この日の宿は、北上に近い郊外である。最寄駅の金ヶ崎までは平泉から電車で25分程度だから、まだ宿に向かうには早い。観光案内で聞いた日帰り温泉へ寄ろうとしたが、次の電車までの待ち時間が50分ほどという中途半端なタイミングだった。
温泉まで歩いて15~20分ほどというから往復30~40分とすると、ゆっくり入っているには時間が足りない。とはいえ、その次の電車となると例によって1時間も先になってしまい、それではゆっくり温泉に入ったとしても時間が余りすぎてしまう。そこで、温泉は翌日の帰る前にゆっくり寄ることにして、次の電車に乗車した。
(これじゃ、宿に早く着き過ぎるな・・・)
と思ったとしても無理はなく、計算上は6時ころには到着する予定だった。ところが、ここでまたしても大きなミスが発生した!
なんと愚かなことに、ようやく来たと思って飛び乗った電車が、反対方向の一ノ関の方に戻ってしまったのである。普通なら、なんてことのないミスと言えたが、なにせこのような土地ではこうしたミスは「致命的」である。反対方向となる金ヶ崎へいく路線は、タイミング悪く入れ違いで出てしまったばかりで、次の電車は1時間以上も先ではないか。
(ちくしょう!
こんなことなら、あの温泉に余裕で入れたじゃないか!)
などと地団太踏んだところで、全てはアフターカーニバル。そして、今度はようやく間違えずに乗った電車で金ヶ崎に到着した時は、すでに7時を過ぎていた。
車窓の外は真っ暗な田舎町で
(果たして、駅にタクシーなんているんかいな?)
と不安が頭を擡げてきたが、案の定タクシーなどは影もなかった。旅館までは「車で15分」とあるから、とても歩いて行ける距離ではなく、タクシーがないことには行きようがないではないのである。
(こりゃ、参った!)
途方に暮れてタバコをふかしている間にも、雨はいよいよ本降りになってきた。思いついて公衆電話のところに行くと、ようやくタクシー会社の看板が目に付いたのは幸いだったが、旅館は遠く3400円もかかってしまった (キ▼д▼)y─┛~~゚゚゚
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