セリーグの「クライマックスシリーズ」第1ステージで、2勝1敗で阪神を下した中日が、第2ステージ進出を決めた。「クライマックスシリーズ」という制度のバカさ加減については、これまでにも散々書いてきたが、今年もこの欠陥制度の弊害がもろに出てしまった。
今年は開幕から快進撃で、一時はGに13ゲームもの大差を付けながら逆転優勝を許したとはいえ、最後の最後まで優勝争いをした阪神に対し、広島とチマチマと3位争いに終始した挙句、やっとこさ5割に終わったのが中日である。阪神との差は、実に10ゲームも開いた。単純計算では、阪神に11連勝(直接対決で勝ち越しているので、少なくとも10連勝)しなければ中日の勝ちは認められないハズだが、この両チームで「先に2勝した方が勝ち」というのだから、これでは144試合のペナントレースの意味がまったくなくなる。意味がなくなるどころか、144試合もの努力の結晶に泥を塗り、僅か数試合の偶然の結果で総てをひっくり返そうという「悪の制度」としかいいようがない。
大の阪神嫌いのワタクシとすれば、憎い藤川がウッズに特大の一発を浴びて敗戦という、これ以上ないような嬉しいパターンを目にしながらも、やはりどうにも釈然としない感は否めない。このような愚かしい制度によって、Gの相手は12ゲームも差の開いた中日に決まった。12ゲームも差を付けても、Gに与えられるアドバンテージはたったの「1」なのだから、いかに「余興」とはいえ狂気の沙汰としか言いようがない。
昨年も同じパターンで、2位の中日に三連敗したのが物語るように、その時の調子や運が大きく作用するのが短期決戦だから、去年の二の舞も充分ありうるから厄介なのだ。それがために、半年間の長いペナントレースという極力運などの要素を排除した真の総合的な実力を競う制度になっているのではないのか?
それでなくとも、最後の最後まで熾烈な優勝争いをして消耗度の大きいGに対し、ノンビリ3位争いをしてタナボタのチャンスをものにした気楽さが、中日にはあるだろう。 また、しばらく実戦から離れていたGに対し、第1ステージで調整を済ませた上、勝利で意気上がる中日という、大きなハンデもある。実に、不公平この上ない。
そもそも たった6チームしかない日本のプロ野球で、上位3チームがクライマックスシリーズ進出というところからして、明らかに破綻しているのだ。チーム数も全体規模もまったく違うメジャーのマネっこは、いい加減勘弁してくれと言いたい。
無論、プロ野球は元々エンターテイメントであるから「ファンを歓ばせる事が第一義」である事に間違いはない。あまつさえ人気凋落が叫ばれて久しい中にあって、苦肉の策として金儲けの余興としてやることに敢えて反対はしないが
あくまでペナントレースの延長線上に存在しなければ、まったく意味がない。そうでなければ サッカーの天皇杯のように、ペナントレースとは別に存在するトーナメント形式のお祭りにすべきである。
あくまでペナントレースの延長線上でやりたいのであれば、ゲーム差を考慮した適切なハンデを設けるのでなければ、世界の笑いものである(いや、誰もこんなバカに注目してないか)
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