●忍の場合
(ああ、私のラッキーボーイ!
どうしちゃったのー?
今日は、きっと居るわよね・・・だって健康な若者のサンプルのようなアナタじゃない・・・)
(ああ、私のラッキーボーイ!
どうしちゃったのー?
今日は、きっと居るわよね・・・だって健康な若者のサンプルのようなアナタじゃない・・・)
とアパレルショップの閉店時間も待ち遠しく、一目散に駅に向かう忍。
(昨日は、もしかしてすごく遅くなったとか? よし!
今日は2時間だろうと、待つ覚悟よ!
だって、アナタのことが心配で眠れないんだもん・・・)
今日は2時間だろうと、待つ覚悟よ!
だって、アナタのことが心配で眠れないんだもん・・・)
と、まずは「定時」にやって来た電車に血走った目を凝らす忍。
しかし車内には、ラッキーボーイの姿はない・・・
そして・・・次の車内も同様であった。
1時間後に、ホームに入って来た電車を凝視する忍 ( ;¬_)ジーーーッ
(やっぱり、いない!
ああ、私のラッキーボーイ!
一体、どうしちゃたのー?)
ああ、私のラッキーボーイ!
一体、どうしちゃたのー?)
と叫びたいのを堪えた忍は、次に思わず悲鳴を上げそうになった。
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●タコオヤジの場合
昨日は、彼女がホームに陣取ったまま、なかなか電車に乗らんのには参った。
いつもより距離を取って、なんとか姿が確認できる辺りでこっちも待機したが、彼女のあの不可解な行動は勿論、あの「ラッキーボーイ」が関係しとるハズだ。
クソッ、イロオトコめが! (`Д´)y-~~ちっ
そう・・・昨日は珍しく、ヤツの姿がなかったのだ。
お蔭で、彼女の前に立ちはだかっていた「壁」が取り払われて、顔が良く見えたのは儲けものだったな。
待ったかいがあったというもんだ ニヒヒヒ ( ̄∀ ̄*)
そうは言っても、こっちは姿を観られたらヤバい。
ましてや、痴漢扱いなどされては堪らん。
そう、オレって誤解を受けやすいタイプなんだよな・・・根はまじめで善良なのに、痴漢扱いされたりな・・このオレが痴漢とは、実に心外極まることだ。
それはともかくとして、昨日にも増してビックリしたのが今日だった。
例によって、ホームで1時間も待たされた挙句、次に電車がホームに入って来るや、突如として彼女が一目散に駆け出して行ったじゃねーか!
あんまり予想外の行動で、とっさのことだったから追っかけるわけにもいかず諦めたが、一瞬なんかの発作でも起こしたのかと勘違いしたくらいだ。
あれは一体、なんだったのか・・・
アタマの悪いオレに、あの行動の推理なんか出来るわけはない。
ところが、次の日に彼女が立つホームの位置が、えらく後ろの方に変わっとったのに驚いた。
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●忍の場合
(ラッキーボーイが居た!!!
しかも・・・いつもと違う車両に!!
なんで??)
なぜ、この日に限って違う車両に・・・という疑問は抱きつつも、気付けば体が勝手にダッシュをしていた ε=ε=ε=(ノ*´Д`)ノ
息も絶え絶えに、なんとか乗ることが出来た忍。
これまでとは違い、隣のドアではなく遥か遠くになってしまったが、とにもかくにも同じ車両内に「ラッキーボーイ」の元気な姿を見て、胸に安心感が広がって行き、ジンワリと涙が溢れだした (T∇T )
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●タコオヤジの場合
一体、なんなんだろう・・・さては、これまで考えてきた「ラッキーボーイ」が彼女のお目当てというのはオレの勝手な妄想に過ぎず、あれはまったく何の関係もなかった?
だとしたら彼女の、あの昨日からの行動は、なんなんだ?
もしかして、彼女は「かなり変な人」だったとか???
などと考えていると、電車が入ってくるや、またしても彼女が一目散に駆け出したからビックリだ。
とはいっても、昨日とは違って今日はある程度、こっちも心の準備が出来とったから、彼女が入ったドアの位置をしっかりと確認しといてから、こっちも猛ダッシュよ。
オッサンを2人くらい突き飛ばしたかもしれんが、そんなことには構ってられん。
そこまで頑張ってはみたものの、あの混雑したラッシュ時のホームだから、隣の車両まで辿り着くのがやっとという有様よ。
この混雑の中、車両を移動するのも大変だから、次の乗り継ぎ駅で大勢の乗客が入れ替わるタイミングまで待って、やっとのことで隣の車両に移動してみると・・・そこで彼女の「謎の行動」の原因が判明した。
彼女の遥か向こうの方に「ラッキーボーイ」の姿があった!!
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