第3楽章規模が小さく、最も印象が薄い。
「これが、ブラームス?」
と耳を疑ってしまうような、どこまでも楽しい曲。旅先のベルチャッハが余程お気に召したのか、どこまでもご機嫌なブラームスである。
ブラームスの4つの交響曲の中でも、最も率直で生気に富む楽章である。もごもごと細かい音が動くような第1主題が弱音で始まり、管楽器の加わった明るいメロディが続く。その後、いきなり爆発するように盛り上がり、第1主題が展開する。この「爆発」は、この楽章中に何回も出てくる。
第2主題は、ヴァイオリンとヴィオラによる穏やかなもので第1主題と明確に対比しており、それでいて、どちらも第1楽章冒頭の基本動機が使われているのが見事である。
展開部ではまず、第1主題がそのまま出てきて、再現部が始まったように思わせながら(またはロンド形式のようにも思わせるが)、この主題はすぐに形を変え転回され短調になる。
クライマックスを築いた後、静かなトランクィロになり、木管と弦楽器が基本動機に基づく3連符で応答し、弱音が続いた後、第1主題が出てきて再現部に繋がる。コーダは、両主題に関連した金管楽器のコラール風のフレーズで始まる。今まで溜めていたエネルギーを爆発させるようなクライマックスは、トロンボーンの高音を始め金管楽器が華やかに活躍し、熱狂のうちに幕を閉じる。
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