2003/05/12

入園

 入園早々、大勢の仲間に囲まれて水を得た魚のように跳ね廻る、にゃべっち。

 いたずらものの本領を発揮し、保母さんの手を焼かせていた。

 陽気なにゃべ少年は、毎日のように園で流行歌を歌っていたらしい。

 悪戯で押入れの中に入れられても、聞こえて来るのは泣き声ではなく、歌声ばかりだったそうで

 「お仕置きの効果が、まったくないよ・・・」

 と、保母さんを嘆かせていた。


 にゃべっち家は商売のため、母が園に迎えに来る時間は不規則になったが、迎えが遅くなって最後まで取り残されても、元気に歌っていたとか。

 「他の子は淋しがって泣いたりするのに、にゃべちゃんはしっかりしてるわねー」

 と、ヘンな風に感心されていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿