フィギュアスケート世界選手権で、日本選手が男女アベック「金」の快挙を成し遂げた。
まずは男子。先のオリンピックでは期待外れに終わった町田が、SPトップに立つ。一方、オリンピック金メダリストとして、すっかり「第一人者」に伸し上がった羽生は、まさかの3位と出遅れ、勝負展開としては非常に面白くなった。
迎えたフリー。ここでもノーミスでほぼ完璧な演技をこなした町田が、高得点を叩き出し、金メダリストの羽生と言えど、自己ベストに近い高得点を出さなければ、逆転は難しいというギリギリの状況だ。が、ワタクシは
(羽生は完璧な演技をして、逆転優勝する!)
と確信していた。
なぜ、そのような確信したかと言えば、羽生が「持ってる男」だからである。この羽生というのが実に不思議な選手で、必ず「結果を出してくる」という強さを秘めている。オリンピックがまさにそうで、フリーでは本来の出来からは程遠い内容だったものの、それでも「金」に結び付けるという強さがある。こうしたものは、運などを含めて「持ってる男」が引き寄せる理屈を超えた能力といえる。
「オリンピック金メダリスト」として、注目度が格段に上がった今回、しかもあの厳しい状況においてあれだけの演技を演じ切り、結果として絵に描いたシナリオ的な僅差でキッチリ逆転してしまった。これこそ「持ってる男」の面目躍如である。
なにしろ表情が明るく、ましてあの童顔の優男だから、嫌われる要素が少ない得なキャラである。対する町田の方は、美少年のイメージには程遠い「苦労人ヅラ」であり、常に持てる全力を出し切っている印象が強い。それはそれで文句のつけようがないが、難易度の高い技も余裕ありげに楽々とこなしているように見える羽生と比べ、やはり天賦の才能の差を感じてしまうのである。
元々、長身でスタイルも良い羽生は一つ一つの動作も格段に見栄えがするし、しなやかさと力強さを兼ね備えているという、これまでの日本人選手に不足していた、すべてを兼ね備えた超逸材である。しかも、まだ19歳だ。数年前までの、あの天真爛漫だった浅田真央を見るようである。
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