2008/09/29

トイレ難民(後編)

  ここまで満室の場合は、残るは車椅子用のみであり、これはやはり出来ることならあまり利用したくはない。が、ここまで辿り付いた時は、生理的にそんな余裕のある事を言ってはいられない状況なのであり、また当然ながらここが一番空いている可能性が高かった。これがダメな場合は、入れる各フロアを往復して空くのを待つしかないという、情けない状態なのだ。

 

ところがプロジェクト参画後まもなくのこと、IDカードが変更となってセキュリティがさらに厳しくなり、(食堂フロア以外の)上下のどのフロアにも入れなくなってしまったのである。

 

 さらに朝に弱いワタクシは、起きてから家を出るまでの時間をギリギリまで切り詰めているため、便意を催す前に出かけてしまう事が多い。これまた尾籠な話で恐縮だが(と言うよりはテーマがテーマだけに、そうなってしまうのは仕方がないが)元々、便通はいい方だから食事の後は直ぐにもよおす方だけに、職場に着くとトイレに駆け込んだりするのだが、あたかも嫌がらせとしか思えないようなこんなタイミングで、トイレ掃除をしているのである。

 

ただでさえ絶対数が少ないトイレだというのに、こんなみんなが入りそうな出勤後の時間帯の掃除などは、実に非常識極まりないではないか。無論、トイレの掃除は必要だからやってもらわないことには困るが、せめて早朝から始めて始業時間の9時までには完全に済ませておいてもらいたいというのは、決して無理な注文ではないだろう。

 

しかしながら、いかに力んでみたところで現実はそんな状況だったから、掃除中の看板を無視して皆ズカズカと入っては行くが、デリケートな体質のワタクシなどは、小の方ならともかく「大の方」などはとても入っていられないし、入ったとしても掃除婦がゴソゴソとやっているような状況では、気になって出るものも出ないのである。こうして人一倍通じが良いのに、便秘気味になったりすることもあるくらいだった。

 

「大」待ちの連中はすることがないため、みな同じような格好をして大鏡の前で携帯を弄っていたが、こっちはあんな悪臭の漂うところで木偶の坊のようにボケーっと待っているのは御免蒙る。が、トイレに駆け込んだ時に、誰かが携帯を弄っている姿を見つけた時は、絶望で目の前が真っ暗になったものだった。   

 

さすがに定時後の18時半、19時を過ぎるとトイレが満室になっているということは少なくなり、21時も過ぎれば昼間の混雑が嘘のようにがら空きになってくるから、この時間帯にしてようやくのことでトイレ難民としては「安息の地」を見つけた気分になって、便座の上でほっと息を吐くのである。

 

ところが不思議なことに、そんな状況の場合に限って立て続けにPMなどと鉢合わせをしたりした。酷い時は3回くらい続けて

 

「ようやく(大の方に)入れるわい」

 

と手薬煉引きながら満を持してトイレに駆け込むと、PMがだらしのない格好で小便をしていたりするから、このような場合は「大の方」には入り難く、仕方なく「小」でお茶を濁して次の機会を待つのだが、こうしたケースは不思議と3回も続いたりするのである。こうなると、なにか自分に「大の方」をさせない見えざる力が働いているのではないか? などと、妙な疑心暗鬼に包まれたりするのである (;^_^ A フキフキ

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