2006/06/27

ボロディン 交響曲第1番(第2楽章)


※とても良い曲なのだが、残念ながら良い演奏が見つからなかった。音が軽すぎる・・・

ボロディンは、作曲家としてその道に秀でていたにもかかわらず、いつも化学者として収入を得ており、化学の世界においては、とりわけアルデヒドに関する研究によって、非常に尊敬されていた。結果的に「日曜作曲家」を自称することになり、同時代人ほど多作家ではなかったものの、2つの交響曲や音画《中央アジアにて》(通称;交響詩《中央アジアの草原にて》)、抒情美をたたえて人気の高い「夜想曲」で有名な《弦楽四重奏曲 第2番》は、盛んに演奏されている。

 

ボロディンの作品は、力強い叙事詩的性格と豊かな和声が特色である。名高い「ロシア五人組」の同人として、ロシア的な要素は否定すべくもない。情熱的な音楽表現や比類のない和声法は、ドビュッシーやラヴェルといったフランスの作曲家にも影響を与えた。また同世代のロシア人作曲家の中では、自然にポリフォニーを扱う能力でも際立っている。

 

交響曲や弦楽四重奏曲のスケルツォ楽章は、ボロディンがメンデルスゾーンの作風を熟知していたことをうかがわせる。また、第1主題と第2主題との間に明確な対照性を与えず、それらに関連した要素を配置していく手法は後の時代のシベリウスを予感させ、西欧的な二元性とは異なった思想基盤が表れている。

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