2013/08/16

2013世界陸上観戦記(前編)

まだしも多少は日本人の活躍も期待できるオリンピックとは違い、殆ど日本人の出る幕のないのが「世界陸上」である。逆に言えば、その分だけ純粋に競技の観戦に集中できるとも言える。

 

陸上と言えば、やはり最大の興味は「男子100m走」だ。特に大会前までは、タイソン・ゲイとアサファ・パウエルの好調が伝わっていただけに、絶対王者のボルトになんとか対抗できそうなこの2人が、揃ってドー ピングで出場停止となってしまい、最後の頼みの綱のヨハン・ブレイクも怪我で出場できずとなったのは、なんとも残念だった。

 

もっとも上記のようなライバルが勢揃いしていても、常に頭ひとつは抜けていたのがこれまでのボルトだっただから、さぞかしつまらんレースになるだろうと思われた。が、勝負はわからないもので、前半からガトリンが飛ばしたおかげで、予想外に見ごたえのある展開となる。いつものような爆発的な走りは蔭を潜めたものの、それでも中盤からの伸びは素晴らしく、あれだけ大本命視されながら悠々と勝ち切ってしまうのが、ボルトの凄さである。「977」のタイムで「物足らない」の思わせるのだから、いかに異次元の存在かがわかろうというものだ。

 

また、女子棒高跳びのイシンバエワの復活劇も見事だった。ボルトとイシンバエワの2人については、奇しくもTVのヘボ解説者とスタジオの電波芸者が、揃って「なにか、いつもと違う」を強調しながら、盛んに「王者敗退」を匂わせていた。が、ド素人の無責任なヘボ予想を嘲笑うかのように、絶対王者はまたしても頂点に君臨して見せた。 

 

このヘボ解説者とスタジオ電波芸者は、日本人選手となるとこれまた盲目的な期待を連発してみせるから、なおさら始末が悪い。ピークを超えた室伏に「金」を期待するわ、或いは勝てそうもないトラック競技で「決勝進出」の可能性を匂わせるわと、ありもしない期待を視聴者に持たせるのは犯罪的である。そんな中にあって、これまで「日本人には最も縁遠い」と思われた短距離、それも花形とも言うべき「男子100m走」の桐生、山縣の2人は、ともに予選で散った。とは言え、まだ若い2人だけに楽しみな存在であるのは間違いない。

 

女子400mの決勝はゴール前で物凄いデッドヒートとなり、同タイムでどっちが勝ったかわからない白熱したレースとなった。余談ながらゴール後、2人が歩み寄るシーンがあるが、あたかも双子のようにそっくりで、区別が付かないのはワタクシだけか?

特にアフリカ勢などの黒人選手は、みな同じ顔に見えてしまうだけに、ケニアやエチオピア選手の独壇場となる中~長距離競技は、国籍を含めて選手の判別に苦労してしまう。

 

実際に、かつてどこかのマラソン大会で、トイレに行くフリをして選手が入れ替わった「替え玉事件」があったが、ゴールまで誰も気付かなかった。余談ながら、やはりマラソン大会でアラブの選手がゴール後「替え玉」が発覚したが、この時は「髭の有無」でバレタという、マンガのような実話があった。確かに、アラビア人も髭を生やすとみな同じような顔に見えてしまうが、替え玉するなら髭の有無くらいは合わせておけ 柱|m) ウププッ

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