2013/11/23

岡山城 ⇒ 出雲大社

秋と言えば紅葉狩りだ。今年も京都へ行こうかと考えているところへ、出雲大社へのお誘いが来た。

 

紅葉とは無関係だが、元々神話や歴史は好きな人間のご多分に漏れず、出雲は一度は行ってみたい地であるから、二つ返事で乗った。しかも今年の出雲大社は60年に一度の大遷宮」という、一生に一度しか経験できない貴重な年なのである。そこへ持ってきて凝り性の我がパートナーは、さらに「神在月に行かないと」と、大乗り気だった。さらにさらに、屋上屋を架すように「夜行列車で」という魅力のある提案もくっ付いていては、益々乗り気にもなろうというものだ。

 

若いころに、西村京太郎のトラベルミステリーを読み漁ったていた時から

(一度は「寝台特急」なるものに乗ってみたい)

という願望も強く持ち続けていた。

 

が、現実は厳しい。夜行列車はどれも人気が高く、目指す「サンライズ出雲」もご多分に漏れず、どれもが満席(満室というべきか)だという。仕方なく、夜行は諦めて新幹線と電車で行く肚を決めた。折角、高い旅費と長い移動時間を使って出雲まで行くのだから、広島にも足を伸ばそうということになった。さらに広島から岡山はもっと近いのだから、名高い後楽園や岡山城も観たいというこちらの要望も加味され、頼もしいパートナーにより膨らんでいった計画は入念に練られた。

 

最後の打合せ(と言っても、大手町での「飲み会」だが)が終わった後、念のため東京駅のみどりの窓口へ行くと、上手い具合に2人分だけ「のびのびシート」の空きが出たとのことで、ともかく「保険」として購入しておく。パートナーの方は「のびのびシート」にも乗り気だったが、自分はともかく女性を「のびのびシート」に寝かせておくのはセキュリティの問題がある。加えて、寝台での旅情を満喫したかったこちらとしては、キャンセル期待の執念で毎朝出勤前と退社後、乗り換え駅の四谷駅で聞き続けた努力も空しく、遂に最後までキャンセルは出なかった。このような状況を踏まえ、前日に急きょ「のびのびシート」から新幹線に変更し、いよいよ初の「山陰・山陽の旅」が幕を開ける。

 

まずは、交通の便の良い岡山からである。普段の仕事の日より1時間以上も早い6時前に起床したものの、早速その出鼻を挫くかのように、電車が人身事故で運行停止という仰天ニュースが。

 

(飛び込みかなんかしらんが、あの世へ行きたいなら人様に迷惑をかけずにひっそりと召されろ!)

 

などと毒づきつつ、駅に行くとなんとか東京駅までたどり着いた。

 

予定外に早く着いたため、朝食の物色などしつつパートナーの到着を待つことン十分。いつもは早めに到着しているパートナーがなぜかなかなか来ず、おまけに新幹線窓口だけでもたくさんある東京駅のことで、なかなか合流できない。気付けば、新幹線の出発時間は間近に迫っていた!

 

ともかく切符は券売機で購入したものの、指定券はこちらが2人分を持っているから、指定券を持たぬパートナーは合流しないと改札を通れないという。この時、出発まで後1分。

 

(いよいよ、この指定切符はキャンセルか・・・)

 

と半ば諦めかけたところで、ようやく発見したパートナーとダッシュでエスカレーターを駆け上がり、ギリギリのところで飛び乗りに成功。こうして出発からして想定外に見舞われはしたものの、新幹線は指定席でビールを飲みながらノンビリしていればいいから楽で、瞬くうちに岡山に到着だ。

 

初日最大のお目当て日本三名園「後楽園」には、なんとか午前中に到着できた。これ以上は望めないという秋晴れで、20℃は超えていそうな春のような暑い陽気となり、汗をかきながら「後楽園」を周遊する。

 


 

移動の途中の貸座敷のような店でけんちんうどんを食べながら、青空に映える烏城を眺めてまったり。


 

 この日はスケジュールに余裕があるため岡山城天守閣に上がったが、思ったよりも早く観光が済んだ。パートナーは、どうしても「満奇洞」へ行きたかったようだが、岡山から片道2時間もかかるだけに、これはNG。変わって、観光名所の倉敷へと移動する。

 

美観地区を一通り見て歩いて、駅に戻って天満屋で夕食を摂ることに。パートナーはあまり乗り気でなかった岡山だが、海鮮には目がないこちらはかねてから「岡山=瀬戸内海の幸」の旨さを散々聞かされていただけに、後楽園、岡山城とともに期待していたのがこれだった。そして期待通り、鯛、刺身盛合わせなどの付いたメニューで地酒を堪能する。

 


 

「満奇洞」が露と消えたパートナーの方は、それでも食いしん坊(グルメ?)だけに定食のステーキにご満悦の様子で、岡山のホテルに戻って温泉で温まって初日が終了した。

 

2日目は早起きをして、ホテルの朝食バイキングに向かう。えびめし、ままかり、桃太郎トマト、吉備団子などの地物たっぷりの名物で腹ごしらえをして、サンライズで出雲へ乗車。指定席はすでに完売していたが、出雲まで3時間の長旅だけに運良く自由席を確保できたのは幸いだ。

 

車窓から望む空は晴れたり曇ったりを繰り返す、日本海側特有の変わりやすい天候だったが

 

(なんとか雨だけは降らないでくれよ・・・)

 

と祈りながら、出雲電車に乗り換えて遂に出雲大社前に到着した。我々、東京者の目には「同じ中国地方」とひとくくりにしがちな岡山と島根が、山陽の南の端から山陰の北の端までの移動は、新幹線の東京⇔岡山間に匹敵する3時間をかけての長旅である。

 

(これを食わねば帰れん!)

 

と強く心に決めていた三色割子そばだが、昼時とあって参道はどの店も1時間は待たされそうな行列ができている。甘党のパートナーは、割子そば以上に夫婦善哉に執念を燃やしているようだった。

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