎日新規の客が15人以上来ないと経営を維持することができないのに、少子化で少なくなった客を皆で奪い合っている」
と嘆く。そして
「私は息子が2人いるが、歯科医にはさせない。私の代で終わりだ」
と続けた。
ただし、総ての歯医者が経営危機に陥っているわけではない。業界には、もちろん勝ち組が存在する。自費診療のインプラント(人工歯)をいち早く導入し集客に力を入れているところや、最新の機材を投入し医療技術に優れるスタッフを持つ歯科医院などだ。だが、下手をすればインプラントは医療訴訟のトラブルに繋がったり、機材に多額の投資をしたところで計画通りに集客できなければ、すぐに経営難に陥ってしまう。すでに歯科医の資格だけでは安定した収入を得るのは難しく、医者には技術力と経営力が問われている。
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