2016/11/13

主食・副食の摂取量の特徴と変化(農林水産庁Web)

日本の食事の構成上、量的に最も多かったものは飯である。農村地域などに定着していた飯は、必ずしも米の飯のみを指すものではなく、大麦や雑穀を混合して炊いたものも飯と称した。いずれにしても飯から必要なエネルギーの大半を摂取していたので、文字通り主食であった。

 

これに対し、汁、煮物、焼き物などの菜(おかず)は副食と称され、主となる飯に副える意味で使われ、量的にもわずかなものであった。さらに漬物は、日常だけでなく本膳料理や懐石料理などの儀礼的な料理にも欠かせないものであり、年間の使用量を計って用意する必要があった。

 

下記は、米・麦など穀類の摂取量とそのエネルギーを主食とみなして、その摂取量と変化を見たものである。それぞれの調査が異なることや、必ずしも主食のみに使われたとは限らない米、小麦も含まれるものの、時代の大きな流れは見て取れる。

 

穀類(主食と考える)エネルギーと、それが総摂取エネルギーに占める割合を現在の食品成分表の数値を用いて算出した。195160年の調査では、穀類(主食)の占める比率が総摂取エネルギーの70%以上となっており、穀類(主食)に著しく重きをおいた伝統的な食事であったことを示しているが、その後急速に穀類(主食)への依存度は減少した。1970年から80年代は、穀類(主食)の比率が副食に比べてやや多く、バランスのとれた比率であったが、米の摂取量の減少率は小麦の摂取率の増加以上で、2000年には穀類とその他の食品、すなわち主食と副食のエネルギー比率は逆転し、副食からの摂取エネルギーの方が多くなっていると考えることが出来る。

 

なお、2001年度の調査から米の摂取量は、飯及び粥の重量で示すことに変更されたために、そのままの数値では摂取量の変化を追えなくなった。通常米は飯になると、2.22.3倍となるが、粥の水分は様々なので換算は困難である。殆どが飯と考えて換算すると、2006年の米(飯・粥)345gは、米150g程度かそれ以下となり、2000年よりさらに米摂取量が減少したことになる。

 

欧米の食習慣が定着した結果、主食に重きを置いた伝統的な食べ方が変化し、副食に重きを置く形になっていることを示している。

 

2 穀類(主食)の摂取量と変化(摂取概量(11日)g

ü  1917年:米380、大麦等120 、穀類エネルギー概量:1,800kcal/75

ü  1951年:米355、小麦等76、穀類エネルギー概量:1,520kcal/72

ü  1960年:米360、小麦等65、穀類エネルギー概量:1,500kcal/71

ü  1975年:米248、小麦等92、穀類エネルギー概量:1,193kcal/54

ü  2000年:米160、小麦等94、穀類エネルギー概量:900kcal/45

ü  2006年:米(飯・粥)345、小麦等96、穀類エネルギー概量:796kcal/42

 

一日に必要なエネルギーをタンパク質、脂質、炭水化物からどのくらいの割合で摂取するかを示したPFCバランスは、現在やや脂質の比率が高い傾向にあり、炭水化物からの摂取が少なくなっている。適正なバランスを保つためには、ある程度主食の比率を高くする必要があろう。また主食を米にし、伝統的な調理法で副食を用意したものは、脂質が比較的少なくPFCバランスが適正値となりやすい。

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