2006/08/16

マヨネーズ(mayonnaise)の楽しみ


 出身地の愛知では「冷やし中華にマヨネーズ」は、ごく当たり前だという話は前にも書いたが、地元で有名な「スガキヤ」がこの組み合わせを発案したと知ったのは、東京に移住してからである。

それまでは、てっきり「冷やし中華にマヨネーズ」という食べ方は、全国共通だと思い込んでいた(というよりは、疑いもしなかった)

ところが、何と言う事だ・・・東京では、冷やし中華には「辛子」をつけて食すのが常識らしく、マヨネーズの「」の字も出て来ない事から「冷やし中華に辛子」という文化を知り、カルチャーショックを受けた。

上京して間もない頃、渋谷の半野天のような店で食べた時、遂に業を煮やして  

「マヨネーズはないの?」

と、大学生のような店員に問うと

「は?
マヨネーズ?」

と、さも「意味不明」といったような、キョトンとした顔をされた。

思えば、コンビ二やスーパー辺りでよく買っていた冷やし中華にも、当たり前のようにマヨネーズが入っていたような記憶があったが、あれは地域限定だったのか?

誰かと一緒に食べると、必ずといってもいくらいに

「冷やし中華に、マヨネーズを付けて食べるのですか?」

と驚かれるが、誰が何と言おうと「冷やし中華にはマヨネーズ」に決まっているのだ。

最近は「高カロリー食品」として槍玉に挙げられる事の多いマヨネーズだが、冷やし中華で使う量などはしれている。

ちなみに「マヨネーズ(mayonnaise」というのは「mayon」+「naise」だ。 フランス国歌の「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise」は「Marseille」+「aise」で「マルセイユの人」であり「Japonaise(ジャポネーズ)」は「Japon」+「aise」で「日本人」、「日本風」であるように、フランス語の「aise」は「~風の」とか「~地方の」を意味する(英語の「japanese」などの「nese」に相当)

mayhon」は、地名由来とするものだけでもメノルカ島のマオン、マヨルカ島、バイヨンヌなどいくつもの説が存在するらしいが、つまり「マヨネーズ(mayonnaise」は「mayhon」という地方で食されていたソース、すなわち「マヨ(オ)ン風の(ソース)」を意味している。

 ところで、最近はコンビニのおにぎりなどで「エビマヨ」とか、マヨネーズ味のものを目にする事が多くなっているような気がするが、ワタクシにはご飯にマヨネーズが混ざったものが、どうにも気に食わない。

そもそも米というものは、サッパリとした美味しさが持ち味なのに、あのマヨネーズの粘々によって折角の米の持ち味が台無しになってしまうではないか、と思うのである。

スーパーで買う巻き寿司も、いつも鉄火巻きである。ところが遅い時間帯に行くと、鉄火巻きだけが品切れになっていたりする。明太巻きは嫌いだし、かんぴょうでは味気ないからとエビ&カッパ巻きを買って来ると、これがマヨネーズ味になっている。何故にこう、何でもかんでもマヨネーズを付けたがるのか?

誤解されては困るが、こう書いたからといってワタクシが決してマヨネーズ嫌いというわけではない。コンビニのハムサンドやタマゴサンドなど、たっぷりのマヨネーズは堪能しているのである。

そう、マヨネーズはパンにこそ良く合うのだ。ちなみに「パン(pain」もフランス語だ。「pain traditionnel(伝統的なパン)」、英語は「bread」)。そしてパンとともに、このマヨネーズの隠し味が大いに生きるのが、冷やし中華なのである。

実は、この冷やし中華にマヨネーズをつけるという食べ方を考案したのは、名古屋の有名なメーカー「スガキヤ」なのだそうで、名古屋周辺だけの独特の味わい方らしかったのだが、最近ではコンビ二の冷やし中華にもマヨネーズが入っていたりして、徐々に「スガキヤ風」が浸透しつつある(?)のは喜ばしい限りである。

とはいえ、食習慣というのは地域によって違うものだから、元々「冷やし中華には辛子」文化圏の人々からすれば

「冷やし中華にマヨネーズなんて、気持ち悪そう」

などという先入観が強いらしい。そのように決め付けている人は、一度騙されたと思って試してみればよい。そうなれば、ワタクシは多くの人に感謝されるのである (`m´+)ウシシシ

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