2007/09/01

2007世界陸上観戦記(後編)

  2007世界陸上大阪大会が終わった。

 

これまで二回に渡って書いて来た通り、無駄なスタジオ映像に腹を立てていたワタクシだったが、そんな事は比較にならないような「犯罪的行為」が発覚した。

 

<開催中の世界陸上大阪大会で、エリトリア選手団の選手ら5人が開幕2日前の23日、指定先のホテルに宿泊しようとしたが部屋が確保されず、1階ラウンジの床に毛布を敷いて夜を明かした事が分かった。マラソンと1万メートルでそれぞれ4位となった男子選手2人もいた。その後も宿泊を巡る混乱は続き、ベイエネ・ルサム団長(54)は

 

「いいコンディションで競技に臨みたかった」

 

と大会運営に強い不満を訴えている。滞在先は大阪市などで作る大会組織委員会が市内6カ所のホテルを選手村として用意し、滞在先の割り当ても担当していた。

 

同選手団は、団長が20日に来日、23日夜に男女選手とコーチの5人が大阪市内の指定先ホテルに到着した。事前に申告した人数だった。同選手団によると、ホテルにいた組織委の担当者に「部屋がない」と言われた。担当者は待機を指示。だが結局部屋は用意されず、選手らは24日未明になって1階ロビーから続くラウンジの隅に椅子を動かして場所をあけ、フロントで借りた毛布12枚を敷いて夜を明かしたという。

 

24日早朝、 見かねた同国の隣国であるジブチ選手団が、自室の空きベッドを提供し3人が休んだ。同日夜、3人は別のホテルに用意された部屋に泊まったが2人は部屋がなかったため、ジブチ側の好意により相部屋で3泊したという。

 

ジブチ選手団関係者も

 

「組織委が大混乱していた。相部屋ではリラックスできない」

 

と話した。

 

マラソンに出場したヤレド・アスメロン選手(27)は24日以降、ジブチ選手団と相部屋。同日夜、コーチと別々の場所に泊まることになったため、朝早く始まったマラソンに向け、十分な打ち合わせをすることができなかったという。

 

団長は

 

「肉体的にも精神的にも、大きな影響があった。今更、謝罪されても、どうしようもない」

 

と嘆いた>(毎日新聞より引用)

 

 言うまでもなく世界陸上の主役は各国の選手たちであり、その選手を招待した者には「招待者としての責任」が付き纏うのは、自明の理である。責任とは、すなわち期間中の選手の安全と、快適な生活を保障する義務である(そもそも、なぜあの大都会・大阪で、たかだか数部屋程度のものが用意できなかったのか、疑問を感じずにはいられない)

 

大会関係者ばかりでなく、ホスト国たる一人の日本人としても、あまりの腹立たしさに憤りを抑えては読めない記事である。自分が逆の立場になったらと考えたら、このような無責任な事は出来るはずがない。関係者は、全員切腹ものである。

 

エリトリアの日本大使館前で集団自決して、塩漬けにした首級をジプチへ運んで晒し首にすべきだ(そんなもの、向こうが迷惑かw)

 

それは冗談だとして、少なくとも大会運営の職を辞しても、直ぐに謝罪の行脚くらいには出るべきである。

 

ところが・・・これだけでも暗澹たる気持ちになっていたら、さらに信じ難い犯罪が発覚したのだ。

 

<「あの瞬間は金縛り状態になってしまいましたよ。あきれてしまうようなことですね。この大会は来年の北京五輪の選考会でもあるんです。そこで途中棄権ということは、結果が残らないということなんです。評価のしようもないから、山崎は来年の日本選手権で結果を残さなければいけなくなったんですね。非常に怒っていますよ」

 

TBSの生中継で解説を担当していた日本陸連の鈴木茂雄競歩部長は、あきれ返ったようにこう言った。

 

9月1日、世界陸上大会8日目の男子50km。入賞を狙っていた山崎勇喜が、競技役員の誘導ミスで1周早く競技場へ入ってしまい、途中棄権という結果に終わってしまったことについてだ>(スポーツナビ・コラムより引用)

 

被害者が、日本人選手だったからいいという事は断じてないが、外国人選手なら国際問題にも発展しかねないような、重大な犯罪的行為である。  これらは、単に「大会運営の稚拙さ」では片付けられない。総てを犠牲にして、生活だけでなく生身の体を削り、命をも賭けて戦っている選手の事を「運営者」とやらは、どのように見ているのか?

 

甚だ、疑わしさを感じるところだ。

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