2023/03/23

日本が14年ぶりの世界一(WBC2023決勝)(4)

WBS2023は、決勝で日本がアメリカに勝って世界一を奪還!

 

アメリカチームはMLBのベストメンバーとは言えないかもしれないが、それでもバリバリの一流選手をそろえたスター軍団であることに変わりはなく、日本が勝つのは至難と見るのが妥当だった。

 

が、日本の投手スタッフは、今や誰もが認める「世界一」の陣容であり、アメリカ打線との対決が焦点と見られた。逆に言えば「日本に見劣りするアメリカ投手陣」を「切れ目のない日本の打線」が攻略できるかも見どころだ。

 

先発は、このWBCで一気に名を上げた今永。「世界一を決める」決勝という大きな舞台での先発という重圧を感じさせないような滑り出しで

 

「これは案外行けるか?」

 

と期待し始めた2回1死、早くも特大の一発を浴びる。

 

このように、どこからでもいきなり特大のホームランが飛び出すのがアメリカ打線の怖さで、この調子では誰が投げても何本かはスタンドまで運ばれそうに思えた。

 

が、日本の打線も負けてはいない。リードを許した直後の2回裏、先頭の村上がメジャーリーガーも顔負けの2階席へ運ぶ特大の一発をお見舞いし、あっという間に同点。さらに岡本、源田にヒット、中村が四球で繋ぎ、ヌートバーのボテボテの内野ゴロの間に1点を奪い、アッサリと逆転に成功だ。

 

さらに、4回には岡本の今大会2号が飛び出し「3-1」とするが、まだ序盤だから強打自慢のアメリカとしては、すぐに取り返せるという認識だったに違いない。

 

ところが日本の投手陣の力はアメリカの想像を上回り、戸郷、高橋宏、伊藤、大勢と、次々に繰り出される日本の投手陣を打ちあぐむアメリカ。3回以降は1点も取れず、凡打の山を築きながら8回まで来た。

 

これに象徴されるように、これまで登場して来たどの投手も期待通りかそれ以上の活躍を演じる中にあって、唯一の期待外れはダルビッシュだ。最初からダルビッシュには期待していなかったワタクシは

 

「ダルビッシュは、大事な場面で起用するな!」

 

と再三警鐘を鳴らしてきたものの、ワタクシなんぞの警鐘が届くはずもなく、相変わらずナントカの一つ覚えのように「昔の名前に拘った」愚かな選択をした代償は大きい。この日も「予想通りに」一発を浴びて「3-2」と1点差に詰め寄られた。

 

「だから、止めとけと言ったのに・・・なぜ宇田川じゃないのか?」

 

と地団太を踏んだが、幸いダルビッシュは8回でマウンドを降り、最終回のマウンドに相応しい千両役者の大谷が満を持して登場。

 

報道では「ダルビッシュを優勝投手にすべく、最後のマウンドに上げる」などという、トンデモな噂も出回っていたから、まったく気が気ではなかったが。解説者どもも、やたらとダルビッシュを持ち上げてばかりで

 

「チームを一つにまとめるなど、グラウンド外での貢献度はナンバーワン」

 

などとホザイテいたが、選手は監督やコーチではない。グラウンド内で結果を出してなんぼである。

 

「グラウンド内での結果」という意味では、まさに申し分のないのが大谷で、ダルビッシュと心中は困るが、万一この男と心中なら許せるところだったが、どんな場面であろうとマンガの主人公のようにキッチリ期待通りの結果を出してくれるのが、大谷の真骨頂といえる。

 

試合後のインタビューで「緊張した」と話していたが、観ている限りはまったくそのようなそぶりもなく、いつも通りかそれ以上に堂々としたマウンドさばきで

 

「これは安心して観てられるわい・・・」

 

と、早々に勝利を確信した。

 

日本の優勝はもちろん喜ばしいことだが、アメリカが予想外に弱かった。準決勝のメキシコは先発以外の投手陣のレベルこそイマイチだったものの、打線はアメリカ以上に迫力があったせいか、終始相手ペースに巻き込まれて「よそ行きの野球」を強いられた感が強かった。日本を応援する側からすれば、最後まで何が起こるかわからないスリリングな展開だっただけに、野球の面白さという点での醍醐味を満喫できたのは事実だ。

 

が、この日は終始日本のペースで進行しただけに、(ダル以外は)安心して見ていられた半面、野球の醍醐味という点ではイマイチ消化不良に終わった決勝戦だった。

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