一体、関係者が何人存在しているかさえ誰も把握できていないような、これだけの大所帯のプロジェクトのチーム構成はどうなっているのか。体制図を見るとチームだけでも自分の所属するLBチームを始め、サーバ、ネットワーク、セキュリティ、アプリ開発、パッケージ、ツール開発、DB、運用、認証、パッケージ、ミドルウェア、品質管理、プロジェクト管理などなど、書いていくだけでもキリがないくらいに多岐に渡り、ざっと20チームくらいはあったか。さらに先にも触れたように、ネットワークやサーバ、アプリ開発などは2~3チームに細分化され、それぞれが10名程度でチーム構成されていたから、これだけでもざっと200~300人。さらに、アンダーには下請けで実作業を行うチームが存在していることも加味すれば、どうやっても実態を把握するのは不可能なレベルと言えた。
ワタクシの所属は「E基盤」のLBチームだが、これ自体はメンバーが10人程度。リーダーは、あの面接で顔合わせしたC社部長のN氏、サブリーダーがワタクシで、配下のメンバーが10人程度。これはDプロジェクトの体制だが、先にも触れたように維持管理のLBチームというのが別にあり、こちらは50名程度の大所帯を構えていた。
この50人から成るLBチームのリーダーは、大手N社の課長T氏、サブリーダーは同じN社主任のK女史、その配下のメンバーは主に通信系の大手工事業者であるE社で構成されていた。
このプロジェクト全体と言うべき「E基盤」のリーダーは、N社子会社のNC社のシニアマネージャー、その下のサブリーダーなどプロ管は同じNC社のメンツで固められ、その配下に各チームがぶら下がっている形だ。
「E基盤」のLBチームはNC社との契約らしかったが、維持管理で直接的にはプロジェクトは関係ないとはいえ、NC社の親会社の天下のN社のマネージャーたるT氏配下になんとなく入るような格好になっていた。
ちなみに「E基盤」リーダーのN氏は、LBチームサブリーダーのK女史と相性が良いらしく、面接の時から
「N社の女性が窓口になってくれますので、困ったりわからないことがあれば彼女に聞けばよい」
と言っていたから、初対面まではてっきり優しい女性だと思い込んでいた。
このC社のチームリーダーだが、当初はC社の課長補佐T氏であったが、なんらか問題を起こしたとかで、上位会社からNGを突きつけられてしまった。上位会社と言っても元請けのN社ではなく、さらにその下にN社系列のNC社という会社が挟まっているのがなんともややこしいが、先にも触れたように元請けの大企業N社はトップの2人しかいないから、実質的には大所帯を構えていた系列のNC社の連中が幅を利かせて、E基盤に関してはNC社の幹部連中が親会社のN社の威光を背に肩で風を切るような威風だった。
で、その当初にC社が送り込んだT氏は、そのNC社のリーダー(つまりD基盤LBチームの親玉)のお眼鏡に適わずNGを突き付けられたという次第で、T氏の後任としてC社リーダーに指名されたのが、ワタクシを面接したあのN氏だった。
C社はN社の系列ではないが、元来が老舗の通信関連業者として知られた上場企業でもあり、過去にN社などキャリア関係の仕事を多くこなしていた関係もあって、このプロジェクトでもLBチーム以外にもネットワークやサーバなど様々なチームに人を入れており、総勢数十名の大所帯を形成していたらしい。その中で最も地位が高い部長のN氏だけに、特定のチームではなくN社関係者で固められた「プロ管」と称される管理グループに所属し、C社の親玉として君臨していた。
ところが前任T氏の失態により、そのN氏がN社の意向でLBチームのリーダーに任命されたわけだ。が、先にも触れたように、大所帯を抱えるC社として、管理者としてトップに立つN部長が特定チームにべったり張り付いているわけにもいかない。とはいっても、C社から出向している社員はチーム内には1人しかおらず、しかもまだ20代半ばの若手だ。そこそこ優秀であることは確かだが、なにせマネージメントの経験がないだけに、これを10人のリーダーとするには無理があった。そのような事情から、今回ワタクシに白羽の矢が立ったわけだ。
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