2014/03/26

「和食」の特徴(世界遺産登録記念・日本料理の魅力)(1)

日本料理・和食は、日本独特の料理法を用いた日本独特の料理群を指す。何をもって日本独特とするか、日本独自とするかの判断は様々で明確な定義は存在せず、慣習によって決められている例が多い。米を主食とし、割烹が典型的な日本料理・和食とされている。

 

割烹」とは

 

(1)食品を割き、煮炊きすること。調理、または料理すること。「割」は包丁で切ること、「烹」は火を使って煮る調理法である。

 

(2)主に会席料理、懐石料理、精進料理といった料理に対する呼称として使われる。江戸料理に対して、上方の料理を「割烹」と呼んだことから、江戸後期になって主に高級料理が割烹と呼ばれるようになった。

 

(3)上記(2)などを始め、比較的高級な和食を提供する料理店をいう。

 

(4)上記(3)のうち、特に客の好みに応じて即席に作った出来立ての高級な和食を、カウンター席やテーブル席などで気軽に食べさせる料理店。即席割烹。板前割烹。カウンター割烹。これは明治時代後期頃から大阪で流行した飲食スタイルで、当時は腰掛けの即席料理店と呼ばれていた。それまでの宴席料理と違い、自分の好みに応じて板前が目の前で即座に調理した、出来立ての高級料理を気軽な椅子席で食べられることから、大正・昭和初期に大阪で大流行となり全国に広がっていった。

 

日本で料理店や食事は「和・洋・中」といった分け方がされることが多いが、いわゆるジャンクフードやB級グルメなど、その定義や分類は曖昧になる場合もある。ユネスコの無形文化遺産に登録された和食は「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」、「栄養バランスに優れた健康的な食生活」、「自然の美しさや季節の移ろいの表現」、「正月などの年中行事との密接な関わり」である。

 

南北に長く四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきた。このような「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」が「和食;日本人の伝統的な食文化」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されたのである。

 

■多様で新鮮な食材と、その持ち味の尊重

日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。

 

■栄養バランスに優れた健康的な食生活

一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは、理想的な栄養バランスと言われています。一汁一菜とは、日本における食事の献立の構成の一つ。

・主食 - 白飯など

・汁物 - 味噌汁など

・おかず(惣菜)1

・漬物(香の物)

4種類をセットにして食べるもの。通常、香の物は数に含まれないため、主食以外が「一汁一菜」となる。一汁一菜は、おかずが一品のみしかない「質素な食事(粗食)」の意味で用いられた言葉であったが、食生活の欧米化や飽食が問題視されるようになった近年はむしろ良い意味の言葉とされ、日本の伝統に基づいた形式の「バランスが取れた食事」とされる向きが大きい。一方でワンディッシュ化と表現し、日本の食卓の変化ととらえるむきもある。

 

また農林水産省では、一汁三菜の和食をバランスの良い食事として紹介している。元々は鎌倉時代に禅寺で採られていた、質素倹約を重視した食事の形式を指す言葉であった。よっておかずも野菜を用いた極めて質素なものであった(ただし、特別な日や来客時には「一汁三菜」となった)

 

この食事形式が一般の人々にも広まり、やがて「一汁一菜」、「一汁三菜」が日本の伝統的な日常の食事形態として、定着するに至った。

 


江戸時代には上杉鷹山や池田光政が、人々に倹約のために食事を「一汁一菜」にするよう命じたことが知られている。ただし、庶民にとっては一汁一菜も日常の食事としては贅沢なものであり、通常は「おかず無し」、つまりご飯・汁・漬け物のみというのが日常の食事スタイルであった。

 

上記の倹約令も、実際には「ハレの日」の贅沢を禁じるものであった。松代藩のように「おかず禁止令」を出し、徹底した倹約を図った藩も存在する。二宮尊徳も奉公先の小田原藩家老服部家を立て直すにあたって、おかずを禁止している。

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