旅は楽しい。しかしまた、旅は過酷であったりもする。過酷だからこそ、より強く楽しさを実感出来るのか。ご多分に漏れず、色々と波乱万丈の詳細は改めての掲載に譲るが、歩き過ぎて足がかなり限界に近い。なにはともあれ、無事帰還できたから良いか。
暇だった仕事が俄かに忙しくなって来たが、桜は待ってはくれず天気も気まぐれだ。金土は宿の予約も難しいので木金の予定をしたものの、天候の都合で水木に前倒しと、大胆にも週のど真ん中に連休を入れた。吉祥寺から乗車し、立川でスーパーあずさに乗り換え茅野到着が10時。所要2時間だから、思ったより諏訪は近い。
「上諏訪神社」と称しながら、最寄りは茅野駅で駅から遠い。バスの便が少なく、1時間以上待たないといけないとあって、タクシーで行くことにした。ここでケチってなんになる?
前宮までは、1100円。上と下に分かれているのが伊勢神宮の内宮と外宮を思わせるが、諏訪大社はさらに上と下が二つの宮に分かれていて、益々ややこしい。最初に訪れた前宮はこじんまりで、あっという間に見学が終わり歩いて本宮へと移動する。
こちらの方は、さすがに規模が大きくツアーの団体が次々とやって来る。じっくり見学して土産も買ったまでは良かったが、この後が地獄の始まりだ。当てにしていたタクシーが、まった来ないではないか。歩いて戻るしかない?
スマホの検索では、茅野駅まで約3km、37分と出ていた。バスは1時間後にしか来ないから、話にならない。後になって、どこかでタクシー会社の電話を聞いておけばと後悔したが、こんな簡単なことに気づかず、結局歩いて戻ることになる。
スマホのナビにはかなり助けられたとはいえ、最高気温23度に照らされて汗を掻く羽目に。炎天下の、しかもトラックのような長距離の大型車が引っ切り無しに通る国道沿いを、排気ガスをもろに浴びながら炎天の難行の末、ようやく茅野駅に戻り飛び乗った電車の行先は上諏訪だ。
この旅行の三大テーマは「高遠桜」、「諏訪大社」と「諏訪温泉」である。早速、観光案内所でネットで目を付けていた日帰り温泉の場所をチェックし、朱白というホテルに。諏訪湖を目の前にした大浴場に、1人だけ居た先客は早々に居なくなり「貸切風呂」状態だ。春の青空の下「山」、「湖」、「温泉」の三点セットを堪能し
「日本人として日本に生まれてよかった!」
と実感する瞬間だ。
確かに素晴らしい温泉とは言えたが、元来が欲張りだけに、こうなったらとことん「諏訪温泉」を堪能してやろうと、ネットでチェックしていた10種類もの温泉のあるホテルへ行ったものの、間の悪いことに「週1回に清掃時間」に当たり、30分待ちとのこと。惜しくはあったが、この後のスケジュールを考えれば30分も待っていられず、諏訪湖に面して並んでいる別のホテルへと移動する。こちらの方は簀子のような囲いがあって、直接諏訪湖を目の前とはいかなかったが、それでも「かんてん風呂」やサウナもあり、また誰もいない「貸切」状態に満足し、ホテルで呼んでもらったタクシーで満開の諏訪湖の桜を横目に、高島城へと移動する。
高島城見学後は、下諏訪に移動。秋宮の見学まではスムーズだったが、そこから春宮への移動には苦労した。上諏訪本宮から茅野までの「難行」のツケが回り、既に足が棒のようになっている状況で
(春宮は、もう諦めるか)
という弱気の虫も頭を擡げ始めたものの、ここまで来て
「上諏訪神社:前宮・本宮、下諏訪神社:秋宮・春宮」の四社制覇
を逃すのはあまりに惜しいと、疲れた体に鞭打ちなんとか春宮に到着してメデタク「諏訪大社」制覇を達成!
その勢いで「万治の石仏」も見学する。
旅館には、予定通りの6時に到着。早速、食事である。
今回、同行すると思っていたパートナーが日程の都合が合わず一人旅となったが、一人旅で最も困るのが食事だ。それだけに、じゃらんで見つけた唯一の「料亭個室朝夕食付」の旅館は重宝である。一人で泊まるには贅沢な「江戸間13畳+ 広縁」の部屋は、バルコニーに石を敷き詰めた石庭を作庭し、バックには秋宮の屋根が見えているという贅沢な眺めである。案内された個室料亭がこれまた広く、ここでも
「日本人として日本に生まれてよかった!」
と思わずにはいられない豪華な食事に思わず酒もすすみ、日本酒3本に生ビール2杯を追加オーダーして、若い仲居さんにチップをはずむのも忘れない。
部屋に戻ってひと眠りした後、風呂へ行くとここも誰もいない「貸切」で諏訪の湯を堪能。
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