暑い
「夏だから暑いのは当たり前」などと、バカなことを言ってもらっては困る。思えば9年前に上京した年も、確か梅雨が早く明けたか空梅雨だったのか記憶が薄れているが、6月後半~7月前半にかけて、異常な暑さを記録した。2004年、上京時の『東京劇場・第2章』に、次のような記録がある。
≪午前9時過ぎに待ち合わせ場所の本郷に到着し、駅を出たところで待っていたものの、まだ朝の時間帯というのに異常な暑さで、立っているだけでも汗がダラダラと流れてくるのには閉口した。現われた客先の担当者は、60に近いような年配のオジサンだったが
「いやー、暑い暑い・・・朝から酷い暑さですね・・・」
と、今にも死にそうに顔を顰めていた。
「にゃべさんは、東京に出て来たばかりだと訊いてますが・・・この暑さは、大丈夫ですか?」
「まあ、元々夏は日本一、二番目に蒸し暑といわれる名古屋の人間なので大丈夫ですよ・・・しかし、東京は名古屋より幾らかマシかと訊いていましたが、全然同じですね・・・毎年こんな暑さですか?」
「いや、今年は例外中の例外だねー!
こんなクソ暑い事は、経験がないよ・・・」
という口調は、些かやけくそ気味に力が入っていた。
午後からは一番で、新宿駅での待ち合わせ。13時という最も暑い時間帯に加え、例によって新宿駅南口のあの人混みが益々、暑さに拍車をかける。少し遅れて、担当の女性営業が現われた。
「暑い中恐縮ですが、15分くらい歩いていただかなければならないのですが・・・」
と、新宿タカシマヤ、DoCoMoビルなどが並ぶ、あの陽を遮るもののないアスファルトの大通りを歩いている時は
(こりゃ、名古屋よりも暑いんじゃないか・・・)
と思えたほど、強烈な暑さに見舞われた。
この日最後は、夕方4時から新宿西口での待ち合わせ。まだまだ暑さは一向に衰えず、新宿の雑踏を往復30分歩いたので些か頭がボーっとしかけている中で、客先面接担当者の嫌味な態度に初日から、早くもぶち切れてしまった≫
≪こうして初日のスケジュールはともかく終わったものの、ウィークリーマンションへ帰る道中も、とっくに陽が落ちているというのに一向に暑さが和らぐ事もない。エアコンはあるので寝苦しさからは免れはしたものの、この日の東京は大手町で観測史上最高となる39.5度を記録したほか、午前4時の最低気温が30℃を上回るなど、季節外れの台風に見舞われた中で出発した前回に続いて、またしてもトンデモナイ船出となってしまったのである (;゚ロ゚)ヒイイイィィィィ≫
当時は、まだ今ほど「クール・ビズ」が浸透しておらず、真夏と言えどネクタイ着用が常識だったから、余計に暑く感じたのかもしれない。世界の常識からすれば、こんなクソ暑い時期にあくせくと働くのは異常としか見られないかもしれない。実際、欧米人のバカンスとなれば1か月くらいは当たり前で、その間は何もせずにのんびりと過ごすのが普通らしい。数日単位の「避暑」にも、細かいスケジュールを立ててちょこまか動き回るのは、日本人ならではか。
「vacances」の本家フランスでは
≪長期間に渡るため、時として「ロマンス」が生まれるなど、時として人生を変えるほどのインパクトを持つ。そのため
「フランス人は、一年の大半を次のバカンスをどのように過ごそうか考えながら暮らしている」
「フランス人は、バカンスのために生きている」
とすら言われる≫
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