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ブラームスが、最初の交響曲を作曲するのに20年以上も時間を費やしたのは有名な話だが、それに続く第2番の交響曲はその1年後、実質的には3ヶ月あまりで完成したと言われている。ブラームスにとって、ベートーヴェンの影がいかに大きかったかを物語るエピソードだ。
第2番は、ブラームスの「田園交響曲」と呼ばれることもある。それは明るく伸びやかな雰囲気が、ベートーヴェンの第6番を思わせるものがあるからである。緊密な構築性や劇的な性格が前面に打ち出された第1交響曲に対して、これとは対照的に伸びやかで快活な雰囲気を示す。第1交響曲という難産を果たしたブラームスの、当時のリラックスした気分が反映されているとも考えられている。ただし淀みなく流れる曲想のように見えながら、構成的にも統一が見られ音楽の表情は決して単純でない。
この作品は、これ単独で聞くとあまり違和感を感じないが、同時代の他の作品と聴き比べるとかなり古めかしい装いをまとっている。この10年後にはマーラーが登場し、第1番交響曲を発表することを考えると、ブラームスの古典派回帰の思いが伝わってくる。オケの編成を見ても昔ながらの二管編成だから、巨大な3管編成のマーラーとの隔絶ぶりはハッキリしている。
「沈みゆく太陽が、崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」(クレッチマー) と表現されることもある。
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