2006/06/24

予選リーグ総括(サッカーW杯2006ドイツ大会)(3)


 W杯の予選リーグが終了した。世界が驚くような番狂わせはまったくなく、勝つべくして勝ち上がって来た16の強豪チームが出揃ったな、というのがここまでの感想である。

優勝候補と言われるブラジルを筆頭にアルゼンチン、イタリア、スペイン、イングランド、オランダ、ポルトガルといった強豪国が危なげなく勝ち上がって来たのはさすがだ。ホスト国のドイツも徐々に調子を上げて来たし、予選通過が危ぶまれたフランスも土壇場でなんとか進出を決めた。

一方で、アジア勢は四チーム合わせても韓国が無名のトーゴに勝ったのが唯一の勝利で、日本を含めたそれ以外の三チームは揃って「1分2敗」と「順当に」実力通りの結果しか残す事が出来なかった。

これまでこのシリーズを読んで来て、ワタクシの事を「アジア蔑視」と決め付ける人がいるかもしれないが、まったくそういう事実はない。これがアジアの現実の力であり、何度も言っているようにどう考えても四枠は多過ぎるのである(ワタクシはずっと、二枠で充分だと思っている)

さてアジアの話はさておき、予選リーグでやや意外だったのは初戦に素晴らしいサッカーを見せたチェコが敗退した事で、代わりに勝ち上がったのがガーナだ。アジアに次いで振るわなかったアフリカ勢の中で、唯一勝ち上がったガーナだが、決勝トーナメント初戦でいきなり優勝候補本命のブラジルと当たってしまった。

ずっと前から言われ続けている事だが、アフリカ選手の身体能力の高さは世界でも群を抜いている(ただしチームプレーが出来ない)だけに、ブラジル相手にどんな戦いをして見せるかが、ワタクシの密かな楽しみだ。大番狂わせでブラジルを破り、その勢いで破竹の快進撃をしないとも、あながち言い切れないのである。

リーグ戦の篩にかけられ、ここまで生き残った各チームにさほど力の差はないはずであり、負ければ終わりの一発勝負だけに、ここからは何が起こるかはまったくわからない。実力で勝るチームであっても、怪我や予期せぬ退場者が出れば終わりであり、決着が付かない場合はPK戦というケースも増えてくる事を考えれば、これまで以上に「」といった要素も大きく左右してくるだろう。

いずれにせよ、日本が消えた時点で観戦を辞める人がどれくらいいるのかはわからないが、冒頭にも書いたように今大会は勝つべくして勝ち上がって来たチームが、キッチリと揃って来たと個人的には思っている。ここからが「真のW杯」なのである。

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