ホテルのブッフェ(ビュッフェ)が好きである。
日本語の「食べ放題」に相当する語には「ビュッフェ」、「ブッフェ」と別に「バイキング」という言葉がある。
そもそも「ブッフェ(ビュッフェ)とは何か?」から話が始まるが、これは言うまでもなくフランス語の「buffet」が語源だ。
《ブッフェとは、ブッフェテーブル(元卓)にまとめて料理が載せられており、食べ放題形式で提供される食事サービスのことで、自分で自由に料理を取りに行く立食スタイルのことをいいます。
ブッフェとは「立食の」、「セルフサービスの」という意味です。壁際に椅子などが用意されており、立食だけでなく椅子に座って食べることができるケースが多いです。また大抵の料理は、大皿に盛り合わせてあります。
ブッフェは招待客が料理を取りに動き回るので、招待客同士の交流が図りやすく、会場の雰囲気も和やかになります》
好きな料理を好きなだけ食べられるのが特徴で、取ったものの分だけお金を払うのが基本だから必ずしも「食べ放題」とは限らないが、定額サービススタイルの場合が多い。
ところで「食べ放題」となると、日本人には「バイキング」の方がなじみのある用語だが、これは「和製英語」らしい。英語で食べ放題に相当するのは「smorgasbord」、「all-you-can-eat」という語で、和製英語の「バイキング」は勿論、外国では通じない。
「smorgasbord」とは、スウェーデン語の「スモーガス」(パンとバター)と「ボード」(テーブル)が語源の合成語ということだ。
では、この「バイキング」という有名な言葉は、どこから生まれたか?
≪東京都千代田区にある帝国ホテルに、1958年にできたレストラン「インペリアル・バイキング」で、北欧のスモーガスボードをまねて、日本で初めてこの形式を採りいれたとされる。
「バイキング」は8世紀から11世紀にかけて、スカンジナビア半島やデンマークから船で海を渡ってヨーロッパ各地に侵攻したノルマン人で、この語をこの形式の料理の意で用いるのは日本での用法だ。レストランの開業時、当時公開されていたアメリカ映画「バイキング」の中の船上で食べ放題というシーンに着想を得て、帝国ホテルの社内公募により名づけられたという≫
ということらしい。
さて、ようやく本題である(といっても、大した内容ではないw)
帝国ホテルやホテルオークラのような、1人1万円もするような高級なのには手が出ないが、かつてXmasに招待されて「ホテル御三家」の一角を占める「ホテルニューオータニ」のブッフェだけは経験したことがある。夜の庭園を眺めながら、エグゼクティブな気分を味わえた。
ホテルブッフェというと、未経験の人は「高い」と思うかもしれないが、意外とそうでもない。先の「御三家」は別として、都内のそれなりのホテルでも5~6000円くらいだから、飲食次第で幾ら取られるかわからない居酒屋よりはお値打ちともいえるし、そもそもクオリティが違う。
そんなわけで、これまでブッフェに行ったホテルの名を列挙するだけでも、コートヤード・マリオット銀座東武ホテル(5900円)、新宿プリンスホテル(6200円)、横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ(5900円)、吉祥寺第一ホテルなど、ざっと記憶にあるだけでこんなところか(全て飲み放題付の金額)
最もお値打ちなのは「三井ガーデンホテル汐留イタリア街」で、なんとイタリアンブッフェがたったの「2,205円」という信じられない低価格(飲み放題付でも3705円)のため、ちょいちょい利用している。
ところで「ホテルブッフェ(バイキング)」と言えば、決して見逃せないのが「朝食バイキング」である。
余談ながら、朝食の場合はなぜか「朝食バイキング」と称していることが多く「朝食ブッフ(ビュッフェ)」などと看板を掲げている例は少ない(多分)。そして観光地のホテルともなれば、大抵はこの「朝食バイキング」が定番なのである。
総じて高額なディナーブッフェとは違い「朝食バイキング」は大体は宿泊料金に含まれている。ところが、これが昨今の過当競争のお蔭だろうか、なかなか侮れない充実した品揃えだったりする。
当然、各地の名物や地物がふんだんに使わているるから、すっかり旅には欠かせない楽しみとなっているのである。
ホテルだから、やはり素材にも拘っているのかどうかの実情は詳らかでないとは言え、実際にそれなりのホテルであればどこも美味いのだ。その証拠は、普段の朝食はバターロール2つ程度で済ませているこのワタクシでさえ、ついつい食べ過ぎてしまうのである。